菅官房長官、宜野湾市からの要望でディズニーリゾート運営会社との橋渡しを支援するとコメント(update)

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基地返還後の土地利用について、政府がディズニーリゾートの誘致に(間接的に)支援するとコメントしました。

2015年12月8日、宜野湾市の佐喜眞淳市長が菅官房長官と面会し、アメリカ軍普天間基地の土地返還後の敷地利用に関し、宜野湾市側で「ディズニーリゾートの誘致」を実現するための支援を盛り込んだ要望書を手渡しました。これについて菅官房長官は、午後に開催された記者会見でディズニーリゾートの運営会社と橋渡しをすることを含め、支援するとコメントしました。

現時点で取り上げられているメディア記事、動画をどうぞ。

LINK:官房長官 宜野湾市のディズニー誘致 支援検討 NHKニュース
官房長官 宜野湾市のディズニー誘致 支援検討 NHKニュース

LINK:沖縄にディズニーリゾートを 政府も協力|日テレNEWS24
ディズニーリゾート側は「今後、慎重に検討を行う」としている。

LINK:官房長官、宜野湾市へのディズニー誘致「OLCに要望橋渡ししたい」  :日本経済新聞
官房長官、宜野湾市へのディズニー誘致「OLCに要望橋渡ししたい」  :日本経済新聞

菅官房長官の記者会見は動画そのものが配信されています。

LINK:平成27年12月8日(火)午後-内閣官房長官記者会見 – 政府インターネットテレビ
平成27年12月8日(火)午後-内閣官房長官記者会見 – 政府インターネットテレビ

これをよく聞くと分かるのですが、菅官房長官は「ディズニーのリゾート」「この経営をしている会社」という表現で、オリエンタルランド社の名前を直接出していません。

宜野湾から非常に強い要請があります。その中で返還された跡地にぜひディズニーのリゾートを誘致実現をしたいと、そういう要請、かねてよりありまして、この経営をしている会社に対して、宜野湾の強い要望というものを、まあ橋渡しをする。それについては全面的に支援する

これが引っかかったので、もしや米ディズニーのことを指しているのではとも思ったのですが、上記日テレNEWS24がオリエンタルランドから「ディズニーリゾート側は「今後、慎重に検討を行う」としている」というコメントを取っており、逆にびっくりしました。この部分はオリエンタルランド側の正式なコメントを待ちたいと思っています。(→uptade:追記参照)


なお、オリエンタルランド側の現在出ている見解としておさえておきたいのは、まず2014年に発表された「2023ありたい姿」です。ここでは、舞浜エリア外での新たな事業を立ち上げることが掲げられています、

【2023 ありたい姿】
舞浜エリア外での新たな成長の柱となる事業を確立している
【方針】
事業領域を「今までに無い新しい価値・体験」を通じて、「夢、感動、喜び、やすらぎ」を提供できる事業とし、舞浜エリア外での新たな成長に向けた投資を実行してまいります。これにより、2023 年には新規事業の規模が 1 セグメントレベルとなることを目指してまいります。

2014年4月28日、オリエンタルランド社は2014年度からの3カ年の経営方針を決める「2016中期経営計画」を発表しました。ここには10年...

この「舞浜エリア外での事業」については、2014年時点では下記のような質疑応答があります。これを読むと、舞浜エリア外にはテーマパークは作らないが、ホテル経営はあり得るかもという内容で、当時から興味を持っていたコメントでした。

Q8) 舞浜エリア外における新規事業の中には、テーマパーク及びホテルも含まれるか教えて欲しい。
A8) 本中期経営計画期間においては、事業領域を「レジャー・エンターテイメント・教育事業等」としている。テーマパークについては、マーケットや事業性が認められるならば考え得るが、現時点で行う考えはないホテル事業はレジャーに位置づけられると考えている。

Q9) 新規事業について米国ディズニー社と組む可能性はあるか教えて欲しい。
A9) 当社の理念と合致するものがあれば、ディズニー社と組んで行う可能性はある。もちろん、当社独自の新規事業も検討していく。
2014 年 3 月期決算・2016 中期経営計画説明会 質疑応答より(強調は筆者)

いまのところ、これを覆すようなコメントは出ていませんので、もし今回の話が実現に向かうとしても、これを大きく変える内容になるとはあまり思えません。現在のところ、オリエンタルランドはファンタジーランドの再開発、および北欧をテーマとした新エリアの開発があるため、新パークを作ることはリソース的にもキャッシュフロー的にも無理でしょう。

update: 2016年4月27日、新たな開発概要が発表されました。 正式な発表がありました。

ここからは筆者の想像でしかありませんが、この状況でオリエンタルランド、米ディズニー、宜野湾(政府)がそれぞれプラスになるようなものとなると、米ディズニーが個別ライセンスを与えた上でオリエンタルランドが運営する、宜野湾をベースにしたリゾートホテル開発(要するに日本版アウラニで非DVC物件)くらいでしょうか。そうだとするととても面白いことになりそうですね。ジョー・ロード氏がスター・ウォーズエリアをすっ飛ばして沖縄入りしてきたら超面白い。ウォッチしよ。

追記:2015年12月9日

朝日新聞の記事に正確なコメントがありました。

LINK:「沖縄・宜野湾にディズニー誘致を」政府が協力を約束:朝日新聞デジタル
佐喜真氏や政府高官によると、東京ディズニーランドなどを運営するオリエンタルランドも前向きで、現地で市場調査をし、ホテル型リゾート施設を検討する方向だという。佐喜真氏は記者団に「ディズニーは夢や平和の象徴だ。基地問題だけではなく、明るいニュースになる」と語った。

 オリエンタルランドによると、今月2日、島尻安伊子沖縄・北方担当相と佐喜真氏が同社の会長と社長に対し、直接、実現を求めたという。同社は「検討中だ」(広報)としている。

朝日新聞記事によると、いくつかの記事にあった前向きに検討というのはあくまで「佐喜真氏や政府高官によると」というコメントで、オリエンタルランド広報からの正式なコメントはやはり「検討中」という表現にとどまっているようです。この段階のコメントとしてはやはり明言はないと思っていたので妥当。現時点でIR資料は出ていません。

これを見ても分かるように、意外と大手新聞社の記事もコメント主体がぼやけてたりして、信頼できない部分が多いです。個人的に上記の記事群で信頼できるのは会見の動画くらいかなあ。

その後、オリエンタルランドから正式なコメントが出ました。

LINK:お知らせ一覧 | オリエンタルランドグループ
宜野湾市からの要請に関する報道について 
平成 27 年 12 月 8 日から 9 日にかけ、宜野湾市からの要請に関する報道がされておりますが、
本件は当社として今後慎重に検討を行っていくものであり、現時点で対応方針など決定している
事実は一切ありません。


ということで、慎重に検討するというコメントであり、否定的なニュアンスがない、と読み取れます(OLCの否定リリースの文面例は上海ディズニーランドへの参画に対してのコメントを参照すると分かります。「打診した事実」自体を否定しているか、「現時点で対応方針など決定している事実」を否定しているかの違いで、今回の内容は宜野湾市からの要請があり、それをオリエンタルランドが検討していることまでは肯定しています)。