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(見てもないのに)シュガー・ラッシュ:オンラインであえてアラン・メンケンが「A Place Called Slaughter Race」を作った意味を考える(=妄想する)

読まなくていいやつです。

ガル・ガドットも歌う! 「シュガー・ラッシュ:オンライン」にアラン・メンケン楽曲登場

アメリカでは11月21日、日本では12月21日に「Ralph Breaks the Internet」(邦題:シュガー・ラッシュ:オンライン)が公開されます。ネタばれ防止であるタイミングから予告や動画情報を見なくなりまして、情報をシャットアウトしていましたが、その中で聞き捨てならない情報が入り込んでしまいました。あのアラン・メンケンが制作に参加しているという情報です。

ちょこっと記事内でも書きましたが、これ、相当なネタばれになっているのではないかと考えるわけですよ。それをメモするには「観る前に」まとめておく必要があるので、当たるも八卦当たらぬも八卦でまとめておきます。

アラン・メンケンが参加するということ

まず、この作品にアラン・メンケンがなぜ参加するのかというのを考えたいと思います。皆さんに思いだしてほしいのは、そもそもディズニー長編映画はミュージカルだけではないということ。白雪姫から始まってシンデレラを経由しリトル・マーメイドあたりを見ても分かるように、大ヒットした作品はいわゆる「ディズニーらしいミュージカル」でした。その立役者の一人がアラン・メンケン(とハワード・アシュマン)。ご存じのように美女と野獣やアラジンなど、日本中の誰もが知る名曲となっていて、もしかしたら小さな子は映画よりも先に曲を知ってる、という状況でしょう。

ところが、本作の前作に当たる「シュガー・ラッシュ」(Wreck-It Ralph)は、ミュージカルではありません。この作品は「ゲームの中の世界」をテーマにし、既存ゲームのパロディとともに、戦略的に男の子ニーズを狙いにいった作品でした(そのプロモーション自体は成功したとはいいがたいですが)。

そして本作。ゲームの次はインターネットというサイバー世界をとことんまでパロディするとともに、インターネットの先にあるWebサイト、「Oh My Disney」を経由する形で、なんと自社コンテンツそのものをパロディするという暴挙に出ました。まあこれは監督のリッチ・ムーアの色なんだと思います。

そのパロディの方向性は、いまのところ公開されている予告や特別映像にて、「Oh My Disneyサイト内のプリンセスの控え室」シーンに見ることができます。ジョン・ラセターは「我々はとことん、これについてリサーチしたよ!」と明言してました。そらそうだ。

Ralph Breaks the Internet: Wreck-It Ralph 2 Official Trailer
Ralph Breaks the Internet – Sneak Peek

日本においては、今のところプロモーションでもこれを丸出ししていて、多分「ディズニープリンセスが大集合!すてき!」みたいな反応だと思っています。

でもそれ、絶対間違ってると思うんですよ。

「ディズニープリンセス」のイメージを自らがぶっ壊す

はい、またこの話ですよ。

「ディズニープリンセス」とは何か——刷新されつつあるプリンセス像を追いかける

以前クソ長いディズニープリンセストークをしました。これ、ひと言で示すと「ラプンツェル以前のディズニープリンセスは再定義します」というお話。映画の新規ディズニープリンセスとしてはモアナ以降、立ち位置が変わっています。

で、今回シュガー・ラッシュ:オンラインでのこのシーン、ディズニープリンセスたちはあられもないパジャマ姿も見せ、メリダに至っては(自主規制)。ディズニー・プリンセスたちを集結させ、オリジナルボイスキャストまで呼んだ上で、“ディズニープリンセスらしからぬ姿”を見せているわけです。これはもう、過去のディズニープリンセス像を自らが破壊し、新たなプリンセス像を造り出そうとする現れでしょう。現れなんだよ!!!(急に不安になってきた)

アラン・メンケンがアラン・メンケンではいられない

そこで、今回の「アラン・メンケン参戦」です(ここにスマブラ風の画像を思い浮かべる)。

おそらく多くの日本のファンは、アラン・メンケンが楽曲制作をすると聞き、ラプンツェルで感動したあの感じを思い浮かべるはず。10年後でもみんなが歌い、映画よりも先に口ずさめるメンケンスタイルを。

でも、今回に関しては、ディズニーのスタイルを「パロディ」するという前提であることを考えると、アラン・メンケンミュージックも例外ではないと思うんですよね。しかも今回、Disney Musicのプレスリリースには、ストレートに受け取りにくい文言が並んでいます。

In the vein of classic “I want” songs in the Disney canon such as “Someday My Prince Will Come” and “Part of Your World,” the song showcases Vanellope’s desire to be part of the world outside Sugar Rush—to grow as a racer and as a person.

