最終損益は287億円の赤字——オリエンタルランドFY2021Q3決算発表(update)

オリエンタルランドは2021年1月28日、2021年3月期第3四半期決算を発表しました。

LINK: 2021年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

LINK: 2021年3月期 第3四半期決算補足資料

LINK: IR資料室 | 株主・投資家の皆様へ | 株式会社オリエンタルランド

今回の発表は2020年10〜12月期の決算で、これは運営が再開したものの、全期間においてチケットは事前予約制、年間パスポート利用者は抽選でのみ(無料で)入園が可能だったという状況での運営でした。また、10月23日からは年間パスポートの払い戻しも行っています。

この決算発表ではQ1〜Q3(2020年4〜12月)の連結決算において、最終損益が287億円の赤字としています。2020年は4〜6月が臨時休業となっており、営業利益の推移はQ1はマイナス156億円、Q2はマイナス85億円、Q3はプラス43億円と改善しているものの、赤字で着地したかたちになっています。なお、当期の連結業績見通しは従来の予想を据え置いています。

http://www.olc.co.jp/ja/news/news_olc/20210128-02/main/0/link/20210128_02.pdf

同時に、現時点では2023年度を予定している東京ディズニーシーの大規模拡張プロジェクトに関して、オリエンタルランドは下記のようにコメントしています。

また、東京ディズニーシー大規模拡張プロジェクトについて、現時点では変更はありません が、新型コロナウイルス感染症流行の長期化で収束が見通せないなか、開業スケジュールや投資額については再精査をしております。

http://www.olc.co.jp/ja/ir/latest/main/00/teaserItems2/00/linkList/01/link/sp2021-03.pdf

関連記事はこちらを。

LINK: OLCの4~12月期、最終赤字287億円 入園制限など響く: 日本経済新聞

LINK: オリエンタルランドの4─12月期、198億円の営業赤字 通期据え置き | Article [AMP] | Reuters

LINK: 【速報】オリエンタルランド287億円赤字 コロナ影響で大幅減益

なお、決算発表直前には日経が下記の記事を公開していました。

LINK: 東京ディズニー、緊急事態再び 資金収支試算で影響探る: 日本経済新聞

Opinion:From the “D” post

先に感想は書いておきました。

気になっていた客単価は、Q1〜3全体でもチケット収入、商品販売収入、飲食販売収入のすべてが前年同期で「上回った」となっています。ただし、上記記事初出時に勘違いしていましたがこれは四半期ごとではなく通期累計が対象となっています(追記済み)。なお、この理由に関しては下記のように述べています。順当。特に飲食販売収入の伸びの理由は興味深いです。

チケット収入については、現運営体制ではテーマパークの入園券種を限定していることに加え、2020 年 4 月 1 日のチケット価格改定の影響により、前年同期を上回りました。 商品販売収入については、営業再開後の需要増による一時的な増加に加え、9 月 28 日に開業した東京ディズニーランドの新規エリア関連商品が好調に推移したことなどにより、前年同期を上回りました。 飲食販売収入については、入園者数を制限したことでアトラクションなどの待ち時間が減少し、喫食機会が増加したことに加え、新規エリア関連商品が好調に推移したことなどにより、前年同期を上回りました。

http://www.olc.co.jp/ja/ir/latest/main/00/teaserItems2/00/linkList/01/link/sp2021-03.pdf

上記記事では触れていませんでしたが、それでも東京ディズニーリゾートは高ロイヤリティゲスト向け施策を打ち出す必要はあると思っていて、多分ほとんど活動していなかった「ファンダフル・ディズニー」とかでカバーしていくのかなあとか……。突然動画出したりしてましたからね(これまでもあったの?)

そして年間パスポートプログラムをどうするかについては、いまだ休園中のディズニーランド・リゾートよりも時間をかけて考えることができるはず。向こうはサーベイとってる形跡がありますが、日本はUSパークとは違うものを出してくるような気がしています。これこそオリエンタルランドでしか持ち得ない、日本のファンを知ったうえでの勘と経験が生きるのでは。

追記

先の記事にコメントいただいた方からもブログ記事が。合わせてどうぞ。まさにこの損益分岐点の話が今回の決算の驚くべきポイントだと思います。

そして待っていた質疑応答も公開されました。

LINK: 決算説明会 | IR資料室 | 株主・投資家の皆様へ | 株式会社オリエンタルランド

LINK: 質疑応答

そこまで注目すべき内容はなさそうですが、念のため引用します。

Q2) ゲスト 1 人当たり売上高が業績予想を上回った要因を説明してほしい。

A2) チケット収入は、優待券などによる入園者数が想定よりも少なかったことで上回った。商品 販売収入は、スペシャルイベントの中止などによる減少を想定していたものの、レギュラー 商品などが好調で上回った。飲食販売収入は、新規エリア関連のポップコーンバケットなど が好調で上回った。

Q6) 2022 年 3 月期には東京ディズニーシー20 周年を迎えるが、パーク運営方針に関して、現 時点で確定していることがあれば教えてほしい。

A6) 今後のお知らせは期末決算発表をお待ち頂きたい。新型コロナウイルス感染症流行の状 況に応じて、パーク運営方針を決めていくことになる。

Q7) デジタル戦略部設立の狙いは何か。足元のデジタル活用との繋がりも踏まえて伺いたい。

A7) 従前から IT、デジタル活用に取り組む組織はあったものの、一部門として取り組む体制を 構築することで、スピード感を持って柔軟に対応していくことが狙いである。これまで取り組 んできた東京ディズニーリゾートアプリのサービス拡充はゲストの体験価値向上に寄与して おり、引き続き強化していきたい。

Q9) 足元の緊急事態宣言を受けて外部環境が流動的になっているように思うが、変動価格制 などの新たな取り組みも含め、価格戦略に変更はあるか。

A9) 現時点で価格戦略に変更は無い。変動価格制は、柔軟に価格を変えられる仕組みである ため、むしろ外部環境の変化に対応しやすくなる。3 月に導入する際の価格設定は、ゲスト に分かりやすいよう二種類の価格帯のみとシンプルなものとしている。

Q10) 東京ディズニーシー大規模拡張プロジェクトの時期や投資額を再精査している背景は何 か。

A10) 現時点では、計画に変更は無いものの、依然として新型コロナウイルス感染症流行の収束 が見通せないため、時期や投資額への影響を再精査している。

http://www.olc.co.jp/ja/ir/library/presentations/main/02/teaserItems1/00/tableContents/07/multiFileUpload4_0/link/qa2021-03.pdf

価格変動制に関しては現在は2段階(大人は平日用8200円/休日用8700円)ですが、今後はもっと増えるかもしれないという含みがあるようです。

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