私の環境では香港/香港ディズニーランドで利用不可能だったため改題、内容を修正しました。
XSでもXS MaxでXRでもおっけーです。

日本に居ながらにしてデュアルSIMですよ
LINK: 3香港 | eSIM
2018年9月、待望のiPhone新機種が出ました。小さな物好きな私は小さくもないiPhone XSを早速手に入れたわけですが、パークの記録写真はLive Photos最強ですし、いまではポートレートモードの深度情報を使った3Dフォトなんてのが使えるわけです。これグリーティングで使うと面白くないですか?面白いですよね。結論:iPhone最強。
LINK: dpost.jp – 3Dフォトのテスト。
実は今回iPhone XSにしようと思った理由の一つが、eSIMによるDSDS(デュアルSIM、デュアルスタンバイ)可能という点。
LINK: eSIM でデュアル SIM を活用する – Apple サポート
日本のキャリアはまだ対応していませんが、海外では徐々に対応キャリアが登場しています。メディア記事では既にGigsky関連のやってみた記事が多いですが、Gigskyはお値段がかなり張っていたのであんまり使えなかったんですよねえ。
そんなところに、香港でSIM買ってる人にはおなじみの、3HK(three.com.hk)のeSIMサービスがスタートしたという報が入ってきました。早速やってみました。
3HKのeSIMの内容は

3HKのeSIM申し込みWebサイト
LINK: 3香港 | eSIM
eSIMの申し込みはWebサイトから行います。後述しますが、この契約自体は渡航前に、日本から、PCで行うことを推奨します。
このプランは、10日間138香港ドル(日本円で約2000円)で利用が可能なデータSIMです。通話プランはなしで、基本的にはデータ転送量無制限とありますが、実際のところは1日に500MBまでが高速通信可能(4G LTE)、その後は128kbpsに低下するというプラン。利用可能な国はかなり多く、中国、マカオ、台湾、日本、韓国、シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、ベトナム、オーストラリア、アメリカ合衆国、カナダ、イギリス、イタリア、スウェーデン、アイルランド、デンマーク、オーストリア、フランスで使えます(イタリア、アイルランドは3G)。我々にとっては、上海、香港、パリ、アメリカで使える=世界のディズニーパークで使えるということなので、大変便利でしょう。
今回香港ディズニーランドでこのeSIMを利用しようと思ったのですが、香港拠点の3HKにおける「ローミング」eSIMという立ち位置からか、香港内では利用できませんでした(私の環境では)。よくよく見ると中国、マカオは対象と書いていますが、香港は明示的に書かれていませんでした……。混乱させてしまい大変申し訳ありません。もし利用できたという方がいたら教えてください。
なお、10日間というのは連続している必要はなく、「ローミングをオンにした、香港時間における23時59分まで」が1日とカウントされます(そのため、日本でアクティベーションを行う前に「データローミング」をオフにしておきましょう)。eSIMをアクティベーションした日から90日間の間は有効ですので、帰国前にはデータローミングをオフにし、3カ月以内に対象国に行けば再度活用ができます。
eSIM自体の有効期間は、アクティベーション後180日間です。ただしアクティベーション後、1日単位(15香港ドル)もしくは10日分(138香港ドル)のトップアップが可能です。
ステップ1:Webサイト経由で申し込み
基本的には普通のWebサイトと一緒で、言われた通りに記入していきます。

電話番号(81から)メールアドレスを入力
すると、登録したメールアドレスにワンタイムパスワードが送られてきます。6桁の数字を入力します。

6桁のワンタイムパスワードを入力
あとは、クレジットカード番号などを入力し、決済を完了します。日本のクレジットカードで問題なく通りました。

クレジットカード情報を入力する
このあと、数分すると3HKから決済の完了報告、およびeSIMの登録情報を含む、QRコードが書かれたメールが届きます。

eSIM登録のQRコードが送られてくる(ダミーに置き換え済み)
ステップ2:iPhone XSにeSIMを登録する
届いたメールに記載されている、QRコードをiPhone XS/XRで読み込みます。なお、この作業はドコモ端末で、SIMロックが解除済みの端末で確認しています。多分ロック解除必須。最近はキャリアのロック解除要件も緩くなったので便利ですね。
残念ながらiPhoneしか持っていないと、自分で自分の画面を撮れないので積みます。この場合はQRコードの画像を誰かに送って、その画面を撮らせてもらうといいでしょう。
設定→モバイル通信→モバイル通信プランを追加から登録が可能です。カメラが起動するので、QRコードを読み込ませてください。

QRコードをスキャンする
すると、「保証されていないモバイル通信プラン」というメッセージが出ます。

ワーニングが出てくる
これは3HKのFAQにも記載があるのですが、おそらくアップルが認証していない事業者の場合にこんなメッセージが出るようです。リスクを理解しながらOKを押します。すると、アクティベーションを経て、2つめのSIMが有効になります。

モバイル通信プランが2つに!

