気になるのは「中長期的なファンを育成」という施策—— オリエンタルランド2017年3月期決算発表を読んだ

オリエンタルランド社の2017年3月期決算発表がありました。

LINK: IR資料室 | 株主・投資家の皆様へ | 株式会社オリエンタルランド

2017年4月27日、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの2017年3月期決算発表がありました。発表資料のリンクはこちらです。

LINK: 平成29年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

LINK: 2017年3月期 決算補足資料

LINK: 2017年3月期決算説明会及び2020中期経営計画説明会

LINK: 剰余金の配当に関するお知らせ

LINK: オリエンタルランドグループ「2020 中期経営計画」について

LINK: 自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ(会社法第165条第2項の規定による定款の定めに基づく自己株式の取得)

これを受け、ニュースメディアによる報道もいくつか出ています。

LINK: オリエンタルランドが新中計 新施設で混雑解消  :日本経済新聞

LINK: 東京ディズニーリゾート、今年度来場者は5年ぶり3000万人割れ予測 – SankeiBiz(サンケイビズ)

LINK: ディズニーリゾートに人手不足の波 船操縦士も配膳係も:朝日新聞デジタル

ここまでがファクト。以下、感想です。

まあいままでの流れとして、節目である5年ごとのアニバーサリーイヤー後には入園者数を前年割れ目標で設定していたこともありますし、今回は3000万人を割ったというところが注目されてはいるものの、まあ内容としては大きな驚きはありませんでした。他の内容も以前の発表が大きかったので、2020年の大規模開発エリアオープンに向け、着実に進めているなあ、という印象。

2020中期経営計画より

2020中期経営計画より

個人的に気になったのは下記のお話です。

2020中期経営計画より

ここには、2020中期経営計画の目標である「高い満足度を伴ったパーク体験を提供できている状態とする」という点です。2020年までは大規模開発にともなうキャパシティ減少が発生するので、その点を踏まえた事業基盤の強化が必要です。そこに対して、外部環境として「少子高齢化の進行」への対処として「中長期的なファン(リピーター)を育成」という方向が示されました。

これだけを読むと「お、何してくれるのかな?」とか思うでしょうけど、これ多分俺たち私たちは対象外で、「新たなファンを作る」ということなんだろうと思います。というのもここに詳細が書いておらず、下記の記事の続きだと思っているから。

コアなファンだけでなく、誘われて来園する人達にいかに魅力を感じてもらうかも重視し、「誘い層」、「誘われ層」、それぞれのカスタマージャーニーを描いている。

誘われて来園した人がファン化し、また新たな人を連れてくる。その循環から「いかに血を濃くしないで、低頻度の人にたくさん来てもらうか」(オリエンタルランド笠原氏)を狙ったジャーニーの設計だ。

LINK: 顧客視点に立って、“業界慣習”を白紙に戻す――アクア、オリエンタルランド、ファミリーマート、富士フイルム | AdverTimes(アドタイ)

この記事が出てきたときには正直いったいどの施策を指してこんなことを言ってるのだろうと思ったんですが、実際にその後、まさにこのカスタマージャーニーを地で行く施策が出てきたので、あ、本気だなと。

2017年の春キャンは攻め方が違う? 「おさそい春キャン」で友達誘ってパークに行こう
なかなか考えた手を……。 LINK: 春のキャンパスデーパスポート | 東京ディズニーリゾート

かといって、いまのハードリピーターに対してサービスを落とすことは絶対にしないと思うので、ライトリピーター向けの特別な施策が増えていく(結果としてハードリピーターは課金を余儀なくされる)のだろうと思ってます。というかそうしないといまマズイと思います。折しも上海ディズニーリゾートで導入されている「Disney Premier Access」、ディズニーランド・リゾートで2017年中に導入が予定されている「Disney MaxPass」、さらに詳細不明ながらディズニーランド・パリで導入されるかもしれない「Fastpass Premium」のような仕組みが登場し、東京ディズニーリゾートにおいても何らかのゲスト優遇施策が拡充されるかもしれないなあ、と個人的には思っています。というか本気でファンを育成したいなら、たぶんウォルト・ディズニー・ジャパンときっちり手を組み、文化としてのディズニーを浸透させることも必要ですよね(これはオリエンタルランドじゃなくてウォルト・ディズニー・ジャパンの仕事)。そっちのほうはあんまり期待できないのが本当に残念。

あと質疑応答。

LINK: IR資料室 | 2017 年 3 月期決算説明会 質疑応答| 株式会社オリエンタルランド

Q10)アナと雪の女王の続編が 2019年に公開されるという話があるが、ディズニー映画とタイムリーに連動した集客はできないのか。

A10)アトラクションの開発という意味では、計画策定から開発まで長期の時間がかかるため、なかなかタイムリーに連動することは難しいが、スペシャルイベントに関しては、今年の夏にディズニー映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」と連動するなど、ディズニー映画とのシナジーを強化している。ヒットした映画は続編が出ることも考えられるので、今後も密に情報共有しながら、テーマパークとのシナジーを図っていきたい。

IR的に優等生過ぎる……orz。

次回の株主総会も楽しみです。

LINK: IR資料室 | 株主・投資家の皆様へ | 株式会社オリエンタルランド

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