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◆定期刊行物No.010 〜君はアトランティスを発見できるか〜

 東京国際映画祭が本日閉幕。クロージング作品「アトランティス」を見て参りました。映画の感想の前に映画以外について。まず上映前にWalt Disney Co.の副会長であり、ウォルトの実の甥でもあるロイ・ディズニー氏が登場。アトランティスがウォルト生誕100周年作品であり、その作品をウォルトの言葉を借り、「私たちは子供向けの映画を作ろうと思ったことはない。私たちはすべての人が心の中に持っている『子供心』に響く映画を作っている」とのべ、今回吹き替え版にてプリンセス・キーダを担当した木村佳乃から花束を受け取っていました。興味深かったのはロイ氏の口から本作が「ディズニー長編アニメーション第40作目」と明言していたこと。ターザンが37作目ということは聴いていましたのでおそらく38作がファンタジア/2000、39作目がラマになった王様ということでよいのでしょう。疑問解消。

 で、映画が終了後スタッフロールをとばしてドリームズ・カム・トゥルー登場。1階客席はほぼドリカムファンだったことがここで判明(後から聞いた話だが、2日前くらいから泊まり込みしていたファンもいたらしい)。ここで思わず、ラストのL'Arc-en-Cielのためだけにファンが大挙して試写会に繰り出したあの「ファイナル・ファンタジー」(監督:ヒゲ)を思い出しました。今回の主題歌「crystal vine」を熱唱したあと、最近発表した曲を中心に5曲くらい演奏してくれました。でも私が知っていたのは「うれしい!楽しい!大好き!」くらい。3枚目くらいまでのアルバムはかなり聴いていたんですけどね(あっているか不安だけど「いつのまに」「24/7」「好きだけじゃだめなんだ」「Snow Dance」は歌ってました)。生を聴いたのは初めてですがさすがに実力派です。マジで感心しました。で、「うれしい!楽しい!大好き!」を歌ってドリカムがはけたあと、みんながアンコールを期待していると「星に願いを」が流れて、暗転したステージになんと「Walt's 100th」という文字が浮かび上がりました。周りのドリカムファンには悪いけど、私はかなり感動。すると、ドリカムの代わりに司会のお姉さんが登場し会場は愕然(笑)。そしたらなんと、ミッキー&ミニーが登場し会場はドリカム並みの声援を。やっぱりすげえな。で、ロイ氏も再登場して軽くインタビューを行いました。アトランティスで一番好きなキャラクターは?と聞かれたロイ氏は、「アトランティスには出てないけど、この質問を受けたときは必ずミッキーと答えるようにしているんだ。でも今日は(ミニーの方を見ながら)ミニーも一緒だから、ミッキーとミニーだね。アトランティスの出演者では、やっぱりマイロが一番だと思う。アトランティスを発見したのは彼の力だからね」と述べていました。また、ウォルト氏についてどう思っているかという問いに対しては「仕事の上司としては、本当に厳しい人だった。でも叔父としてのウォルトは、それはそれは優しい人だったよ」と、一個人としてのウォルトについて触れる一言もありました。最後にはドリカムも再登場し、握手をして閉幕しました(このときに流れたのが東京ディズニーランドバンドアレンジの「星に願いを」でプチ感動)。チケット代からしたらとんでもなく盛りだくさんなイベントでした。

 さて、お待ちかねのアトランティスインプレッションですが、まあ前日の美女と野獣が終了したときに何名かの特派員の方とお話ししたときにもちょろっとしゃべったんですが、ある程度のマニアになると、「皆がいいと思ったものをダメといい、ダメと思ったものをいいと言ってしまう」傾向があると思うんです(笑)。よってこの2本は美女と野獣をダメって言ってアトランティスをいいって言っちゃうんだろうな自分、とかすかに思ってましたが、その通りになりそう(笑)。個人的には悪くもないがよくもない、という感想です。んー、比較論では語れないとは思いますがヘラクレスよりは上だと思います。比較論では語れない、というのは、この作品、見ていただければわかりますがものすごく挑戦的で、今までのディズニー映画にはないものを作り出さなければならない、という気持ちがひしひしと伝わってきます。ポカホンタス以上にチャレンジャブルです。ディズニーアニメでミサイル発射のシーンが出てくるとは思わなかった。ですので、ディズニーとしては初めての分野に近いものがあるため、今回はテストフィルム程度の出来。あのアラジンやターザンですら、最初のプロットは内部でたたかれ、その結果あのストーリーになったはずです。この作品もプロット時点でもう少したたかれていたらまとまったのかもしれないなあ、と思いました。いみじくも同居人が「初期のドリームワークス作品のようだ」とポツリ。これは言い得て妙かもしれません。

で、よかった点。今回あまり前情報を入れずに見たんですが、キャラクター一覧を見るとけっこう主要キャラクターだけでも人数が多く、名前と顔が一致せず終わりそうだなあ、と思ってましたがそれぞれの性格付けがかなり濃いということもあり、それは杞憂で終わりました(まあ穴掘りのモールは濃すぎて浮いてましたけど。余談ですが東京ディズニーシーの「センター・オブ・ジ・アース」とこのアトランティスって無関係なんでしょうか。てっきりこのモールが関連するのではないかと思っていましたが。誰かバックグラウンドストーリー知りません?)。でも最後まで名前はわからないまま終わりました(笑)。特に個人的に興味深いと思ったのはオードリー(うわ、これ吉田美和が担当なんだ。おいしすぎる)。登場シーンは少ないのに妙に心に残りました。その代わりキーダの印象があまりに薄すぎます。で、この辺がポイントになるかと思いますが、例のナディア論争、たぶんナディアファンの人が見たらこの「キーダがあまり登場しない」というポイントだけで「似てない」という結論が出るんではなかろうか、と思いました(繰り返しますが私はナディア見てないんで断定できないんですけどね)。この作品は出来はどうあれマイロのストーリー。まあ最終的な判断はみなさまで。とか言いつつもdprs!に報告があったように古代文明のマシンやクライマックスのアレは宮崎アニメ(特にナウシカしかも庵野?)の影響があるのは間違いないですけど。

 ということで、結局ダメ出ししてしまった。ディズニーは迷走とは言わないまでも、伝統的なおとぎ話だけではもうダメだ、ということを感じているんだなあ、と思わせる作品「アトランティス」。万人にはお勧めできませんが、お時間があれば見ておきましょう。

(Written by postmaster, 2001/11/4)

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