ライフイズテックのディズニー・プログラミング学習教材「テクノロジア魔法学校」第一章を体験したよ

ウォルト・ディズニー・ジャパンさんのご厚意により、ディズニーとライフイズテックがリリースしたプログラミング学習教材「テクノロジア魔法学校」を体験させていただきました。

ディズニー・プログラミング学習教材「テクノロジア魔法学校」 (c)Disney

LINK: ディズニー・プログラミング学習教材「テクノロジア魔法学校」

dpost.jpではちょこっとしか取り上げていなかった、ライフイズテックとディズニーによる「テクノロジア魔法学校」をプレイというか学習体験させていただきました。

これは12歳以上を対象とし、オンラインで「JavaScript」「HTML/CSS」「Processing」「Shader」といったプログラミング言語を軸に、メディアアート、ゲーム制作、Webデザインを学ぶという学習教材です。ディズニーが入っていることにより、ミッキー、ドナルド、グーフィーたちもシナリオに登場。これによって間口を広げ、対象の子どもたちがすんなりとプログラミング技術を学べるように工夫がされています。

レッスン紹介|ディズニー・プログラミング学習教材「テクノロジア魔法学校」

ひとまず現時点の感想からいうと、「プログラミングを学ぶための間口は広い方がいい。そのために工夫が凝らされた教材」という印象です。まだ第一章しか体験してない状態で結論は出せませんが、こどもにプログラミング体験をさせたいが、強い興味がなさそうという家庭にはアリではないかと思います。

中高生向けにITを教えるライフイズテックとディズニーがタッグ

そもそもライフイズテックとは、日本の中高生にむけた「IT教育」に力を入れている企業で、とがったベンチャー企業をよく紹介しているTechCrunchでも何度も取り上げられています。名だたる大企業ともタッグを組んでおり、その流れでディズニーとの協業が実現した、ともいえるでしょう。

LINK: 中高生向けIT教育のライフイズテックが3.1億円を調達–リクルートやDeNA、キッザニアとの協業も | TechCrunch Japan

LINK: ライフイズテックが中高生向けプログラミング教育Webコンテンツ「MOZER」の体験版を公開 | TechCrunch Japan

LINK: サッカー本田の投資1号は教育―、中高生向けプログラミング教育のライフイズテックが7億円を調達 | TechCrunch Japan

LINK: ライフイズテックがディズニーと手を組んだ新教材を発表、販売価格は約12万円 | TechCrunch Japan

LINK: Life is Tech ! | ライフイズテック株式会社

学ぶ手順はシンプル、工夫はアナログな部分にも

さあはじめましょう

今回の教材ですが、基本的にはWebブラウザを使い、オンラインで学ぶことができる仕組みになっています。章ごとにストーリーが進んでいき、その章の中で例えば「CSSを実際に書いてみる」「JavaScriptを書いて動きを付けてみる」などを学びます。

第一章はあくまで準備

学習はステップごとになっており、まずは「写経」ともいうべき、ガイドに従いそのままタイプしてみるステップ、そしてほんの少しそれをアレンジするステップ、最後はすべてのおさらいともいうべき、まっさらな状態から書いてみるというステップです。メモさえしておけば、ノーヒントでもいけるかもしれません。ちなみに「開発環境」もWebブラウザのなかで完結していて、実際の動作が見えるキャンバス部分、ガイドテキストが表示される部分、そしてコーディングを行うエディタ部分が表示され、特に他にインストールするものはありません。

キーボードやマウス操作を、HTML書き換えという形で学ぶ

第一章では「HTML」で構造や内容を作り、「CSS」でデザイン要素を入れ、「JavaScript」で動きを付けるということを、簡単なサンプルプログラムを作ることで体験ができます。第一章と言うことであくまで「なにができるか」を学ぶ程度。実際は第0章的、キーボードの使い方、マウスの使い方のチュートリアルも含まれています。これに関しては上級者にとっては若干回りくどいと思うかもしれません(12歳だと多分この辺は既に分かってるような気も……)。

関数の解説。radiusの読み仮名が振られているのは地味によくできたポイント。ちなみに右下にいるのはチュートリアルを担当するオリジナルキャラクター、ミーミル

なお、この教材は「テクノロジア魔法学校」というくらいですから、学校が舞台です。しかも“魔法”。主人公のアキトは突然見知らぬ世界に転生?したようで、過去の記憶もなく、文字も読めない状態。そこから始まる学校物語がこの「テクノロジア魔法学校」です。この辺は対象年齢ならば、こういう仕組みがあるとすんなり入りやすいのかもしれないと思いました。

主人公はアキト

テクノロジア魔法学校のマップ。レッスンの合間に移動して話を聞いたり何かを探したりします

そして声優陣も豪華。フルボイスです。

個性豊かなオリジナルキャラクター (c)Disney

そして興味深いのは、ステップをクリアするとちょっとした「謎解き」が用意されていることです。それがこの「魔法の本」。この中にはいわゆる謎解きゲームのような要素があり、若干アナログな要素も用意されています。この謎解きをクリアすると、ストーリーが進むというポイントがあるのです(ただし、ヒントがあるので難しくはないです)。

スタートキット「魔法の本」 (c)Disney

ところで、ディズニー要素は?

