「ディズニー・オン・クラシック 〜夢とまほうの贈りもの〜 2023」とうとう開幕 公開リハーサルに参加してきた

mtakeshiの雑記ディズニー・シアトリカル・グループ

いや、本当に素晴らしかった。

LINK: ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2023

LINK: 「ディズニー・オン・クラシック 〜夢とまほうの贈りもの 2023」開幕!6/25(日)まで、全国18公演を開催!|ハーモニージャパン株式会社のプレスリリース

2023年5月13、14日、J:COMホール八王子にて「ディズニー・オン・クラシック 〜夢とまほうの贈りもの 2023」がとうとう開幕しました。今回はそれに先立ち、公開リハーサルを拝見させていただきました。結論から言うと本当にクオリティの高いコンサートで、冠には付いていないものの、ウォルト・ディズニー社創立100周年「Disney100」への解像度が非常に高い、素晴らしい内容でした。

今回の公演は、5月13日のプルミエコンサートを皮切りに、全国16都市18公演が予定されています。辻博之氏が指揮を、THE ORCHESTRA JAPANがオーケストラを、そしてささきフランチェスコ氏がプレゼンターを務め、日本が誇る声楽家団体「二期会」に所属しオペラやクラシック歌曲を中心に活躍するヴォ―カリストによるパフォーマンスです。

ディズニー・オン・クラシックといえば、これまでも日本公演を定期的に開催していたもので、20年以上の歴史を持つコンサートシリーズです。今回の「夢とまほうの贈りもの」は5〜6月に開催している、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオとのコラボレーションでのシリーズとなります。

LINK: ディズニー・オン・クラシックとは | コンサート企画制作-ハーモニージャパン

2023年版は「ズートピア」「ベイマックス」「バンビ」「ファンタジア2000」「ライオン・キング」などをフィーチャーし、スコア、そして主題歌を披露する内容に仕上げられています。パフォーマンスの前後には、その作品における制作秘話も解説が行われ、広義の“ディズニー”を楽しみ、学べる構成になっていました。

現時点でのスケジュールは下記の通りです。チケットは既に発売中です。

5/20(土)神戸国際会館 こくさいホール
5/21(日)ロームシアター京都 メインホール
5/26(金)福岡シンフォニーホール(アクロス福岡)
5/27(土)広島文化学園HBGホール
5/28(日)倉敷市民会館
6/2 (金)太田市民会館
6/3 (土)ホクト文化ホール(長野県県民文化会館)
6/9 (金)神奈川県民ホール 大ホール
6/10 (土)四日市市文化会館 第1ホール
6/11 (日)アクトシティ浜松 大ホール
6/15 (木)東京エレクトロンホール宮城
6/16 (金)東京国際フォーラム ホールA
6/17 (土)東京国際フォーラム ホールA
6/18 (日)YCC県民文化ホール 大ホール
6/24 (土)フェスティバルホール
6/25 (日)KDDI維新ホール メインホール

LINK: スケジュール – ディズニー・オン・クラシック 〜夢とまほうの贈り物 2023 | コンサート企画制作-ハーモニージャパン

Opinion: From the “D”post

公開リハーサルに参加させていただいたのは2016年以来。それ以外でもちょこちょこと聞きに行っていましたが、春プログラムは今回が初めてでした。特に2021年秋の「まほうの夜の音楽会」は、エプコットの伝説的なパレード「Tapestry of Nations」のためだけに聞きに行きました。号泣しました。

これから体験される方のためにネタばれなしにレポートしたいと思いますが、もう1曲目(ズートピア組曲の前)で完全にノックアウト状態になれます。さすがはDisney Concertsの主管によるプログラム。この時点で8兆点なんですよ。

しかし、それだけではありません。ファンであっても映画のスコアまで完全把握している人は少ないとは思いますが、ディズニー・オン・クラシックはそのスコア部分に、ひたむきに向き合っています。映像も流れることも相まってか、意識していなくても覚えているそのスコアの素晴らしさを、本コンサートでもう一度“ディズニー作品”を楽しめるようになっているのです。例えばベイマックスで言えば、劇中でも非常に印象的だったフライトシーンをフルオーケストラで楽しめるというのは、これまでにない体験になるはずです。

これを体験して感じたのは、いわゆる「みんなが好きなディズニーソング」を投票で決めようとしてしまうと、どうしても優等生なランキングに落ち着くと思うんですよね。そこには意外性もないし、本質的でもない曲が並びます。

しかし、ディズニー・オン・クラシックのプログラムは、そういう曲もさることながら、民主的な仕組みでは出てこない、ディズニーの名曲/名シーンがピックアップされてる気がしました。これこそキュレーション力だと思うんですよね。私も今回久しぶりに映画の名シーンと素晴らしい演奏に出会って、作品の良さを再認識できた気がします。

個人的には「ファンタジア2000」の火の鳥は、新宿にかつて存在していたIMAXシアターで何十回となくみたときの思い出がよみがえりました。

そして、今回のメインである第2部の「ライオン・キング」。実は私、ライオン・キングの初見時の印象があんまり良くないんですよね。私にとってこの作品が公開された頃は、舞浜厨二病みたいなのをわずらってた時期だったりします(美女と野獣、リトル・マーメイド、アラジンを立て続けに見てハワード・アシュマン信奉してた時期に公開された、メンケン&アシュマンではない作品だったため)。なのでしばらくの間この作品は評価不能だったのが、後に劇団四季による舞台化で変化します。実写版作品もよいと思いました。そして、今回久しぶりに「ライオン・キング」を音楽面から再視聴し、再評価ができた気がしています。やっぱりすごいなこれ。特に後にナラの楽曲(Shadowland)につながるスコア「This Land」の一部がクライマックスのところで静かに流れ、悲しみを表現するそのメロディが復活につながるところ、身震いがしましたね。モアナのときに未完成のメロディについて触れてましたが、ライオン・キングのときに既にそれをやってたんだなあ、と。

さらに、ディズニー・オン・クラシック恒例の「星に願いを」。やっと緊急事態宣言もあけ、会場でも歌うことができるようになりました。まさにそれは「復活」そのものであり、本プログラムの重要なポイントとなります。ディズニー・オン・クラシックを楽しみにしていた方に取っては、この1曲は単なるディズニー楽曲ではない、心を動かす一瞬になるかと思います。そしてその曲を体感することで、本プログラム全体に込められたメッセージも理解できるのではないでしょうか。

久しぶりに「ディズニーを追いかけてきてよかった」と思えるほどのコンサートでした。本プログラムはこれから本格的に全国を回ります。これはぜひ、ディズニー・オン・クラシック未体験の方にも参加いただければと思いました。オーケストラのコンサートはハードルが高いという方にも楽しめるよう工夫されたステージで、いろいろな発見があるのではないかと思います。ぜひ、お近くのホールへ。

なお、秋のプログラムでは「美女と野獣」がフィーチャーされるとのことです。美女と野獣に関してはいろいろな思いがあるので、冷静に聴けるだろうか……。

LINK: ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2023 | コンサート企画制作-ハーモニージャパン

LINK: 明日5/13(土)12:00〜最速先行受付開始!「ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2023」『美女と野獣』をメイン演目に、9〜12 月全国ツアー開催!|ハーモニージャパン株式会社のプレスリリース

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