オリエンタルランド 第61期(2020年度)定時株主総会に行ってきた

お席を用意いただけたので。

東京ベイ幕張

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2021年6月29日10時より、オリエンタルランドの定時株主総会が開催されました。今回はCOVID-19の影響のため、株主の中で抽選が行われ、当選した方のみが参加できるもの。オンライン配信がないのは大変残念ですが、IT戦略を重んじる同社ですので来年はきっと。

惜しい(惜しい??)

今回の議案は3つ。招集通知にあるように下記の内容が挙げられており、これらはすべて原案通り賛成多数で可決されています。

  • 剰余金の処分について(中間配当13円/年間26円:前期比18円減配)
  • 定款一部変更について(取締役任期を2年以内→1年以内に変更)
  • 取締役10名選任(吉田謙次氏新任/上西京一郎氏退任)

これまでの株主総会との違いは

株主総会に参加したことのある方はご存じかと思いますが、基本的に前期の業績ハイライトを映像を使い紹介した後、議案に関する質問を受け付け、最終的にその議案を可決するかどうかを諮るというのが流れです。

これまでならば、招集通知にある添付資料(今回では15ページ目以降)をほぼそのまま読み続けるという構成であったのですが、今回はけっこうテキストとの差分が目立ちました(気のせいかもしれません)。これまでも微妙に言い回しが違うことはありましたが、今回は招集通知では地味にしか表現されていなかった項目が、映像としてグラフを含め提示されていたのが超印象的。それに気が付いたのが、テーマパーク事業においてゲスト一人あたりの売上高のグラフをしっかりと紹介していた点。データはファクトブック2021で触れられているものです。表現としては下記の通り。

当期におけるテーマパーク事業の売上高は、入園者数の制限によりチケットの種類を限定したことや、チケットの価格の改定などによりゲスト1人当たりの売上高が1万3642円(前期比17.5%増)となったものの、2パーク合計入園者数が756万人(同73.9%減)となった結果、1342億9300万円(同65%減)となりました。

http://www.olc.co.jp/ja/ir/stockshares/meeting/main/04/teaserItems2/0/linkList/0/link/gm2020-01.pdf
http://www.olc.co.jp/ja/ir/library/factbook/main/00/teaserItems1/00/file/factbook2021.pdf

LINK: ファクトブック2021

コロナの影響があるのは分かったが……

個別の質問に関しては述べませんが、全体的にコロナ禍における制限された状況の中で、これまでとは違う運用になっている、ということをきっかけとした質問が多かったのが印象的です。これに関しては答える側も今は特殊な状況があるために“ご理解賜りたい”という回答になるのは仕方がないでしょう。

気になったのは新たに設置されたデジタル戦略部の動きで、これに関しては株主からも期待を込めた(?)質問がありました。

LINK: ディズニー「38歳デジタル戦略部長」の重大使命 | レジャー・観光・ホテル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

デジタル戦略に関して問われた高村執行役員(IT施策担当)は、足元でもオペレーションの最適化が遅れていることを認識していることを話しつつ、将来はAIやビッグデータ解析をはじめとする、東京ディズニーリゾートの戦略を進化させるための部門であると述べ、時間はかかるかもしれないが東京ディズニーリゾートの進化させ、効率を上げるとともに体験価値を上げると述べています。これに関しては2019年10月に開催されたDataRobotの「AI Experience 2019 Tokyo」での講演が非常に面白かったですね……(ただし内容に関しては記事化NGでした)。

ただ、どうしても「その先」の話が見えないのが気になりました。これはオリエンタルランド側からすれば、聞かれていない(質問群がCOVID-19下の状況しか聞いていない)ため回答しないというのが、IR文学的には非常に正しいのですが、なかなかそのへんガードが堅くて情報をチラ見せもしなかったという印象です。

これはオリエンタルランドを責めることもできなくて、そもそもそういうアフターコロナのパーク運営については、いま策定中の次の「中期経営計画」にて2022年春に発表予定ですので、今のタイミングでは何一つ話せない、というのが現状でしょう。なので触れないのは完全に正しい。ついでに言うと、コロナ禍の影響で縮退している施策(シニア向けパスなどを含め)の再開に関しても、少なくともこの次期中期経営計画発表までは動きがないと思っています。年パスもね。

http://www.olc.co.jp/ja/ir/stockshares/meeting/main/04/teaserItems2/0/linkList/0/link/gm2020-01.pdf

その意味では、主戦場はその中期経営計画の記者発表会なのですが、これ(経済の)新聞社系しか入れない記者発表なんですよね。しかもメインは多分機関投資家向け。決して株主総会で陳情するタイプの話ではないので、私は今回も静かにしておりました。

ついでに実況に関して。実況をしなかったのは内容にかかわらず炎上を呼びやすいから。正直100文字程度で要約できないことも多く、誤読や恣意的な読み方ができる可能性があること、そして質問主からのクレームが予想できるので、もうやってません。

ただ今回は後半、第2号議案である「取締役の任期を1年にしたことで、目の前の足元だけをみるような運用が行われるリスクをどう考えているか?」と聞いたのはなるほどなーと思いました。回答としては上西氏(議長)がオリエンタルランドのDNAとして中長期的な視点を、壇上にいるすべての役員が共有していると確信しているという旨の回答でした。メリットとしての激しい変化に対応しやすい、という点がデメリットを上回った、ということだとは思います(極めてIR文学的回答だけど)。

また、現状のウォルト・ディズニー社との契約が、現状「最長2076年9月3日まで」というコメントがありました。2018年6月に発表されていた内容ですね。

また、今回の株主総会を持って、新社長の体制に移行することになります。

吉田氏からも株主総会後にあいさつがありましたが、基本的には現状の運営を継続すること、先行き不透明な状況ながら、まずは今年度の黒字を目指すことが語られました(IR文学的には「がんばりまっせー」のみ)。

Opinion: From the “D”post

全体的には何ごともなく無事終了。ただ、株主に対してはできればオンライン配信などを検討してほしいところですね(議決権は事前に処理した上で)。そして、毎年やり玉に挙がる陳述系質問は、できる限り別のルートを作ってほしいと思います。そのためにファンダフル・ディズニーみたいな仕組みを用意しているんじゃないんですかね。まあそっちのルート作ってもあんまり変化ないとは思うので、しばらくは変わらないでしょう。

個人的には客単価の動きに関してどう考えているのか聞きたいところだけど、それ別に株主総会の枠組みで聞く話じゃなくて、広報経由でインタビューしたいんですけどねえ。日経とかに転職しない限り聞く機会はないでしょうね。しゃーない。

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