わざわざ「“Someday My Prince Will Come” や “Part of Your World”みたいな、I Wantソングをアラン・メンケンが制作する」と、超ハードル上げてるんです。これ、ことシュガー・ラッシュ(というかリッチ・ムーア)の発言ならストレートに受け取れないよ!!

ロバート・ロペス:その疑念を作り出した張本人

なんでこんなひねくれた考え方に至ったかというと、ある1本のミュージカル作品に行き着きます。それは「Book of Mormon」における「Sal Tlay Ka Siti」です。興味のある方はAmazon プライムの会員なら聴けますのでぜひ聴いて。

A Month of "The Book of Mormon" Day 26: Sal Tlay Ka Siti

この曲はウガンダの少女が、夢のような場所Sal Tlay Ka Sitiを思って歌うI Wantソング。その場所とはきっと、ハッピー場所で警察も優しいしハエは目玉を食わないし小麦も食べ放題……まあそれはつまり、ソルトレイクシティ(モルモン教の聖地)なわけで、この楽曲はしっとりとしたバラードであるのに、爆笑が起きるわけです。ところが、その爆笑のあとに、あれっ?と引っかかります。鑑賞者がいまいる場所こそ、夢のような場所なのでは?と。この曲は何層にも考えることができる、私がここ最近聞いたミュージカル楽曲ではもっとも好きな曲です。

作ったのはロバート・ロペス。あの「レット・イット・ゴー」を作った人です。

ロペス夫妻は次の世代のアシュマン/メンケンになりうるか これまでの軌跡をまとめてみた

ロペス夫妻はレリゴーだけでは判断できないと思ってまして、シャーマン兄弟ともアラン・メンケン&ハワード・アシュマンとも違うタイプの天才だと思っています。美女と野獣アニメ版のBlu-ray再発売版に、アラン・メンケンとスティーヴン・シュワルツ(「ノートルダムの鐘」「ポカホンタス」)、クリステン・アンダーソン=ロペス&ロバート・ロペス(「アナと雪の女王」)、リン=マニュエル・ミランダ(「モアナと伝説の海」)と対談する映像がありましたが、単純にロペス夫妻はアラン・メンケンの大ファンとして語っていたのが印象的でした。

LINK: 不朽の名作、新たな装いで登場!『美女と野獣 MovieNEX』4/5(水)発売!|ブルーレイ・DVD・デジタル配信|ディズニー公式

ロペス夫妻がディズニー・アニマルキングダムの「Finding Nemo: The Musical」を手掛けたとき、オープニングのファンファーレを「アラン・メンケンスタイルのオープニングにした」とコメントしているように、ロペス夫妻の作風は過去の名作をベースに、自分のスタイルに変える(悪くいえばパクる)ものでした。その技量がむちゃくちゃうまくて、ロペススタイルにしっかりなってるのがすごい。

で、先の「Sal Tlay Ka Siti」こそ、アラン・メンケンスタイルの、それも彼らを一躍有名にさせたリトル・マーメイドにおける「Part of Your World」のイメージをそのままに、それを完全にパロディーした上で、超考えさせるというすさまじい名曲に仕上げたわけです。

ボク、もしアラン・メンケンの立場だったとしたら、超イラッとくると思うんですよね。いい意味で。

アラン・メンケンの逆襲が始まる!!!

ということで、ここまでの想像が合っていたならば、ディズニー本体が、ディズニー自身のイメージをテコに、パロディという武器を使える今回のチャンスに、アラン・メンケンがまともな曲を作ってくるとは全く思えないんですよ。

映画 『ソーセージ・パーティー』 予告

タイトルの「A Place Called Slaughter Race」。さらにガル・ガドットとサラ・シルバーマンが歌うということは、Slaughter RaceとSugar Rushという対極にあるゲームを、それぞれの主人公が思う歌であることは間違いありません。主題は「隣の芝生は青い」。これ、前作もまったく同じテーマでしたよね。

その上で……。万が一アラン・メンケンがBook of Mormonの件を本当に根に持っていたとしたら、この作品自体のテーマは「ウソから始まる救い」という、宗教的な要素が入ってくるはず。最終的にはシャンク、ヴァネロペともに落ち着くところに落ち着くとは思うものの、そこに至るまでの経緯に、この曲が大きく関係してくるはずです(エンドソングもこの曲だし)。

そうなると、この曲は一度聞いただけでは大爆笑な「アラン・メンケンらしからぬ」楽曲となっているはず。しかし時間がたつにつれ「アラン・メンケンでしか実現できなかった」曲という評価になっていくはず。すると今度はロペス夫妻が「Frozen 2」で逆襲してくると……。ああ、供給過多!!!

と、そんなことをこのタイトル1行で思ったわけです。これが正解だったかどうかは、実際に公開されるまでは一切コメントしないことにします。大きく外れたら記事消すかもしれん。