2016年7月末、ディズニー・ディスティネーション・インターナショナルの取材協力という形で、香港ディズニーランドを見てきました。実は10周年は初めてな上に、6月からスタートしたイベント「Star Wars: Tomorrowland Takeover」や、7月にオープンしたばかりのショップ&グリーティング施設「My Journeys with Duffy」なんかも体験できました。その様子はねとらぼに寄稿してますので、まずはこちらをどうぞ!!
香港はスター・ウォーズが占領!?
ジェラトーニやカイロ・レンも登場、10周年の香港ディズニーランドで「ここだけ」を探してきた – ねとらぼ https://t.co/1dXmWD4WGP @itm_nlabから pic.twitter.com/cnyMXCEV4U
— ねとらぼ (@itm_nlab) August 6, 2016
もはや“スター・ウォーズ関連エリア”が目の前に
まず驚いたのは、やはり「ハイパースペースマウンテン」です。
そもそも、香港ディズニーランドに作られたスペースマウンテンは最新版で、リニューアルしたアナハイムの本家スペースマウンテンのほぼ丸々コピー。サウンドシステムが導入された完全版。それをさっくりとアップデートしたのが「ハイパースペースマウンテン」。その根幹のストーリーもエピソード7「フォースの覚醒」に登場する「ジャクー」で、最新のストーリーが導入されています。
で、内容は単に「最初に映像を追加しました」レベルにとどまらず、途中の演出もすごかった! 何より映像がクリアで、同行していたシネマカフェの方いわく「アナハイム版よりもはっきり映像が見える」とのことでした。マジで?! 正直元のアトラクションも体験済みで、それに映像が加わるという情報から、頭の中で想像しているレベルの体験があったわけです。が、実際に体験するとその想像のはるか上を投げつけてきた印象。これはぜひ、体感してください。あっと驚く内容でした。
初日にはガイドツアーさんがしっかり同行してくれていろいろ聞いたところ、このハイパースペースマウンテンおよびトゥモローランド・テイクオーバー自体は「終了日は決まってない」ということでした。それに入り口にあるXウィングなどは仮設という印象が全くなく、見ると分かりますが終わらせる気がないな、と。これから毎年年末にはスター・ウォーズ旋風が巻き起こるわけで、この選択はとてもアリだなと思いました(なお、アナハイムのハイパースペースマウンテンはハロウィーンシーズン前に終了することが明らかになっていますので、香港版が世界唯一になると思われます)。
そして他のイベント。ショー「ジェダイ・トレーニング:トライアル・オブ・ザ・テンプル」。言葉の問題があるので内容は完全に分かっていたわけではないですが、US版の動画を見る限り、この寺院ではパダワンおよびジェダイたちの「恐れ」が具現化するという場所のようで、目の前にダース・ヴェイダーやカイロ・レン(以前はダース・モールだったようです)が登場してもそれは幻のようですね(この手があったか…)。子どもたちと応援する親の姿が大変ほほえましいショーでした。多分これはアイアンマン・エクスペリエンスオープンとともに変わるんじゃないかな、と思いつつ。
トゥモローランドがスター・ウォーズの世界になるというのは世界でもここだけ。そういう意味ではパークを特徴付ける面白いイベントだと思いました。とにかくハイパースペースマウンテンだけはチェックを。
オレの10周年はやっと始まった「Mickey and the Wondrous Book」
もう1つ楽しみにしてたのは、間もなくスタート1年となるステージショー「Mickey and the Wondrous Book」。まあ今さらなにをというお話ではありますが、いわゆる完全テンプレショーのスタイルを、アニバーサリーというパワーで完ぺきに仕上げた、とても豪華なステージでした。テンプレショーの伝統ともいえる「複数の映画の登場人物がそれぞれの持ち歌を歌いながら、最後に1つのメロディに溶け込む」アレが見られたのでもう大満足です。I Wishソングのマリアージュ。最高オブ最高。
さらに、近代ディズニーアニメの金字塔ともいえる「Princess and the Frog」(プリンセスと魔法のキス)のシーンを大胆に取り入れたのはいいですね。これだけで泣ける。近代ものとしては努力するプリンセスの姿が象徴的な作品だけに、こういうステージで映えますね。
そして大注目はやっぱり「レリゴー」。もちろんこのショーでもLet It Goは登場します。が、これ、なんとなくですが最初の草稿にはレリゴーなかったんじゃないかと思うほど「蛇足」で面白かった(無駄とは言いませんが、なくても成立する)。これはいわば「惰性のレリゴー」。これこそが私が最初に感じたレリゴー&イマジニアの苦悩そのもの。上から言われて仕方なく追加された感が満載のレリゴーこそ至高であり至宝。これがスタート地点だったのだよ!!

