ライズ・オブ・レジスタンスのBoarding Groupはファストパスや抽選とどう違う?「テック・イン・ワンダーランド」連載第5回を寄稿しました

第5回は「スター・ウォーズ:ライズ・オブ・レジスタンス」をメインにしました。

先に言い訳をしますと、実は当初はライズ・オブ・レジスタンスとミッキー&ミニーのランナウェイ・レイルウェイとを対比させ、超最新鋭&超コストをかけてディズニーの技術をつっこみ、単位時間あたりのワンダーを最高潮まで高めたライズ・オブ・レジスタンスと、ありもののハコを用いて既存技術を工夫に工夫を重ねて、同様に単位時間あたりのワンダーを最高潮に高めたランナウェイ・レイルウェイのアプローチの違いを解説しようかと思ってました。が。ライズ・オブ・レジスタンスの解説だけで分量が埋まった上に、方向性としてITを強調したいという編集部の意向もあり、ちょうどいいからスマホ連携の話に持っていきました。Play Disney Parksはいまだにおま国ですが、その辺の改善も期待を込めて。ランナウェイ・レイルウェイはねとらぼのレポートでぜひ。

じゃあその2つのアプローチ、どっちが素晴らしかったのという話はぜひみ皆さん自身が体験して判断してもらうことにして。ただ面白いなーと思ったのはその最先端技術を突っ込んだライズ・オブ・レジスタンスも、地味な技術も超効果的に使ってるんですよね。AT-ATの部屋は一目で「縦にも横にも広大なエリア」であることを伝える必要があるわけで、その手法としてイマジニアがなにを使ったのかという点がすさまじく驚きでした。あと、全体的にやらなくてもいいはずのことをやっていて、例えばライドから降りる部分、○○じゃなくてもいいと思うんですよ。でも○○としたのは絶対に理由があって、そこから逆に考えると「ストーリー重視」というこだわりが見えるとか、プレショーにおいてとあるギミックがあるところで、入った扉と出る扉は別でいいのにそうしてないとか(別にしたパターンは例えばエプコットの旧Seas館とか)。なんというか驚きの連続でした。

で、いただいた反応を見ていて、ごっそり抜けちゃったところがあるのに気が付きました。例の「Boarding Group」問題です。

Boarding Groupとは?

ディズニーパークスは新アトラクションがオープンした後、瞬間的に5時間とか6時間とかの待ち行列が発生します。最近でもソアリン:ファンタスティック・フライトがオープンしたときにそれが話題になりましたね。

しかし、この「スター・ウォーズ:ライズ・オブ・レジスタンス」、休園を挟んでいまだに待ち時間表示がされたことがありません。それはファストパスが存在しないだけでなく、一般待ち行列すら作らないという整理券ともいえる「Boarding Group」運用が続いているから。ライズ・オブ・レジスタンスを体験したい人は、必ずBoarding Groupを獲得しなければなりません。

今回、私たちも(取材とはいえ)完全にゲストレベルでの対応だったため、朝起きて開園時間前にパーク内に入り、パーク開園時間にBoarding Group争奪戦に参加しました。特にフロリダ、ウォルト・ディズニー・ワールド側は激烈で、ホテルからパークに移動する時間、荷物チェックの時間、入場待ちの時間を勘案して行動する必要があります。Boarding Groupを獲得するには「入園済みのチケット」が必要です。逆に言うと、それさえクリアすれば争奪戦へ参加する権利は余裕で獲得できます。

ウォルト・ディズニー・ワールド、ディズニーランド・リゾートともに直営ホテルの宿泊者には、1時間ほど早く入場ができる日があります。ただし、Boarding Group獲得に関してはこの差はありません。Boarding Groupがオープンになるのは、アーリーエントリー設定日であったとしても一般開園のタイミングですので、アーリー権があったとしても有利な点はありません。一般開園に関してもチケットを通し入場扱いになっていなければなりませんが、どちらのパークにおいても開園前にハブの部分までは入れますので、そこにいさえすれば大丈夫です。

