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ディズニーパークにおける新ウェアラブルデバイス『MagicBand+』を試してきた

mtakeshiの雑記カリフォルニア ディズニーランド・リゾートフロリダ ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート

たまたまロールアウト日の2022年7月27日にフロリダ ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートにいましたので、早速購入し試してみました。

LINK: Experience More Magic with MagicBand+ | Walt Disney World Resort

ウォルト・ディズニー・ワールドにて、新たなウェアラブルデバイス『MagicBand+』がリリースされました。これは2014年にスタートした『MagicBand』のアップデート版で、これまでのMagicBandの機能に加え、ショー連動や独自のアクティビティを追加したものです。

MagicBand+はなにができる?

まずはプラスじゃない方のマジックバンドから。2014年にフロリダ ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートにてスタートしたMagicBandは、それまでのKey to the World(要するにカードキー)に変わるものとして登場したバンドで、これまでのカードキー同様、ルームキー、入園チケット、そしてルームチャージとしての決済機能を実現。さらにMagicBand特有の機能として、BluetoothやRFIDを利用した遠隔センシングを基にしたインタラクティブな体験を提供していました。

例えば遠隔センシング機能を使い、アトラクションにおいてライドに乗っている人の情報をサーバーから取得し、目の前の画面の内容をゲストの属性に合わせ変更する(例えば日本語で「さようなら」と表示する、誕生日のゲストを判別する、など)ことが想定されていました。厳密にはMagicBandは単なるIDでしかなく、そのIDをもとにサーバーの情報(MyMagic+と呼ばれていたWebベースのサービス。後のMy Disney Experience+Disney Account)をリアルタイムにひも付け引き出せるというのが、MagicBandのポイントでした。

が、後にプライバシーの課題が浮き彫りとなり、MagicBandを使いゲストの個人属性を活用するというインタラクションは徐々にフェードアウトしています。当初はキャストが魔法のように「誕生日おめでとう!」と話しかけるシーンがCMでも取り上げられていたにもかかわらず、後にその部分の音声だけがカットされるなど涙ぐましい状況も。

その後、MagicBandは無料配布を終了、満を持して新たなデバイス『MagicBand+』が有料で登場しました。MagicBand+/MagicBandの比較は下記の表にまとめられています(MagicMobileに関しては後述)。

これを見ても分かるように、実はMagicBandとできることはほとんど変わりません。その差分はたった2つ、『フロリダ ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートにおける魔法のようなインタラクティブ機能』と『充電可能なバッテリー』です。重要なのは前者ですので、そこを紹介しましょう。というか後者はデメリット。

現時点でできる、MagicBand+のインタラクティブ機能は下記の3つです。

ナイトタイムエンターテイメントの連動

まずはナイトタイムエンターテイメントの連動。現時点ではエプコット『Harmonious』およびマジック・キングダムの『Disney Enchantment』が対応しています。これはかつてD23 Expo Japanのセッションでも配布された『Glow With the Show』の流れをくむもので、ナイトタイムエンターテイメントの音楽やシーンに合わせ、バンドが七色に光り、振動するというものです。実際に確かめてみましたが、確かにDisney Enchantmentではイントゥ・ジ・アンノウンにあわせて振動するなど、一体感を感じるような仕組みになっていました。

Disney Fab 50 Quest

こちらはウォルト・ディズニー・ワールド50周年のもの。現時点では2023年3月末まで開催予定の『世界で一番マジカルなセレブレーション』(The World’s Most Magical Celebration)では、4つのパークで50体の黄金像『Disney Fav 50』が各所に展開されています。これらをすべて巡るスカベンジャーハントを、MagicBand+ユーザー限定で開催しています。

バンドを持っているゲストがFav 50の近くに行くと、MagicBand+がブルブルと震えます。その後、像に向かって“手を振る”ことで、Fav 50像からキャラクターにあわせたサウンドが流れます。各パークにいるFav 50像をすべてコンプリートすることで、アプリ『Play Disney Parks』のアチーブメントを手に入れることができます。下記はアリエルの声を担当したジョディ・ベンソンによる紹介です。

Star Wars: Batuu Bounty Hunters

こちらはディズニー・ハリウッド・スタジオ、スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジにおけるアクティビティです。惑星バトゥーの町、ブラック・スパイア・アウトポストの一角に、新たにバウンティ・ハンターのギルドが登場。ギルドからお尋ね者を探すクエストを受注し、エリア内のどこかにいる賞金首を探し出し、ギルドに報告することでクレジットをもらうことができます。

バウンティ・ハンターのギルドはこんな感じ。

この隣にはクエストを受注する端末が。まずはここにMagicBand+をかざすと、賞金首をアサインされます。

ここでギルドからクエストを受注すると、MagicBand+が動作し、その賞金首がいる方向に歩けばブッ、ブッと断続的にバンドが振動し、異なる方向に歩くと連続でブーーーーと振動します。エネミー・ゼロ方式といえば分かりやすいですね。分かれ。

すると、ブラック・スパイア・アウトポストのどこかのドアに行き着きます。振動が明らかに変わったら、『Play Disney Parks』アプリを起動すると、ドアの向こう側をスキャンすることができるようになり、賞金首の隠れ家が判明します。

