USパークのスプラッシュ・マウンテンをテーマ変更、「The Princess and the Frog」(プリンセスと魔法のキス)へ

ディズニーが本気です。

LINK: Exclusive: Walt Disney Imagineering’s Bob Weis Discusses Reimagining Splash Mountain for Tiana and Her Friends – D23

LINK: New Adventures with Princess Tiana Coming to Disneyland Park and Magic Kingdom Park | Disney Parks Blog

ちょっとどころではなく驚きのニュース。ウォルト・ディズニーはカリフォルニアのディズニーランド、およびフロリダのマジック・キングダムに存在するアトラクション「Splash Mountain」のテーマを変更、「The Princess and the Frog」(プリンセスと魔法のキス)のアトラクションに変更すると発表しました。

New Adventures with Princess Tiana Coming to Disneyland Park and Magic Kingdom Park

新たに生まれ変わるアトラクションは映画で表現されたストーリーの後、ティアナとルイが初めてのマルディ・グラのパフォーマンスに向け、映画の音楽をフィーチャーし、冒険するというストーリーになる予定です。1966年にオープンしたニューオーリンズスクエアという場所にマッチしたストーリーとなります。

OC Registerによると、この新テーマのアトラクションを指揮するのは、Mickey & Minnie’s Runaway Railwayにも携わったイマジニアのCharita Carter

そしてスプラッシュ・マウンテンやビッグサンダーマウンテンの制作に携わったイマジニア、トニー・バクスターが、クリエイティブアドバイザーとして参加すると伝えています。

この変更に関し、ティアナ役を演じたアニカ・ノニ・ローズをはじめとする映画のキャスト陣もコメントを公開しています。

このプロジェクトは2019年からスタートしており、アトラクションに新たなテーマを埋め込んだり、プラスのアプローチを行うことはウォルト・ディズニーやイマジニアが深く情熱を注ぐ継続的なプロセスであるとしています。この新コンセプトはすべてのゲストがインスピレーションを受けることができるもので、毎年パークを訪れる人々の多様性を表現したものになります。

なお、対象はUSパークに存在する2つのスプラッシュ・マウンテンのみが記載されており、もう一つの東京ディズニーランドに関しては触れられておりません。

LINK: ディズニー、「スプラッシュ・マウンテン」の設定変更  :日本経済新聞

なお、共同通信がオリエンタルランド広報のコメントをとっています。

運営するオリエンタルランドの広報担当者は「日本での対応については検討中」としている。

From the “D” post

噂は本当でした。ポイントは「a project Imagineers have been working on since last year.」で、いまアメリカで課題になっている「Black Lives Matter」の運動(より正確には2020年5月の「ジョージ・フロイドの死」の一件)よりも前にスタートしているというアピールです。いや、実際はもっと前からプロジェクトは動いていたと想像しますが、そうするとなぜもっと早く変えなかったんだと追及されそうなので、タイミングは今しかなかったのだと思います。

ご存じの通り、元のアトラクション「スプラッシュ・マウンテン」は映画「南部の唄」をモチーフにしており、さらにその前身は「America Sings」という短命なアトラクションで利用したオーディオアニマトロニクスが多数使われています。

が、問題はやはり「南部の唄」。この映画は毎年株主総会で「ソフト化はないか」と聞かれ、そのたびにかなり強い表現で「あり得ない」という回答が行われる作品。テーマが南部の黒人奴隷制度に関わるため、特にアメリカ本国のディズニーにおいてはタブーとなっている作品。日本ではビデオ/LDなどが存在していたため、本国のファンがこぞって中古をあさったということもありました。ちなみにですが、この南部の唄が問題になっているのは映画で黒人をひどく取り扱っている事ではなく、「その時代では黒人差別が行われていたが映画では対等に描いており誤解を生む」ことが問題視されています(その意味ではダンボのカラスやピーターパンのインディアン、ファンタジアのケンタウルスの方が直接的にまずい表現になっている)。

これで思い出すのはやっぱり「カリブの海賊」に対する一連のアップデートです。このアトラクションはウォルト本人が手掛けたものでありますが、捕らえられた女性(通称:Redhead)をオークションに出すシーンが、女海賊Reddに差し替えられました(東京以外)。

このアップデートに関してはファンからの強い反発がありました。しかしD23 Expo 2017において、イマジニアのマーティ・スクラーはこのように触れています。

先に話題になったオークションシーンの変化について触れられていて、ちょっと興味深いコメントがありました。

この部分、ブーイングと拍手が半々。ところが、この変化についてマーティ・スクラー氏が著書の中でも触れていた、ディズニーランドオープン当日の様子をメディアがたたいたことに対するウォルトの反応を引用。ウォルトはディズニーランドが変化し続けるものだと考えていて、「オーケー分かった。では修正しよう」と前向きにとらえていたとスクラー氏はいいます。ディズニーランドのアトラクションは時代とともに変わるべきであり、多くのイマジニアがいまもそのウォルトの考え方に沿って動いているとコメントしました。「ウォルトもこの変化をポジティブに捉えるだろう」——。このひと言には会場内も大拍手。

https://dpost.jp/2017/07/28/wp-39145/

なお、カリブの海賊に関しては途中の「海賊が女性を追いかける」というシーンも差し替えが行われており、オリジナルでは最後の1組だけ「女性が海賊を追いかける」というオチが用意されていたものの、現在ではすべての組が「女性が海賊を追いかける」というように差し替えられています(東京以外)。

そしてウォルト・ディズニーの現CEO、ボブ・チャペックはこのようなコメントをしています。

Walt never intended his parks to be museums where people come to see disney history.
Instead, They’re living things that evolve with the times, and with guests.

(意訳:ウォルトは、彼が作り出したパークを博物館として、来園した人にディズニーの歴史を見せるために作ったわけではない。パークは時代とともに、ゲストともに進化する生き物なのだ。)

ということで、判断は実際にreimagineしたアトラクションを体験してからかと思います。

(それにしたってむちゃくちゃ驚いてますけどね。なるべく冷静に書こうとしていますけれど。)

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