とかいいながら大号泣したショーでした。同じテンプレショーなのに東京ディズニーリゾートとなぜ評価が変わるのかといったら、それはやっぱり「イマジニアやショーディレクターがどれだけこのショーに入れ込んだか」なわけです。1年だけで終わらせるアニバーサリーショーと、数年続ける覚悟を持ったショーの違いなんじゃないかな。なんとなく。

PANDORA!PANDORA!PANDORA!
そして今回、ねとらぼ記事にPANDORAのネタをぶっ込んでおきました。男性しか見ていないと思われる媒体に!
それは狙い通り。そもそも最初に書いた記事のように、私はこのPANDORAを「男性向けグッズ」とみているから。


そもそもこれ、(ディズニー好きな)本命相手にプレゼントするという目的で、こんなにいいグッズないと思うんですよ。シンプルな、むしろシンプルすぎるブレスレットの基本セットをプレゼントして、あとは一緒に思い出を作ろうといえるもの。しかも東京ディズニーリゾートでやってるようなものに比べると高級感もあり、とても差別化されています(だから東京ディズニーリゾートも早くPANDORAと提携しよう!!)。香港パーク内でも新たなPANDORA提供ショップが登場しただけでなく、パーク内の至る所でPANDORAが販売されていてびっくりしました。
USパークではとうとう“プレゼント向け”に基本セットを売り出すようになりました。確かに男性が選ぶには、とても難しいものだったんでこれはありがたいです。
【1tp】 #ディズニー
マジック・キングダム、およびディズニーランドにて、PANDORAブレスレット/クリップ2つ/ディズニーチャームのセット4種を販売開始。プレゼント向けとして。分かってらっしゃる…。
B! https://t.co/jdbH9O66mj— dpost.jp / ディーポスト・ジェイピー (@dpostjp) July 25, 2016
ちなみに既に私は先のPANDORA記事で1組、ディズニー好きカップルを結婚にまで導きました。撃墜★マーク1つ。おめでとう。ありがとう。
そして新しめのアトラクション「Fairytale Forest」もPANDORA提供。このアトラクションもすごく良かったです。1匹しかパスカルが見つからなかったけどいっぱいいたのかなあ。
「Iron Man Experience」の意義と、香港ディズニーランド・“リゾート”の姿
そして2016年末、新たな流れが香港ディズニーランドだけにやってきます。それはディズニーのテーマパークにおいて初のマーベルコンテンツのアトラクション「Iron Man Experience」です。どうやらこれのオープンに合わせ、香港ディズニーランドはショーやグリーティングも計画しているような話も出てきており、舞浜パークファンよりもマーベルファンのほうがむしろ注目しているという状況かと思います。

まだ外観のみしか見えてない状況ですが、ちょうどいまスター・ウォーズの世界が広がるトゥモローランドが、マーベル・シネマティック・ユニバースにも染まるという。すごく、すごく楽しみです。
さらに気になるのは、第3のホテル「Disney Explorers Lodge」。


