「バレンタイン・ナイト2017」を見てきた(そして長い長い余談)

バレンタイン・ナイト2017を視察させていただきました。

バレンタイン・ナイト2017

LINK: バレンタイン・ナイト2017~Concert of Love~|東京ディズニーリゾート

2017年1月22日よりスタートした東京ディズニーシー「バレンタイン・ナイト2017〜Concert of Love〜」を、東京ディズニーリゾートの招待取材というかたちで視察してまいりました。チケットは現時点でほぼ完売。2016年に参加できなかったためにリニューアル後は初めて見ました。いや、ホントファンの好みを分かった構成で大変素晴らしかったです。リニューアルで新曲追加されましたけど、やっぱり「シーズン・オブ・ハート」名曲ですね……。個人的に終演後のインストバージョンが大好きで、これが聞けただけでもうれしかったです。

バレンタイン・ナイト初体験はサムイマさんと二人きりという楽しい体験でした(苦笑)。懐かしい。そしてリニューアルはしたものの本質は全く変わらず、個人的にはクリスマス同様、永遠のマンネリをずっと続けていってほしいです。大変よいショーでした。

バレンタイン・ナイト2017

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バレンタイン・ナイトを見て思わず考え込んでしまった話

ということでそこからかなり脱線しそうなことを。毎年恒例だとは思いますが、今回も「プリンス&プリンセス」の構成を中心としたシーンがあります。これはディズニーパークのショーとしては鉄板の構成で、プリンセスたちの願いを込めた歌とともに、プリンスが登場しダンスを披露すると。「ワンマンズ・ドリーム」などでも頻出ですね。

今回の構成では、ラプンツェルの願いを歌う「When will my Life Begin」からスタートし、白雪姫、オーロラ姫たちが登場。各映画における象徴的な「I Wish」ソングを披露します。ミュージカル作品では主人公の願いを歌に込めたI Wishソングが大変重要で、ほとんどのプリンス/プリンセス映画ではI Wishソング自体が代表曲ですね。

  • 白雪姫  「Some day my prince will come」
  • オーロラ姫「Once upon a dream」
  • シンデレラ「So this is love」
  • ベル   「Belle(リプライズ)」(←バレンタイン・ナイトでは使ってません)
  • アリエル 「Part of your world」
  • ジャスミン「To Be Free」(←DCAショー追加曲。バレンタイン・ナイトでは使ってません)
  • ラプンツェル「When will my Life Begin」

で、今回のきっかけは、アナ雪どうこのショーに突っ込むかなー、とか考えていたことから。要するにショーディレクターに「レリゴーないじゃん」って言われたらどうすんの?というお話です。

注:タイトルは釣り。これはジョークエントリーです。真に受けないように。 「Let It Go」という楽曲があります。この曲は映画「アナ...

最初はすっごく単純にプリンス/プリンセスシーンにいれるんじゃないかなと思ったんですが、このときにいろいろ気付いてしまいました。気付いた内容はこれ。

  • 白雪姫  「Some day my prince will come」
    →いつの日にか王子様が〜
    →かなう

  • オーロラ姫「Once upon a dream」
    →あなたこそ愛してくれる あの夢と同じに〜
    →かなう

  • シンデレラ「So this is love」
    →これこそ奇跡 夢見ていた この愛〜
    →かなう

  • ベル   「Belle(リプライズ)」(←バレンタイン・ナイトでは使ってません)
    →もっとすてきな世界が 私を待ってる
    →かなう

  • アリエル 「Part of your world」
    →行きたい 人間の世界へ
    →かなう

  • ジャスミン「To Be Free」(←DCAショー追加曲。バレンタイン・ナイトでは使ってません)
    →To find love, to feel joy To be really free
    →かなう

  • ラプンツェル「When will my Life Begin」
    →私の誕生日 外の世界を見に行きたいの
    →かなう

これの流れでいうと、ポカホンタス(それとも 待ってる何か)も、ムーラン(本当の私〜)も、ティアナ(人気のお店にするわ)も、基本的には望みを歌い、それがそのままかなっています。メリダはミュージカルじゃないので除外。