発見したら、ギルドに戻りましょう。報告が終わると、クレジットをもらうことが可能です。ギルドマスターは姿は見えないのですが、目だけ見せてくれます。これを繰り返すことで、アチーブメントも獲得することが可能です。

そもそもクレジットってなんだよ、という話ですが、アプリ『Play Disney Parks』において、ギャラクシーズ・エッジ内で『データパッド』を起動すると、各所に隠された機構をハックすることでクレジットが得られ、当日の獲得クレジットを競う個人戦/チーム戦が行われています。そのクレジット取得の方法が、MagicBand+により増えたということになります。

MagicBand+は25種類以上リリース

このMagicBand+ですが、価格は34.99ドルからで25種類以上のデザインが用意され、パーク内だけでなくリゾートホテルを含む各ショップにて販売されています(多くのデザインモデルは44.99ドルです)。ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート50周年を記念したデザインもあります。

これらの設定はフロリダ ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのアプリ『My Disney Experience』で行います。アプリの右下メニューから『MagicBands and More』をタップすると、購入したMagicBand+を登録したり、設定を行うことが可能です。

登録はNFCを利用し、画面の指示に従いタップでスキャンさせ、ペアリングを行います。なお、これまでのMagicBand同様、一度Disney Accountにひも付けたバンドは他人に再アサインできません。

なお、MagicBandとの違いは“充電”と“アップデート”の概念があること。バッテリーはほぼ丸一日持つのであまり問題はないのですが、そもそも“充電を忘れてはならない”ということを肝に銘じる必要があります(ただし、バッテリーが切れてもこれまでのMagicBand機能は利用できるため、パーク入場やルームキーとして利用できます)。問題は購入直後はバッテリーが充電されていない可能性があるのと、アップデートが行われていないために各種機能が利用できない可能性があります。

ちなみに設定ではバンドのライトでカラースキームを指定できるのですが、一部バンドでは特有のカラースキームがさらに追加されています(例えば50周年関連バンドなど)。『Disney Fab 50 Quest』ではIncrease Motion Recognitionをオンにしておくと、ちょこっと振るだけで反応するので楽でした。

Opinion: From the “D”post

MagicBand+は、上記でも少し触れたアプリ『Play Disney Parks』ありきのサービスであるといえるでしょう。そのため、日本のアプリストアにこれがリリースされるまではなかなか手を出しにくいというのが本音。これに関してはディズニージャパンが頑張ってこのアプリを日本でもリリースしてくれることを祈るしかありません。というかStar Wars: Galaxy’s Edgeはこれによってストーリーが補完される部分もあったりするので、未訳でまったく問題ないから早くリリースしてほしい。

かつてはフロリダ ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのアプリ『My Disney Experience』も、カリフォルニア ディズニーランド・リゾートのアプリ『Disneyland』も日本ではリリースされていませんでしたが、環境は徐々によくなってきています。『Play Disney Parks』はインタラクティブキュー代わりに、並んでいる間に遊べたり、各種ホテルでのアクティビティもできたりと、USパークにいる間にさまざまな機能を提供してくれているので、ここに関しては楽観的に期待したいと思います。アトラクションに乗るとアチーブメントがもらえたりして、なかなかよいんですよねえ。

加えて、例えばナイトタイムエンターテイメントとの連動などは機能としては面白いんですけど、そもそも目の前で行われているエンターテイメントに集中したいので手首を観ることはないんですよね。なので、これは場の雰囲気を盛り上げるものとして考えた方が良いと思います。むしろ気が散る(苦笑)。そしてFav 50を集めるクエストは一番面白いとは思いましたが、これ50周年終わったらMagicBand+の機能が一つ減るみたいなことになってるわけで、今後どうするんだろ。なんとなくの予想ですが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでも展開している『ワンド・マジック』みたいなのが各所に作られるんじゃないかなーと予想してます。

MagicBand+は2022年末にはカリフォルニア ディズニーランド・リゾートでも展開予定で、既にアトラクションのエントランスにはMagicBand対応のセンサーもありますし、アナハイム側のスター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジにもまったく同じ場所にギルドが作られていました。

ということで、いまの時点ではまだ荒削りな印象を持ちました。まあこんな記事を読まなくても買うことを決めている人は買うでしょうし、悩んでいる人も現地に行ったら思わず買ってしまうのではないかとは思います。

現時点ではMagicBandを含め無料配布はされていないものの、スマートフォンを利用しMagicBandのほとんどの機能を実現する『MagicMobile』が非常に便利であるため、どうしてもほしい人以外はアプリ『My Disney Experience』を通じてiOS/Androidのウォレットに機能を入れ、アプリを起動することなくタッチのみで利用が可能なMagicMobileを検討することをお勧めします。それでも面倒なら、MagicBand/MagicBand+を購入するというかんじで。既にMagicBandを持っている人は、同じアカウントを使い続けた上でウォルト・ディズニー・ワールドへ持参することをお勧めします。

ただし、下記でも触れてますがウォーターパークに行く方は“防水機能”という意味でMagicBand/MagicBand+は便利です。ウォーターパークでは大昔はカード入れるケース売ってたけどね。なくなっちゃったねー……。

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