外観はかなりできあがってきており、予定されている2017年初頭のオープンは何とかなりそう。年末から来年にかけ、香港ディズニーランドは明るい話題が続くわけです。楽しみであるなあ…。
パークス&リゾーツ部隊の世界戦略が垣間見える場所?
全体的に感じたのは、上海ディズニーランドオープン後のディズニーテーマパークの世界戦略が垣間見えた感があること。
上海ディズニーランドの感想として、「マジック・キングダム型パーク2.0のプロトタイプ」と表現しました。そしてその1.0完成形は、東京ディズニーランドやマジック・キングダム(フロリダの)が相当します。そしてさらにそのプロトタイプだったオリジナルのディズニーランド、そしてそのコピーとして作られた香港ディズニーランドがありました。ここ香港ディズニーランドは当初オリジナルのディズニーランドのサブセット版として形作られながら、ボブ・アイガー政権によって手を加えられ、外周に新たなエリアを加えてリニューアルを遂げています。開園当初は大変厳しい結果でしたが、パークの形としてはいったんの完成を見た印象です(いままたかなり厳しい経営状態にあることは否めませんが、パークの楽しさとはまた別)

そしてここ最近、世界のディズニーテーマパークに大きな転換期が来ている印象があります。その最初の兆候はこちら。

ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャーに作られていたタワー・オブ・テラーが大胆なテーマ変更を行うことが、2016年7月に発表されました。タワー・オブ・テラーは上海、香港をのぞくテーマパークに存在し、元祖のフロリダは別とするとほぼ同じハードウェアのアトラクションがカリフォルニア、舞浜、パリに存在します。これがカリフォルニア版のテーマを変え、全く異なるアトラクションとしてオープンする予定です。
そして上海ディズニーランドオープンに伴い、カリフォルニア、フロリダに存在した「Soarin」が内容を変え、各地でそれぞれオリジナルの映像を追加する形でリニューアルしました。
これを見るに、どうもディズニーのテーマパーク部門は、まったく同じアトラクションでも「地域により特色を出す」——ひいては、その土地オリジナルのものを増やすという戦略に変化しつつあるのかと思っています。舞浜にできる予定の「ソアリン」も、どうやら東京オリジナルのシーンが追加されるようですし。当たり前の話ですが、1.0世代のマジック・キングダム型パークはハードウェア(パークの形状)が簡単に変えられない以上、ソフトウェアで特色を出す必要があるわけです。
そういう意味で、ここ香港の特色の出し方はその戦略変更の最先端を行っている気がしました。それこそが「スター・ウォーズ」であり、「キャラクター」ではないかと思います。
スター・ウォーズ:トゥモローランド・テイクオーバーは上に書いたとおりですが、ご存じの通り香港ディズニーランドは本当にキャラクターグリーティングが充実しており、あのジェラトーニもグリーティングがスタート。キャラクターにあいたければ香港へ、ということが徐々に浸透してくると、そういうファンは世界からここに集まってくるでしょう。香港ディズニーランドはこの特性の出し方が本当にうまいと思います。多分世界一。これはおそらく、ファンの嗜好が運営にかなりのスピードで反映されているということの現れじゃないかと思います。来年はさらにこれに「マーベルファン」が加わるのかと思うと大変興味深いです。
思うに、「ペイント・ザ・ナイト」の導入にせよ、初のマーベルアトラクション導入にせよ、ここ香港ディズニーランドはスケール感からいってもディズニーのパーク部門における「テストベッド」になってる気がします。それだけにとても楽しい試みが多数で、日本から5時間くらいでつくことはとてもありがたいです。
たぶん、心理的に一番近い海外パークである香港ディズニーランド。コンパクトですしご飯もおいしいので、海外旅行をしたことがないという方もお友だちを連れ立って計画してみてはいかがでしょうか。ねとらぼ記事を読んで行きたくなった! と思ってくれる人がいたら本当にうれしいです。ぜひ、どうぞ。
旅行当日の写真はこちら!



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香港はスター・ウォーズが占領!?
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