【新プロジェクト、anchorで地味にスタート】

東京ディズニーリゾート、2016年4月1日よりパスポート価格改定を実施

いくつかの意味で意外でした。

LINK 「東京ディズニーランド®」「東京ディズニーシー®」価格改定について

東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは、2016年4月1日より東京ディズニーリゾートのチケット価格を改定することを発表しました。前回の価格改定は2015年4月1日で、1年ぶりの改定になります。

今回の価格改定幅は大人1デーパスポートにおいては+500円の7400円、2パーク年間パスポートは+7000円の9万3000円になります。なお、スターライトパスポートおよびアフター6パスポートの価格改定はありません。

「東京ディズニーランド」「東京ディズニーシー」チケット価格改定(2016 年 4 月 1 日実施)  (リリースより引用)

「東京ディズニーランド」「東京ディズニーシー」チケット価格改定(2016 年 4 月 1 日実施)  (リリースより引用)

2015年4月1日の価格改定以来、スティッチ・エンカウンターやスター・ツアーズのアップデート、そして来たるべき東京ディズニーシー15周年に向け多くのリニューアル、新規ショーが追加され、ゲストの体験価値向上に努めてきたこと、またそれにより創出されるキャッシュを、ハード、ソフトの両面に投資し、さらなるクオリティ向上を図るとしています。

以上、ファクト部分でした。


以下、個人的な見解です。先日発表された上海ディズニーランドのチケット価格設定や、先日年間パスポートが大幅に値上げされたディズニーランド・リゾートおよびウォルト・ディズニー・ワールドの価格帯を見るに、まず1デーパスポートの価格帯は“格安”とされてきたものが、世界標準に近づいてきたなー、という印象を持っています。

参考 世界一安い日本のディズニーランド、円安でUSJは外国人客急増 | Reuters

念のため、現時点での価格の比較を。東京ディズニーリゾートについては2016年4月1日以降の額です。これを見ると、“都市型テーマパーク”である東京ディズニーリゾートとディズニーランド・リゾートの立ち位置が似ていることが分かるかと思います。

パーク 1デーパス現地価格日本円換算年間パスポート価格日本円換算元を取るには
東京ディズニーリゾート7400円7400円9万3000円(2パーク)9万3000円12回
(参考)ユニバーサル・スタジオ・ジャパン7400円7400円2万8800円(ユニバーサルVIP年間パス)2万8800円4回
ディズニーランド・リゾート99ドル約1万1500円(117.3円換算) 1049ドル(Disney Signature Plus) 約12万3000円11回 
ウォルト・ディズニー・ワールド105ドル(マジックキングダム)約1万2300円(117.3円換算) 829ドル(Disney Platinum Plus)約9万7000円 8回
ディズニーランド・パリ47ユーロ(冬期特別価格)約6100円(130.6円換算) 223ユーロ(Annual Passport Dream)約2万9000円 5回
香港ディズニーランド539香港ドル約8100円(15円換算)2988香港ドル(MA Platinum) 約4万5000円 6回
上海ディズニーランド499元(ピーク時)約8900円(17.8円換算)なし  - -

ディズニーランド・パリのようなてこ入れ中のところは除いて、実は東京ディズニーリゾートの1デーパスポートの価格は世界に比べるとかなり安かった、というのが分かるのではないかと思います(もちろんレートの問題も加味すべきですが)。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンも度重なる値上げを行っており、その水準に合わせたという意味では今回の値上げはほとんどサプライズはないと思います。むしろ遅かったくらいです。

今回の東京ディズニーリゾートチケット価格改定で、個人的に理解ができないのはやはり「年間パスポート」に対するもの。値上げ幅は全くもって順当で、これもサプライズなし。しかし、年間パスポートに対して何ら改革がないということが、個人的にはサプライズです。

現在は一段落してしまっておりますが、東京ディズニーリゾート/オリエンタルランドはそれぞれのパークで大きなリニューアルを計画しており、その工事に伴うキャパシティの減少をどう対処するのかに注目していました。実際、スター・ウォーズ関連エリアの工事がまもなくスタートするディズニーランド・リゾートにおいては、1デーパスはそのまま、しかし年間パスポートをかなり強烈に値上げするという施策が行われたばかりです。

大幅な「値上げ」ウォルト・ディズニー・ワールド/ディズニーランド・リゾートの年間パスポート価格が改定

特に年間パスポートの価格設定や施策はパークにおけるマーケティングの思想が反映されると思っていて、それはユニバーサル・スタジオ・ジャパンの戦略的な年間パス価格を見ても分かるかと思います。ディズニーランド・リゾートにおいては工事に伴うキャパシティ減を、年間パスポートユーザーを減らす?という意図が見て取れます。個人的にはこれと同様のことを東京ディズニーリゾートでもやってくるのかと思いきや、その点は「やらない」という判断をしたと考えられます。

もう1つは、年間パスポートに対してグレードを設定し、ブロックアウトを増やす、という施策もあります。実は上記のディズニーランド・リゾートおよびウォルト・ディズニー・ワールドの年間パスポートは最上級グレードを比較していますが、ホリデーシーズンなどで入園できないグレードの年間パスポートはそこまで大きな値上げになってはいません。なので、東京ディズニーリゾートもさすがにグレード分けをするだろうと思っていました(「2016年10月より日付指定券限定入園日を導入」すると宣言しているので……)。そのため、次の値上げタイミングかと思っていたのに今回も全く変わらないというのは本当に驚きました。

そうなると、多分今後、東京ディズニーリゾートはチケットのグレード改定や新規チケットの設定は「しない」もしくは「できない」のかもしれないなあと思います。よく考えてみるとオリエンタルランドとディズニーとの契約においては、よく言われる「チケット売上のN%がライセンス料として支払われる」というようなものになっており、価格設定を難しくしているのかもなあ、と思いました。

ともあれ、以前の株主総会においても年間パスポートの売上は一定の割合で推移しており無視できないこと、そして最後のチャンス?である今回の値上げにおいても変わらなかったことから、おそらく東京における年間パスポートのあり方は今後もあまり変わらないのだろうなあ、なんて思いました。

それとともに、このタイミングで大きな変化がなかったことは、「財界」2016年1月12日号特集座談会にて、オリエンタルランドの加賀見俊夫氏が話していた「拡張は数年かけて検討」という内容に沿ったものになってるなあとも思います。そういうことですか…。

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