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ジョン・ラセター、半年間の休職を経て2018年末にディズニー/ピクサーを退任(update)

なんとも悲しいニュース。

ジョン・ラセター氏(D23 Expo 2017にて)

ウォルト・ディズニー・スタジオ、およびピクサースタジオのチーフクリエイティブオフィサー(COO)であり、ピクサースタジオの創設メンバーの一人、そしてトイ・ストーリーを監督したあのジョン・ラセター氏が、ディズニー社を去ることを発表しました。いまのところ、公式なリリースにはなっていませんが、既にウォルト・ディズニー・カンパニーの要人リストなどからは外れている状況です。

John Lasseter Looks Back on 30 Years of Pixar

各種メディアが報じています。

LINK: John Lasseter Will Exit Disney at the End of the Year – Variety

LINK: John Lasseter will leave Disney and Pixar at the end of the year, studio says

LINK: Pixar co-founder John Lasseter to leave Disney after ‘missteps’ – Orange County Register

この件については、日本のメディア記事にもなっています。

LINK: 「アナ雪」大ヒットのディズニー製作総指揮者退社へ セクハラか | NHKニュース

LINK: ディズニーアニメ復活の立役者ラセター氏、年内退社-セクハラ疑惑で – Bloomberg

LINK: 米ディズニーのJ・ラセター氏、年内に辞職 スタッフに「不快」なハグ 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

いったい何が起きていたのか?

本件はまず、2017年11月にジョン・ラセター氏が休職にいたるというところから始まっています。ディズニー/ピクサー社内に投げられたメールや内々に聞いた話では、ラセター氏はあまりのハードワークに心身共に疲労状態であったとされ、それが主な要因で休職を勧められたことから始まったといわれています。しかしその前のタイミング、2017年10月にハーヴェイ・ワインスタイン氏のセクハラ事件が明るみになり、ハリウッドは映画業界におけるスキャンダルを追いかけていたという状況が前提にありました。

LINK: ハーベイ・ワインスタイン事件:ここまでの経緯をおさらいしてみる(猿渡由紀) – 個人 – Yahoo!ニュース

さらにディズニーは、ロサンゼルス、アナハイム市議会とディズニーランドの“癒着”を2017年9月にLA Timesにより記事化されています(遠縁はディズニーランド・リゾート、Western Gateway Projectで「アナハイム市から減税措置」を受けるという一件にある)。それを嫌気したディズニーが、LA Timesを試写会に呼ばないという事件が2017年11月に発生し、メディアが一斉にディズニーをたたくという流れも起きます。

LINK: How one election changed Disneyland’s relationship with its hometown – Los Angeles Times

LINK: Is Disney paying its share in Anaheim? The money battle outside the Happiest Place on Earth – Los Angeles Times

LINK: A note to readers

LINK: Disney blocks LA Times from movie screenings over story

ディズニー憎しというハリウッドメディアが、セクハラ疑惑を探していたというタイミングが重なったこともあり、ジョン・ラセター氏の休職は「セクハラが原因なのではないか」という記事を書かれることになります(ほとんどの日本メディアはこのタイミングの記事をもとに認識している)。実際のところ、ほぼ同タイミングでトイ・ストーリー4の脚本から降板したラシダ・ジョーンズ(ザ・マペッツにも出演)のセクハラ被害も噂されましたが、本人はきっちり否定コメントを出しています。

LINK: Rashida Jones Denies She Left ‘Toy Story 4’ Over John Lasseter Advance – Variety

そもそもディズニー社は、リリースという形ではジョン・ラセター氏の休職、および今回の2018年末での退任に関して発表していませんが、以前トークイベントでご一緒した、映画コメンテーターのよしひろまさみちさんに聞いたところでは、アメリカのメディアに向けては正式なコメント(もちろん“セクハラが原因ではない”という内容)を出しているものの、ハリウッドメディアがほぼ無視しているという現状があるとのこと。

ジョン・ラセター氏。隣はボブ・チェイペック氏(D23 Expo 2017にて)

なお、内々にはボブ・アイガー、そしてジョン・ラセターのコメントも出ているようで、一部メディアではそのメッセージが掲載されています(どこに出てたんだろう…)。引用します。

Disney CEO and Chair Bob Iger said in a statement, “John had a remarkable tenure at Pixar and Disney Animation, reinventing the animation business, taking breathtaking risks, and telling original, high quality stories that will last forever. We are profoundly grateful for his contributions, which included a masterful and remarkable turnaround of The Walt Disney Animation Studios.”
LINK: John Lasseter stepping down from The Walt Disney Company after 6-month leave | The Disney Blog

Lasseter has also issued a statement, “The last six months have provided an opportunity to reflect on my life, career and personal priorities. While I remain dedicated to the art of animation and inspired by the creative talent at Pixar and Disney, I have decided the end of this year is the right time to begin focusing on new creative challenges. I am extremely proud of what two of the most important and prolific animation studios have achieved under my leadership and I’m grateful for all the opportunities to follow my creative passion at Disney.”
LINK: John Lasseter stepping down from The Walt Disney Company after 6-month leave | The Disney Blog

ジョン・ラセター氏はディズニーのイマジニア部隊にも深く入っており、カーズランドは彼の功績の1つ。宮崎駿氏との親交も厚く、その点で個人的に大きな期待もしていました。なんにせよ、行き違いが生んだものなら悲しい結果です。

今はまずリフレッシュしていただいて、また新たなスタートが切られることを期待しています。ピクサーといえば「本当の意味での第二のウォルト・ディズニー」になりえた、唯一の存在。ジョン・ラセター氏はウォルト・ディズニーの延長線上ではなく、21世紀における新たなビジョナリーになれたかもしれない人だと思っています。今後の活躍に期待したいと思います。

追記:

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