「ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2016」の公開リハーサルを体験してきました。
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— dpost.jp / ディーポスト・ジェイピー (@dpostjp) September 22, 2016
これまであまり「ディズニー音楽コンサート」に興味がなかった理由
ディズニーと音楽とは切っても切れない関係にあります。直近では「レット・イット・ゴー」が映画の枠、ディズニーの枠を飛び出して大ヒットとなり、老若男女だれもが口ずさめるという異例の状況になりました。もはや国民歌レベル。もちろんレリゴーだけでなく、「星に願いを」「イッツ・ア・スモールワールド」「チム・チム・チェリー」「ハイ・ホー」など、もしかしたらディズニー楽曲と知らずに覚えていたものもいっぱいあるでしょう。私も「星に願いを」がピノキオの曲だった、というのは、物心ついてディズニーファンになったあとに気が付きました。ディズニー映画のシーンにひも付けられた曲は、ふとしたきっかけで心に残るため、映画を見る前に曲を知っている、ということも多いです。
私とディズニー音楽との関係は、最初のきっかけだった「美女と野獣」を見てハワード・アシュマン&アラン・メンケンのすさまじさを知り、その後すぐに「リトル・マーメイド」を見てアンダー・ザ・シーに圧倒され、その流れですぐにロバート&リチャード・シャーマンの兄弟が作った作品にただただ感動し、サントラを手に入れるとともに当時発売されていた「シング・アロング・ソング」シリーズのビデオ&LDを大量に買い込みました。
当時でていたシング・アロング・ソングシリーズとは、過去のディズニー作品の名曲を、映画のシーンとともに歌詞付きで収録するというコンピレーション的ビデオ作品。「笑おう」や「魔法」など、一つのテーマに沿った曲を収録するだけでなく、作品のソフト化の前にリリースされるなど、本当に貴重なものでした。確か「アラジン」は日本での公開前、アメリカの公開前に「フレンド・ライク・ミー」「ホール・ニュー・ワールド」のシーンが先行収録されており、何度も見た記憶があります(輸入盤を)。
もちろんサントラも輸入盤を手に入れていましたが、ディズニーの音楽とは「シーンに対して作られるもの」という印象が大変強いです。もちろん正確には逆で、製作プロセスとしては音楽を先につくってそれに合わせたシーン作りをしているのですが、映像と音楽、どちらがなくなってもそれは不完全になる、というのが私の持論です。レリゴーも単体で聞くとさすがに飽きを感じますけれど、映画のシーン、ショーのシーン、花火や噴水という特殊効果と合わせたシーンで聞くとまた別の印象を得られるのと一緒。
だからこそ、その音楽だけを切り出す「ディズニー音楽のコンサート」にはあまり魅力を感じませんでした。
本物を聴くという体験
もちろん、例外もあります。これまでの経験での例外で真っ先に思い浮かぶのは、1999年12月27日にオーチャードホールで開催された「ファンタジア/2000 ワールド・プレミア・ツアー」日本公演。あのファンタジア/2000を、劇中にも登場するマエストロ、ジェームズ・レバイン氏本人による指揮で楽しめたというもの。当時はロイ・ディズニー氏も来日されていて、大変貴重な機会でした。これはもう別格です。
LINK: today@dpost [750]Fantasia/2000、ワールドプレミアが開催されました 他 by dpost.jp
そして今回、ラッキーにも「ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2016」の公開リハーサルに立ち会うことができまして、2016年9月22日、スタートの前日にプログラムを体験してきました。相変わらずですが、ここからが本題です(なお、今回は公開リハーサルへ招待していただき、無償でこの体験をしているという前提でお読みくださいませ)。
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LINK: ディズニー・オン・クラシック|イベント・ライブ|ディズニー|Disney.jp|
私自身、上記のような理由で実はこの「オンクラ」にあんまり興味がない状況でした。ディズニー関連イベントとはいえ、「音楽だけを聴くだけ」ではそれがうまく伝わらない、という認識です。ディズニー・オン・クラシックでは確かに映像と演奏を合わせた形式で上演されますが、映画館で体験できる「映像と音楽のセット」ではなく、音楽だけが強調された形になるためです。D23 Expo Japanでの公演を含め、過去2回ほど体験していて両方とも消極的な理由(チケットをいただいた&チケットに含まれていた)でした。で、今回も同様に招待という形。自らは動かなかったのですが……あー、これは認識を間違っていたかもしれない、というのが最初の印象です。
