先に言っておきます。「知らんけど」。
(この記事は2017年12月26日に開催した、dpost.jpミートアップで話した内容を再構成したものです)

東京ディズニーリゾート駐車場
2017年11月29日夜、日経がこんな記事を掲載しました。
LINK: 東京ディズニー3割広く「アナ雪」も 3000億円投資 :日本経済新聞
続いて、共同通信経由で多くの媒体が同様の記事を出しています。
LINK: ディズニーリゾート:大幅拡張 25年着工、第3パークに – 毎日新聞
なお、これに対応し、オリエンタルランドは2017年11月30日未明にリリースで対応しています。当初は1段落目のみでしたが、後に追記されていたようです。
東京ディズニーリゾート®の拡張等に関する一部報道について
2017年11月29日付の一部報道において、東京ディズニーリゾートの拡張等に関する記事が掲載されましたが、当社として発表したものではありません。
なお、2016年4月27日に発表いたしましたリリース「東京ディズニーランド®/東京ディズ ニーシー® 今後の開発計画について」に記載のとおり、2021年度以降の開発方針につきましては、東京ディズニーリゾート全体の価値向上に向けたさまざまな検討を進めております。
まずは報道の内容を
日経報道は有料会員限定であるため、要点だけ引用します。
3000億円超を投じて2023年をメドに新たな施設を開業。総面積を約3割広げ、混雑を緩和する
新たな敷地には他のディズニーのテーマパークにはない独自のアトラクションやエリアを導入する。敷地面積の問題で結論を持ち越していた映画「アナと雪の女王」に関連する施設も検討する
同じように、共同通信の記事も(毎日新聞から)引用します。
投資額は3000億円規模に上る
LINK: ディズニーリゾート:大幅拡張 25年着工、第3パークに – 毎日新聞
事実上の第3のテーマパークと位置付けて新たなキャラクターや大型アトラクション施設を導入
LINK: ディズニーリゾート:大幅拡張 25年着工、第3パークに – 毎日新聞
2025年までの着工を目指す。来年5月までに詳細を詰めるが、訪日観光客を意識して「日本」的なテーマを取り入れることも検討している
LINK: ディズニーリゾート:大幅拡張 25年着工、第3パークに – 毎日新聞
投資額は20年度までの中期経営計画には含まれず、新たな投資になる
LINK: ディズニーリゾート:大幅拡張 25年着工、第3パークに – 毎日新聞
これ、2つ並べただけでもちょっと気になりませんか。
食い違う報道?
どちらも共通しているのは拡張面積「3割増」と投資金額「3000億円規模」。しかし日経報道では2023年には「開業」、そしてコンテンツとして「アナと雪の女王」が明記されているものの、共同通信報道では2025年までに「着工」としているだけでなく、コンテンツに関しては「日本的なテーマを」としている点が異なっています。さらに共同通信報道では、2018年5月までに詳細を詰める、という具体的なスケジュールまでも入っています。
これ、どうしても思い出すのは、2013年のころのお話です。
2013年に思った、ある推測
2013年、日本では初の「D23 Expo Japan」が開催されました。この開催の前に、複数の“噂”が登場しました。




当初の噂は、アメリカ河をなくし、カーズランドを作るというもの。その後ファンタジーランドを一新するという噂と、東京にもスター・ウォーズエリア(現 Star Wars: Galaxy’s Edge)を作るという噂が出ました。スター・ウォーズ関連に関しては、ボブ・アイガーCEOによる「世界のパークに作る」というコメントも出ています。
さて、これを踏まえてD23 Expo Japan 2013では、ある不思議なことが起きていました。主にウォルト・ディズニー社がメインのプレゼンテーションにおいては、C-3POとR2-D2が登場する、ディズニー・オン・クラシックはスター・ウォーズを推すなど、全体的にスター・ウォーズをプッシュする動きがありました。そしてさらに不自然だったのは、当時もっともプッシュすべき、マジック・キングダムにオープンしたばかりの「新ファンタジーランド」に関してほぼ何も触れられない、ということも。
ここから、私は東京ディズニーリゾート拡張計画において、新ファンタジーランドを推すオリエンタルランドと、スター・ウォーズを推す米ディズニーの2案が拮抗していたのでは、と想像しました。

その結論がどうだったのかは、皆さんもよくご存じのはずです。


特にD23 Expo Japan 2013では、米ディズニー側のパーク&リゾートセッションにおいて、クライマックスに不自然な太鼓のパフォーマンスが入っており、本来はなにか発表するんじゃなかったのかしら……と思っていたところでした。ちなみにですが、最初に噂として出てきた「アメリカ河をつぶして」という話は、そのまま本家ディズニーランドで行われましたね。こういう形で噂が実現するので、(出どころの確かな)小さな噂も記録していくことは大事です。
食い違う報道は「まだ複数案が戦っている?」
ということで、本題。2013年のこのことを覚えていれば、日経と共同の一見食い違う報道の裏側が見えてきます。おそらくですが、現ファンタジーランド拡張の延長線上にあるアナと雪の女王コンテンツ活用を中心とした拡張案と、それとは全く別の、現時点ではコンテンツ名を明らかにしようがない、日本的コンテンツを中心とした拡張案を含む、少なくとも2つの事案が拮抗しているのではないかと想像します(なお、複数の理由から、それがStar Wars:Galaxy’s Edgeではなさそうなのは把握しております)。
前回は結果的に、OLCが新ファンタジーランド、米ディズニーがスター・ウォーズだったのではないかと思っていますが、今回も日経と仲の良いOLCは日経記事にあるようにアナ雪、そしてそうではない方は米ディズニー側の推す案ではないかと考えてはいるものの、なんとなく複数情報が入り乱れた結果の食い違いかもしれないと思っています。新エリアとして2023年頃オープンのアナ雪があり、その後さらに日本的コンテンツが、内容が内容だけに時間をかけてじっくり構築される、的な。
では、「日本的コンテンツ」とはなにか?
そりゃあもう決まっているでしょう。アレですよ、アレ。楽しみだなあ。