問題はクリケットだけじゃなかった。

ウォルト・ディズニー社は2023年1〜3月期(FY2023Q2)の決算発表を行いました。売上高は前年同期比13%で218億1500万ドル、純利益も前年同期比2.7倍で12億7100万ドルでした。これには同社の動画配信サービスにおける赤字幅縮小、およびテーマパーク部門が好調(前年同期比23%増)だったことが要因としてあげられています。


この中でやはり質問が相次いだのは「Disney+」を始めとする動画配信サービスの状況。ボブ・アイガーCEOおよびクリステン・マッカーシーCFOは、現在アメリカで提供されている広告ありプラン(7.99ドル)と通常プラン(10.99ドル)の差を広げる計画(通常プランの値上げ)を示唆しています。また、今後はDisney+とHuluのアプリを統合する計画にも触れています(おそらく日本をのぞいて)。


なお、前回の四半期決算では、グローバルでのDisney+会員数減少の要因として、インドにおけるクリケット配信権を失ったことをアピールしておりましたが、今回の発表では2022年12月の値上げの結果、アメリカ、カナダにおいても会員数が減少したことも明らかになりました。配信部門としては赤字ながらこれまでに比べると赤字幅は減少しており、引き続きコスト削減のため、一部コンテンツの削除、およびコンテンツ制作のコントロールを行います。
米ウォルト・ディズニーが10日発表した2023年1〜3月期決算は売上高が前年同期比13%増の218億1500万ドル(約2兆9300億円)、純利益は2.7倍の12億7100万ドルだった。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN092HU0Z00C23A5000000/
LINK: 米ディズニー、増収増益 – 日本経済新聞
LINK: ディズニー1-3月、動画配信事業赤字が予想より小幅-会員減少 – Bloomberg
ただ動画配信サービス「ディズニー+(プラス)」の会員数は、4月1日時点で1億5780万人と昨年末時点と比べ400万人減少した。
https://www.sankei.com/article/20230511-PKOB4WERSJPPXIUTK6Z5XWSIYY/
LINK: 米ディズニー増収増益 1~3月期、配信事業改善 – 産経ニュース
まず一部の既存コンテンツを配信プラットフォームから削除する。それに伴い、4〜6月期に約15億〜18億ドルの減損を計上する見込みだ。さらに制作するコンテンツの量と費用も減らす。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN10EAE0Q3A510C2000000/
LINK: 米ディズニー、配信作品を削減 黒字化に向け戦略見直し – 日本経済新聞
LINK: ディズニーのDisney+加入者が400万人減少、株価下落 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
アイガー氏は10日、ディズニーは州中部の開発促進を目的に50年以上前に設置された特別区を活用して多数の観光客を呼び込むリゾートを建設し、7万5000人以上を雇用していると強調。今後10年で事業拡張に170億ドルを投資する計画だと述べた。
その上で「州はわれわれがさらに投資を行い、雇用を拡大し、より多くの税金を納めることを望んでいるのか、いないのか」と問いかけた。
https://jp.reuters.com/article/walt-disney-results-florida-idJPKBN2X202S
LINK: フロリダへの投資継続、州が望むか疑問=ディズニーCEO | ロイター
Opinion: From the “D”post
冒頭、ボブ・アイガーがユニバーサルの「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」の成功に賛辞を述べていたのが印象的でした。
コンテンツの一部削除というのが気になりますね(以前問題になっていたMCU作品の配信権消失?)。確かにここ最近のDisney+オリジナルコンテンツは精細さを欠いており、MCUドラマも不発が多く、スター・ウォーズ系もマンダロリアン以外は厳しい状況。ディズニーが大好きな人たちをのぞくと、積極的に継続して契約するサービスでもなくなってきているのは確かな気がします。アバター2も配信されないし。わが家で最も見られているDisney+コンテンツは「水星の魔女」だしねえ。
コンテンツ量に差がないならば、日本でも2023年中には提供されるはずの広告ありプランでもよいかなー。
そして気になってた今後の作品リストなど。あんまり変化はないかな。2023年12月の実写作品はサーチライトだったか……。



追記
コンテンツ削除の続報が出ました。これはとても痛い。