左上には2つのアンテナ表示が。下のが3HKのeSIM(のドコモローミング)

便宜上「3HK」としていますが、この表示は自由に変えられます
なお、私の環境では3HKのeSIMが登録できたあと、オンにするとiOS側のアクティベーションが動き、何度やってもオンにできないという事象が発生しました。もともと使っている国内のキャリアの通信をオフにする(モバイルデータ通信をオフにする、もしくはSIMを抜く)ことで、3HK回線からアクティベーションを完了できるとオンにできるようになりました。3HKのサポートにもチャットで聞いたのですが、始まったばかりのサービスだからかかなりまたされました(その上に解決策はいまだ来ていない…)。
これ、多分iOSのバグで12.1.2で直ってる予感です。私の環境ではドコモSIM以外のSIMでアクティベーションした状態で、正しくeSIMが有効化できました。SIM抜いてもオフにしてもダメだった。
ステップ3:利用開始時に現地でデータローミングをオンにする
日本でもかまいませんが、ローミングを行うと下記のようなSMSが飛んできます。電話番号とパスワード、チェックデジットがあるので消さないように。

アクティベーション後に送信されるSMS
また、利用中に3HKのSIMを使い、「##107#」と押し発信すると、現在残っているローミング日数などが送られてきます。

残り日数は「##107#」で確認可能
ちなみに、残り50%、25%を超えると、ワーニングのSMSが来ます。今回滞在したのはウォルト・ディズニー・ワールド(フロリダ)で、パーク内Wi-Fiがかなり充実していたこともあり、10日間で1回だけしかワーニングが来ませんでした。つまり500メガあれば余裕、ということですね(動画投稿したり、バス内での投稿が多い人は注意かもしれませんが、個人的には500メガでも余裕があったと思います)。

250Mを超えるとワーニングのSMSが来た(滞在中で受け取ったのはこの日のみ)
From the “D” post
いやこれマジで便利でしょ。世界のディズニーパーク全部カバーできて、10日間2000円なら香港滞在でも使えるくらい安い(実際は香港SIMはもう500〜600円くらいになってはいますけれど)。課題は1日500MBで通信制限がかかるところでしょうが、それ以上使うネット廃人はやっぱり携帯キャリアによるローミング(1日980円程度)を活用しましょうということで(ちなみにレンタルWi-Fiルーターだと、業者によっては1日100MBくらいで制限かかります)。パークにWi-Fiがあるのならば、これを補助としておさえるという意味では大変リーズナブルです。
ついでにいうと上海ディズニーランドにおいても3HKは「ローミング」扱いになりますので、TwitterやInstagram、Facebookも普通にアクセスできます。これ重要。
SIM差し替えればいいじゃん話があるとは思いますが、最近Uberとかを使っていると、登録している日本の番号にSMSが飛んでくることも多く、DSDS端末にするか、日本のSIMを入れて待ち受けられる端末を用意しないとめんどうな場合が多いです。日本のSIMを抜いてしまう人は、渡航前にUberなどの登録電話番号を、プリペイドSIMの電話番号へ書き換えたほうがいいと思いますよ。
もはや海外でSIMを探さなくていい、というのは大変便利です。iPhone XSのeSIMが早くも活用できるのは本当にありがたい。早速来月実際に使ってみることにします。駆け足のレビューでした。
追記:2019年1月26日
500メガ制限を避けたい場合、アメリカにおいてはT-mobileのeSIMサービスを利用するといいかもしれません。
LINK: T-Mobile Launches Support for eSIM on iPhone | T-Mobile Newsroom

T-mobileのeSIMサービスプラン一覧
こちらはアプリからeSIMのアクティベーションやプラン選択ができるので、3hkよりも簡単にできるかと。40ドルプランなら長期滞在でもかなり安心ですね。
LINK: 「T-Mobile eSIM」をApp Storeで
追記:2019年2月28日
香港で利用できない件、おそらくこれが原因ですね。中国ではeSIMサーバーを国内に置かなければならないこと。
佐々木氏 中国ではeSIMに規制があり、プロビジョニングサーバを中国に置かなければならないため、iPhoneも中国版はeSIMに非対応です。ただ、訪日外国人の中国人比率は高いのが難しいところです。
Japan Travel SIMも出したときは日本の方に多く買っていただけました(笑)が、われわれとしてはできれば月額契約で使っていただきたい。それもあって、eSIMに関しては、マンスリープランで出していきたいと考えています。
LINK: IIJはなぜ音声特化の「ケータイプラン」を提供するのか? 「eSIM」とのつながりも (1/3) – ITmedia Mobile