「偽りのI Wishソング」

で、アナ雪なんですが、アナの場合は「いろいろお話して仲良くなるの〜」という内容(生まれてはじめて)、そしてエルサはご存じレリゴーで「ありのーままでー」な訳です。ところがアナ雪の場合、これらはかなうものの、局所最適解みたいなもんで「本来の望み」の手前で落ちてるんですよね。仲良くなって愛だと信じたものが実際は愛じゃなかったり、私のことなどほっとけレリゴー、みたいに強がってはみたものの、ホントはさみしくて「愛よ!」みたいな落としどころになるわけです。

つまり、アナと雪の女王に関しては、I Wishソングが用意されているものの、その願いはその段階での“想像の限界”でしかなくて、その時点ではほんとうのWishが分からない、というものなんじゃないかと思ったわけです。そうなると、I Wishソングとともにプリンスと踊るシーンに、アナ&エルサは登場できない、とか思っちゃいました。(とはいえ、ベルは「美女と野獣」だしジャスミンは「A whole new world」なのでどうとでもなるわけですけれど)

この傾向の一番最初はもしかしたら「塔の上のラプンツェル」かもなあ、と思いました。それはラプンツェルとフリンの会話の「夢をかなえてしまったらどうしたらいいの?」です。これまでのディズニー映画はI Wishソングが登場して、結末はそのWishがかなって「末永く幸せに暮らしましたとさ」です。ところが、その先を(ほんのちょっとでも)描いたという意味で、ラプンツェルのあのセリフは再度注目しないとなあ、とか思っています。あと振り返って思ったのは実写版「シンデレラ」のエンドソングだった「Strong」。実写版が公開されたタイミングでは旧来プリンセスをどう描くのか楽しみでしたが、結果としてアニメ作品のストーリーをなぞりつつ、いろいろな手法で新プリンセスを突っ込んできたなあ、と思います。あともちろん「魔法にかけられて」ね。その流れでいうと「シュレック」もだけど(他社)。

そしてこの傾向、やっぱりミュージカル畑の人材がディズニー映画に深く入り込んだことも大きいのかなとか思いました。アナと雪の女王はご存じ、ロペス夫妻が音楽を担当しています。ロバート・ロペスの代表作の1つ「The Book of Mormon」では、最高のI Wishソング「Two by Two」で、布教の地として「オーランドに行きたい!!」と大変生々しいWishを歌い上げています(で、行くのはウガンダですけど)。そういう意味で、主人公がI Wishソングを歌ったあとに“成長”し、真のWishを見つけるというストーリーのほうが今風なのだなあ、と思ったわけです。

プリンス、プリンセスの立ち位置は、ディズニーがいままさに手を入れているところ。その象徴はやっぱり「Dream Big, Princess」でしょう。

ああ、だから私はディズニーという思想の集合体を追いかけているんです。 LINKDream Big – The Walt Disney Co...

余談ですがこのクリップで使われている原曲のPVがすっごくいいです。今回の主題につながっている。

最近のディズニーは、「夢をかなえる」というより、「まず夢を思い、それに向かって努力した結果、本当の夢が見つかって、かなう」というストーリーにしているんじゃないかと思いました。実はこの「夢がかなう問題」ってdpost.jp始めたころからずーーーーーーっと追いかけていて、最近になってやっと上記のようなことじゃないかとぼんやり思えるようになりました。この夢かなう問題はアンチディズニーのきっかけになり得る話で、「(子どもに)安易に夢がかなうとかいってほしくないし、思ってほしくない」という方も結構いるわけです(これこそが旧来プリンセス像)。それだけに、この変革はいつか必ず、日本のディズニーにも通過してもらわないといけないんじゃないかなあ、と思いました。

ということで、おそらく、本家ディズニーが新生プリンセス像を推しまくってきた場合、旧来プリンセス像のシーンに新しいプリンセス像を混ぜることが難しくなり、「永遠のマンネリを続けてほしい」という私の願いがどこかでついえる可能性もあるなあ、と思いました。その日が楽しみでなりません。

その前に見に行こう、バレンタイン・ナイト。