ボブ・アイガーCEO、モルガン・スタンレーのオンラインカンファレンスに登壇。2023年3月9日に開催された会話の中で、さまざまな記録すべきコメントがありました。

配信サービスにおける戦略と組織再編
前半にはDisney+における価格戦略について述べ、プロモーションなどで無料で見られるような施策は短期的に契約は伸びてもすぐに他のプラットフォームに移ってしまうという点。そして広告モデルに関しては「比較的少ない広告量で、ブランドの純度やオーディエンスの特異性、そしてオーディエンスが非常に熱心なだけでなく忠実であることを考えると、広告主にとって喜ばしいことで、これは私たちにとって非常に新しいことだ」と評価しています。
また、財務とコンテンツの決定が結びつきがディズニーにとってどれほど重要なのかを問われたボブ・アイガーCEOは、かつてCEOを降りたあと、流通、広告、サブスクリプションを行う部門が分離され、コストを使うコンテンツサイドと分けられたため、収益の観点から説明責任を果たすべく「支出されるものに結びつける」。これが組織を再再編することにつながりました。
また、ディズニーのコンテンツに関してボブ・アイガーCEOは、「リトル・マーメイドの実写版の映画が控えていますね。それを見れば、ディズニーのブランド力がいかに強いかがわかると思いますし、とても興味深いことでもあります」と述べます。100周年を迎える“ブランド”として他のブランドとは比較できないと述べつつ、唯一同じものとして「コカ・コーラ」(創業1886年)を挙げています。また、マーベルについては「7000人のキャラクターがいる」と述べつつ、あるキャラクターについて何回掘り下げるべきか、続編が必要か、それとも他のキャラクターに目を向けるべきかと述べています。この流れでスター・ウォーズにも触れ、ジョージ・ルーカスによる6作品のあと、ディズニーが手掛けた「Solo」(ハン・ソロ)が「残念な結果だった」とし、スター・ウォーズを作る時は必ず正しいものを作るつもりであるとしました。加えてピクサーによる新作「Elemental」および「Elio」がお勧めだと述べています。
パンデミック後のパークビジネスは?
パークビジネスにおける優先課題について、市場における一人当たりの売上高や消費者ニーズが非常に高く「稼ぎすぎでは?」と問われたボブ・アイガーCEOは、パークビジネスの回復力はこれまでの2008〜2009年の不況や2001年のテロ後もそれぞれ立ち直ってきたと述べつつ、上海ディズニーリゾート、およびディズニーランド・パリの運営がうまくいっていると述べます(これは先の四半期発表でも触れています)。
そして、モデレータからの指摘については、「利益を伸ばすことに熱中するあまり、価格設定について少し積極的になりすぎたのではないかと思っている」と述べ、ディズニーがアクセスしやすいブランドであり続けるべきだというCEOの考えのもと、価格設定をよりスマートにし、ビジネスを成長させるというコメントがありました。既にボブ・アイガーCEO復帰のタイミングで一定の措置を講じたことが、消費者によく響いたと述べています。具体的には混雑を緩和させゲストの体験を向上させることだとしました。
LINK: Bob Iger Says Disney Theme Parks Got Too Pricey In Pursuit Of Profit – Deadline
この点に関しては即座に(モデレータに突っ込まれる前に)、「しかし、混雑のために顧客の満足度が下がるのであればうまくいかない。価格設定に特長を持たせることで、消費者の中には少し攻撃的だと考える人も出てくるので、その点は注意している」とも述べています。