リアリティのあるキャラクターアルバム『The MousePack – Mickey and Friends Singing Classic Standards』を聴いたよ

クオリティ高い。

LINK: Various – The MousePack – Mickey and Friends Singing Classic Standards

2022年4月8日、ディズニーによるジャズコンピレーションアルバム『The MousePack – Mickey and Friends Singing Classic Standards』がリリースされました。今のところCDでの販売は行われておらず、各種音楽配信サービスでのリリースです。日本でも同日に配信が開始されました。全く予告なく登場したのでびっくりしました。

『ビッグバンドビート』的ジャズアルバム

今回のアルバムは、80年代キャラアルバムを彷彿とさせるようなミッキーたちが歌うという、ある意味キャラソン的な側面を持っています。全曲ミッキー&ギャングですよ。かつて1980年代には『Splashdance』や『Mickey Mouse Disco』、『Mousercise』といった、ミッキーたちが歌うアルバムがいくつも発売されていました。先日ディズニープラスで配信された『Wonderful Spring of Mickey Mouse』でも唐突にSplashdanceが引用されていました。あちらでは伝説のアルバム扱い。

で、今回その系譜を継ぎつつ、かなり真面目な「ジャズ」をテーマにしたアルバムが登場しました。これが本当にクオリティが高い。ジャズのクラシックナンバーを選出した部分に関してはジャズに詳しい人に解説してほしいところですが、極私的な感想はミッキーたちがミッキーたちとして歌うというコンセプトが、今もしっかりと現実化されたのがとても嬉しいです。

トラックリストを見ると分かりますが、ジャケットにも登場しているミッキー、ミニー、ドナルド、デイジー、そしてグーフィーが参加しているアルバムで、なぜかグーフィー曲が多いです。参加しているスタッフは明記されていないものの、ミッキーはブレット・イワンが参加していることは確定。おそらくビル・ファーマー(グーフィー)やケイトリン・ロブロック(ミニー)まではほぼ確実かなあ。気になるのは『I Love a Piano』はほぼビッグバンドビート版なので、先代ミニーのルシー・テイラーさんなのかな。

キャラクターが歌うというリアリティライン

個人的に好きなのは、ミニーマウスの『More than you know』とミッキーマウスの『When you’re smiling』。キャラクターが歌うというのは演者にとっては結構難しいと思っていて、あまりにキャラクターを前面に出してしまうと「キャラクターが歌うのをモノマネする人」になっちゃうんですよね。今回(多分)ケイトリン・ロブロックとブレット・イワンが担当していると思うのですが、そのさじ加減が絶妙で、特にミニーの歌声、最初ミニーと思わないほど本格的ジャズなんですよ。ところがその息づかい、少しだけ入るあの笑い方、音の流れで確かにミニーが歌っている、と思わせるのがめちゃくちゃスゴイ。これキャラソンではなく、あくまでジャズアルバムであり、それを“本気で”ミッキーたちが歌っているというリアリティをかもし出しています。めちゃくちゃスゴイ。(注:未確認ですがルシー・テイラーの可能性があるとのこと。調査中)

かつての80年代キャラソンアルバムは、歌うミッキーがいつものミッキーではなく別の声優が担当していたりする混沌の時代に生まれたものでした。後に声優を統一するという作業が行われたと、D23 Expo Japanのセッションかなんかで話していたはず。で、今回はおそらくすべてメインの方が担当していると思われます。全く違和感はありません。

そしてジャズのスタンダードナンバーばかりを集めていて、本気の歌唱をしているので、これ日本のファンは聞きながらどうしても東京ディズニーシーのロードウェイ・ミュージックシアターを思い浮かべると思います。なぜかステージの絵も浮かんでくる不思議。なんというか、計画だけ発表されて立ち消えになってしまった、ウォルト・ディズニー・ワールドの新シアターの演目として考えていたものだと言われても信じてしまいますね。

ディズニーのエンターテイメントのよいところは、ここを入り口にして本物を見たい、聞きたいと思わせてくれるところだと思います。ジャズとかビッグバンドとかクラブとかサルサとかね。その意味では、ジャズスタンダードをこういった形でまとめて体験させてくれるのはとても良いと思います。それこそまずは『I Love a Piano』聞くだけでも良いと思います。なるほど聞いたことがある!みたいなのも見つかるはず。個人的には『Friendship』が令和の時代に再録されたことが驚きでした(最初に聞いたのはこれ。マペッツでも使われていたことをいま知った)。音楽配信サービスに入っている人はぜひ聞いてみてください。

その流れでSplashdanceとかのアルバムもぜひどうぞ。東京ディズニーリゾートでも結構いろんなところで引用しているので、聞いたことがある曲がいくつかあるはずですよ。Tottaly Minnieとかイベントタイトルにもなってますし。曲は一切使われなかったけど(不満)。

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