さて、ライフイズテックの力はなんとなく分かりました。プログラミング技術習得という意味では、しっかり作られていると思います(まだ一章しかやってないけど)。で、気になるのはディズニー要素でしょう。実はこの点に関しては(まだ)ほとんど関係がないといえるレベル。

一応、第一章でもミッキー、ドナルド、グーフィーが登場しています。残念ながら彼らはフルボイスではなく、笑い声や汎用的なセリフをライブラリ的に話す程度。しかし、ちょこっとずつディズニー作品要素が追加されるのではないかとは思っています。ちなみに今後、章配信ごとにリアルなポストカードも配布されます。

 (c)Disney

ポストカード (c)Disney

初登場シーン

ほとんどディズニー要素なしとはいえ、このようにサンプルの中に突然丸3つが出てきたりして面白い

「プログラミングを学ぶ」ということ

ということで体験した感想を。なお、この感想はあくまで「第一章」のみで、現時点ではほとんど入り口でしかありません。その前提で。

プログラミングを学ぶということは、単に「プログラマ」だけが行うべき行為ではないと思っています。プログラマでなくても、理系でなくてももはやプログラミングは必修科目になるはずで、多くの子どもたちにとってプログラミング技術は絶対に役に立ちます。最近では子どもたちに合わせた環境も大きくクローズアップされていて、例えば昔ながらの「レゴ マインドストーム」だったり、最近注目の「Scratch(スクラッチ)」だったり、それこそ「MineCraft for Education」なんかは話題です。

特にMineCraft for Educationは、あのマインクラフトのシステムを教育向けにアレンジしたもので、本当に良くできています。既に学校内で取り入れられているという話を聞きますし、以前本業でご一緒した佐野日大高校の安藤昇氏は、マインクラフトを買収したマイクロソフトから分かりやすい漫画も出ていて、子どもたちが学ぶ環境は大きく進歩していると思っています。

LINK: ものづくりゲーム「Minecraft」を学校の授業で!挑戦する教育者たち~プログラミングや論理回路、教員研修などマインクラフトの教育実践を紹介~ – Watch Headline

LINK: Microsoft、マンガ仕立ての自習書『ハナのマイクラでプログラミング冒険』を無償公開 – 窓の杜

LINK: ハナのマイクラでプログラミング冒険 – Microsoft in Education

で、今回の「テクノロジア魔法学校」。基本的にHTML、CSS、JavaScriptをストレートに学ぶというスタイルをとっています。これも大変いいことだと思いますが、個人的にはこれに加え「アルゴリズムを学ぶ」ということを早めに学ぶことも重要かと思っています。それこそ、第一章で。実は先に挙げたスクラッチとかマインクラフトって、この「アルゴリズム」を学ぶ最適な教材だと思うんですよね。

アルゴリズムって何よ?と思った大人は、下記のGoogle Doodleを試すといいと思います。これ、意外と難しいんですよ。実現するのは簡単でも、最短を探すのが難しい。本当に良くできた体験教材です。

LINK: 子供向けコーディング 50 周年

プログラミングは単に文法を学ぶだけではなく、考え方、組み立て方を学ぶことの方が重要なのです。

「テクノロジア魔法学校」に興味を持った大人にお勧めしたいこと

ということで、今回一章を体験したことで感じた、「テクノロジア魔法学校」に必要なものは2つです。

1つ目は「親のサポート」。これ、決して一人で操作させれば勝手に学んでもらえるというものではないと思っています。あくまでこれは入り口で、そこからいかに「広げる」かが、学びの最重要ポイントだと思います。本教材は(いまのところ)写経をさせるための間口を広げ、体験をさせるというところに重点を置いています。これはこれですごいことで、単に本を与えても絶対に学ばないでしょう。それを「写経だけでもさせる」というポイントで、ディズニーのコンテンツやアナログな謎解きゲームが役立っていると感じました。写経重要。これやらないと絶対に理解できません。

そうなると、親はその一歩先に進んでいないといけないかと思います。親が横で見ていて、こうするといいよと助言ができたり、じゃあWebブラウザ内の疑似的な環境ではなく、実際に開発環境をいじってものを作ってみようだとか。実はその実環境を作るというのが一苦労ではあるのですが……この点は、親が別途教本を用意し、準備してあげるといいかもしれません(この点、テクノロジア魔法学校にも親向け教材が用意されていると完ぺきなのですが……)。

もう1つは、実は事前学習が必要なのではないかと思っています。それこそが、上記で挙げた「アルゴリズムの学習」。例えば上記のGoogle Doodleのゲームをやらせてみるとか、Scratch、MineCraftを遊ばせてみるだけでいいです。もしこの遊びに興味を持ったら、そこからスッと実際のプログラミングにスライドするというのが、一番いい流れなのではないかと思いました。なんとなく、今後の章でこのへんのアルゴリズム学習が入るのではないかとも思ってますが……。

ともあれ、一番ダメな導入方法は、「こどもがディズニー好きだからこれ与えればいいだろ」という、投げっぱなし導入。これはライフイズテックの本教材でなかったとしても、そのような方法では学べるものも学べません。そういう意味で、プログラミングというハードルの高い学びに対し、いかにそれを下げるか、下げたように見せるかをかなり工夫した教材だと思いました。

なお、第二章は2018年5月中旬に郵送でキットが届く予定。次章以降はそれぞれディズニー映画のシーンを基にしたゲームやアートを題材としているので、よりディズニー色が強くなりそうです。第二章以降も順次配信予定で、ちょっとずつ(といってもかなりのボリューム)学んでいける教材です。今後もちょこちょこっとレビューをいれてみたいと思います。

 (c)Disney

次章配信までは復習を

あっ、そうだそうだ。この主題歌がPerfumeのエレクトロ・ワールドなんですよ。これはライフイズテックの人の中にパフュヲタがいるな……と思いました。

取材協力:ウォルト・ディズニー・ジャパン