ハッとしたのは、やはり最初の曲。今回は東京ディズニーシー15周年ということで、それにちなんだ選曲がされています。が、その曲自体ではなく、指揮者であり「ディズニー・オン・クラシック」の顔ともいえる、ブラッド・ケリーさんがオーケストラを自在に操るかのような、華麗な指揮をしているところが大変印象的なのです。とはいえ、その動きは、素人目には単に指揮棒を左右に振り続ける、というだけに見えます。このしぐさこそ、私には「すごいことをしているのでは」と見えました。簡単に見える動作こそ、経験に裏打ちされているのだろうと。
この時点で、このコンサートは「ディズニーの曲を演奏する」のではなく「ブラッド・ケリーさんがオーケストラを操り、ここでしか体験できないことをする」というものに変わりました。それだけでも大きな体験をした、と感じました。
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オーケストラを“体感”する
そして今回、第2部であの「アナと雪の女王」を取り上げ、ほぼすべての曲/スコアを演奏するというステージが行われました。このステージでは映像もスクリーンで投影され、映画を見ているかのようなオーケストラ演奏が行われ、大変印象的でした。歌だけでなく、スコア部分もきっちりカバーされていて、改めて音楽を主体に聞くとまた違う雰囲気なのが面白かったです。それこそ先の「シング・アロング・ソング」シリーズは歌を中心としており、こういった「スコア」中心の催しはいままで聴いたことがなかっただけに。
このシーン、もしこれからディズニー・オン・クラシックを体験するという方は、映像はちらちら程度で見て、むしろ「オーケストラ」を体感するということをお勧めします。ブラッド・ケリーさんの指揮に合わせ、力強く楽器を演奏するところや、優しく吹奏楽器を鳴らすところ、それぞれに見どころがありました。ディズニー音楽を聴くというより、オーケストラを体感することに注目すると、これまた違う印象を持つでしょう。
思えば、先の「ファンタジア/2000」という試みは、ディズニー映画とクラシックとの融合、いや「アニメーションとクラシックを融合する」試みでした。ディズニーだけに興味を持つ方も、オーケストラ演奏そのものに興味を持つ方も、2000年に公開されたこの作品をIMAXで体感し、さまざまな感想を持っていたことを思い出します。今回のコンサートでもその中から象徴的な「火の鳥」を演奏してくれまして、これも大変貴重な体験でした。
「ディズニー」はさまざまな文化の入り口
私自身、ディズニーの面白いところはさまざまな文化の入り口になりえて、そこから違う趣味に広げやすいというところにもあると思ってます。例えば東京ディズニーリゾートのクラブ・ディズニー(2000年)なんかはクラブなんかに行ったことのない人に対して、間違ってる部分は多くありながらその雰囲気だけを忠実に再現したものだったと思いますし、私自身もジャズは東京ディズニーリゾートから広げていった記憶があります(もちろんロイヤルストリート・シックスこと「外山喜雄とデキシー・セインツ」を経由して)。
以前、ディズニーアンバサダーホテル「花 Hana」の鉄板焼きランチを体験したときに、シェフからお伺いしたお話が大変印象的でした。曰く「鉄板焼きというと、銀座の高級なところでないと体験できないように思えますが、ここ、東京ディズニーリゾートでも鉄板焼きが楽しめると考えれば、入ってきやすいのではないかと」と。実はそのシェフの方は日本の鉄板焼き界では大変著名な方で、鉄板焼き料理を広めようと、レストランの枠を超えて活動されている方なんだそうです。入り口として入ってきてもらうために、心理的に存在する障壁を下げること。これは簡単なことではないと思っています。
そういう意味で、このコンサートシリーズがディズニーとクラシックを融合し、どちらの入り口からも「楽しい」と感じさせているのはとても興味深いです。ディズニー・オン・クラシックはウォルト生誕100周年から始まり、来年でもう15周年を迎えるとのこと。2016年7月には台北公演を行うなど、海外にも進出した“日本発祥”のイベントの一つ。今回は招待という形で公開リハーサルを体験させていただきましたが、食わず嫌いせずに次回はちゃんと行こうと思いました。
いよいよ本日よりツアースタート!皆さまからの「#ディズニーオンクラシック感想」お待ちしております。今年のテーマにちなんだ“あなたの心がとける瞬間”のイラストやお写真もお寄せください!(サイトでご紹介させていただく場合がございます。)https://t.co/JYGECXCOak pic.twitter.com/Z2jVhCN7lN
— ディズニー・オン・クラシック (@onClassicDisney) September 23, 2016