ディズニー・イマジニアリング、ロボットによるスタント代替「Stuntronics」プロジェクトを発表

ディズニーによるすさまじい技術がまた1つ。

Disney Imagineering has created autonomous robot stunt doubles

LINK: Disney Imagineeringが自律型ロボットスタントマンを開発 | TechCrunch Japan

TechCrunchが面白い話題を記事にしています。ディズニーのイマジニアが研究開発した「Stuntronics」を、かなり詳細な解説を含め紹介しています。これはスタントマンが行うようなアクロバットを、ロボット(ディズニー的には“アニマトロニクス”)で代替するというかなり野心的なプロジェクト。まずは上記の動画を。ロボット全体がかもし出す“表情”がすごいです。ざっくりいうとガンダムのAMBACでしょうかね。

このアニマトロニクスの基礎は、Disney Researchが2017年9月に発表した「BRICK」、および2018年5月に発表していた「Stickman」に通じます。

Falling with Style: Sticking the Landing by Controlling Spin during Ballistic Flight
Stickman: Towards a Human Scale Acrobatic Robot

LINK: Stickman: Towards a Human Scale Acrobatic Robot – Disney Research

BRICKについては単なる箱だったのが、Stickmanでは2関節を持っているロボット、というより「棒」へ進化。どちらも空中を自律的に姿勢制御してアクロバティックに飛ぶというもの。おそらく、この技術発表はStuntronicsの前座でしかなく、今回発表されたものが本丸なのではないかと思うくらい、飛躍した技術を持ったものでした。

この点に関しては、WORLDWIDE DISNEYの記事もあわせてどうぞ。

LINK: WORLDWIDE DISNEY • Disney Imagineering has created autonomous robot…

これまでもディズニーは、テーマパークにおけるさまざまな表現手法の1つとして、映画的な思考で音声トラックと同期し動く「オーディオアニマトロニクス」が使われてきました。最新のオーディオアニマトロニクスとしては、ウォルト・ディズニー・ワールドに登場した「Pandora: The World of AVATAR」における、ナヴィ族シャーマンのオーディオアニマトロニクスが引き合いに出されることが多いです。

DISNEY’S NEW ANIMATRONICS
First Look at The Na’vi River Journey Shaman | Disney's Animal Kingdom

上海ディズニーリゾートにおける最新アトラクション「Pirates of the Caribbean: Battle for the Sunken Treasure」(通称:上海版カリブの海賊)においては、実は意外なほどにオーディオアニマトロニクスの出番が少なく、片手に余るほどしか使われていませんでした。これはむしろオーディオアニマトロニクスよりも「没入感」を追究した結果で、今後はそういう展開になるのかと思いきや、やはりディズニーにおけるアニマトロニクスの位置づけは重要ということなのかもしれません。

つい最近、ミッキーの新アトラクション「Mickey & Minnie’s Runaway Railway」(2019年オープン予定)の新アートが公開され、ここには“オーディオアニマトロニクス版”ミッキー&ミニーらしき姿も存在しています。

ディズニー・ハリウッドスタジオにて新ショー「Lightning McQueen’s Racing Academy」2019年初頭にスタート/ミッキーアトラクション続報

個人的にはディズニーのオーディオアニマトロニクスが目指すところはこの「ミッキー」にあると考えていまして、アニメ頭身のミッキーが自律して動く&観客とのインタラクションを膨大な機械学習により自律して行える、というのが当面の目標であると信じています。自律して動く、という面では今回のStuntronicsをはじめ、さまざまな研究開発が今後進んでいくでしょう。インタラクションに関してはプロトタイプながら既に「Destini」が動いているわけで、これらの技術がすべての始まりであるミッキーに集約されるとしたら、もうディズニーは魔法を現実化する企業という認識で良くなると思いますね。

D23 Expo Japanで紹介された完全自立会話可能なオーディオアニマトロニクス「Destini」について

そういう意味ではこのStuntronicsは、上記BRICKやStickman同様、あくまで通過点であり、これがそのまま数年内にアトラクションで使われるとはあんまり思ってません。ワンオフ的なセレモニーならば、過去にもドラゴンとかありましたけれど。こちらもあわせて。

“スパイダーマン”を再現? ディズニーが「長い振り子状のアームを備えたトラックベースのスイングライド」の特許を登録
アメリカ初、300個のショードローンを使ったエンターテイメント「Starbright Holidays – An Intel Collaboration」2016年11月20日スタート(Update)
新ファンタジーランド上空で発見、空飛ぶドラゴンは炎も吐く!

オーディオアニマトロニクスになれば均一のクオリティで対応が可能、その思想は開業当初のジャングル・クルーズにも現れていた。では想像してください。オーディオアニマトロニクスで動く完ぺきなミッキーを。

ところで、いまあなたが思い浮かべたそのミッキー。現在のような身長150センチくらいの“人間”のような姿でしたか? それともアニメーションで描かれていた、2頭身程度の“アニメ”の姿でしたか?

【雑記】この前会話してて疑問だったこと ほか