ただし、開園から長くても10〜20分、短ければ数分ですべてのBoarding Groupは配布終了となります。寝坊したら終わり(poohyaくんは寝坊した)。

運用上の利点として、Boarding Groupの運用はファストパスのように時間を区切っていないので、何らかのトラブルがあった際にファストパスのキューがたまってしまうことがありません。Boarding Groupはあくまでグループ番号のみが記載されており、そのグループをいつ呼ぶかは運営側が自由に決めることができます。ここにスマートフォンのプッシュ可能という利点をうまく活用しているわけです。これがファストパス運用との大きな違いですね。なお、一度Boarding Groupのコールがかかると、決まった時間までにアトラクションに戻る必要があります。ウォルト・ディズニー・ワールドの場合はパークホッピングしていると厳しい場合がありますね。

Boarding Groupの画面。グループ番号にコールがかかるとスマートフォンにプッシュ通知がくる。

対して、東京ディズニーリゾートなどでの方式は?

東京ディズニーリゾートのようにファストパスが提供されている場合、こちらも同様にアプリで取得が可能です。

この場合、ホテルに宿泊しアーリーエントリーが可能な場合は、そのアーリーエントリー時点でファストパスが取得できるので、最悪アーリーのみでファストパスが配布完了することもあり得ます(さすがにいまは大丈夫だと思いますが)。宿泊者が有利という点では、ある意味付加価値として機能しているといえるでしょう。

そしてもう一つ、東京ディズニーリゾートではショーなどの「抽選」の仕組みが用意されています。抽選の場合、開園時間にいなかったとしても、抽選を行う権利は1回ありますので、その点ではむしろ公平といえるでしょう。バケーションパッケージさえ手に入れればショー座席を確約することすらできますので、その点でも公平といえるかもしれません。例えば現時点の運用では、午後にふらっとディズニーランドに行ったとしても、ライズ・オブ・レジスタンスは100%乗れないわけです。抽選ならば可能性はゼロではないわけで、その点ではショーの抽選というのは理にかなっているとも考えられますね。

スマートフォン活用という意味でBoarding Groupはすばらしい

総括すると、“開園時間にいさえすれば後は完全なる運”(正確には早い者勝ち)という運用が、Boarding Groupのやっていることです。それに比べると、東京ディズニーリゾートのほうは“完全なる運”に加え“課金すれば確約可能”という意味で、遠くから訪れる人にとっては非常にありがたい逃げ道も用意されています。自分らも最悪、滞在中に一度も見られない可能性を考えていましたからね。Boarding Groupのほうは仕組みを理解し、毎朝パーク内にいれば補欠グループくらいなら入れると思います。アプリが落ちたりスマホが起動しないとかがなければ(その意味で、混雑による通信回線の劣化から逃れられるという点はアーリーエントリー組が有利です)。

逆に、ホテルのアーリーなど“課金者”とするならば、それをしたとしても体験できるかどうかは分からないという状況はちょっと厳しいですよね。途中で休園となってしまいましたが東京ディズニーランドの「イッツ・ベリー・ミニー!」などはかなりカオスな状況ではあったものの、後半は完全抽選としたことでゲストの暴走も無意味となり、あとは完全なる運になったというのは、それは一つの解決方法だったのではないかと思います。

ともかく、テーマパークでは「キャパシティ」と「ニーズ」の戦いがそこかしこで行われます。COVID-19の影響でさらにその比率がいびつになってしまうので、今後のパーク運営はまさに「スマホ」と、Boarding Groupのような「バーチャルキュー」の活用が重要になると思います。この点に関してはすでにUSパークでメニューが登場しているだけでなく、上海ディズニーランドにおいてもあらたな仕組みがテスト運用に入っています。

ということはあんまり触れていない「テック・イン・ワンダーランド」第5回。どうぞよろしくお願いいたします。

LINK: 電子チケットで行列ゼロ! 米ディズニーランドの「スター・ウォーズ」エリアに見る、テーマパークのスマホ活用の未来 (1/3) – ITmedia NEWS

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