うーむ、確かにそう言ってるね……。
Pixar PlanetのUpcoming Pixarにて、興味深い記事が公開されています。これはピクサー作品によく音楽家として参加しているランディ・ニューマンのインタビューについてで、そのなかでほんのちょっと触れたひと言が大変なキーワードでした。
Classic FMが行ったインタビューは下記のページにsoundcloudとして貼り付けられています。
その中で、ランディ・ニューマンは、まだ公開日が決定していないリー・アンクリッチによる「死者の日」をテーマにした映画(The Untitled Pixar Movie That about Dia de los Muertosと呼ばれていたもの)が「(リー・アンクリッチは)私と仕事していない。いま彼はミュージカルを作っている」とコメントしています。
死者の日をテーマにした作品はまだ監督とそのテーマしかオープンになっておらず、当初は2016年ごろ公開とされていたものの、他の作品がずれたことで現在ではまだ公開日すら決定していません。ちなみに死者の日/Dia de los Muertosとはメキシコのお祭りで、東京ディズニーシーにおけるロストリバー・デルタのハロウィーンは、このメキシコの死者の日をベースに作られています。なので舞浜によく行く人たちにとっては親しみやすいはず。
そしてこの作品がミュージカルになるということは、ピクサー作品としては初の試み。以前どこかで読んで出典が分からず私自身も探しているのですが、記憶に間違いがなければピクサーは「ミュージカルが嫌い」(スミマセン、これを確認する出典などをご存じの方は教えてください。絶対になにかで読んだはずなのだけれど→追記参照)。ミュージカルが嫌いなことはトイ・ストーリー2のとってつけたようなラストとか、モンスターズ・インクの劇中劇「Put That Thing Back Where It Came From Or So Help Me」の、ミュージカルの茶化し方をみても分かります。それがここに来てミュージカルの可能性が出てくると、それはそれでおもしろいことになると思います。
ミュージカルに距離を置いていたピクサーが作るミュージカル、これは本当に楽しみです。もし本当だったらね。
追記:2015年2月20日
タレコミいただきました。ありがたいなあ。
アンドリュー・スタントンによる2012年のTED「すばらしい物語を創る方法」にて、下記のようなコメントがありました。翻訳テキストを引用します。
10:40
ピクサー創業当時は 物語に隠されたしかけを 掴んでいなかったので 本能や感じるままに何でも 試している ただの集団でした こうした挑戦が 結構いい線までたどりつくまでの 道のりを辿るのは面白いです 1993年当時のことを 思い起こしてください 成功したアニメ映画といえば 「リトルマーメイド」や 「美女と野獣」だったり 「アラジン」や「ライオンキング」 と考えられていた あの時代です 「トイストーリー」への出演依頼を トム・ハンクスに最初にした時 やってきた彼が開口一番 「歌えって言うんじゃないよね?」 これは その当時 みんなが アニメをどう思っていたか 正に象徴するひと言だと思いました しかし アニメでこれまでとは 全く違う方法で物語が伝えられることを 証明したかったのです11:24
この頃の我々には影響力がなかったので 密かに持っていた 私たちだけのルールがありました そのルールとは 歌を入れない 願い事のシーンを入れない 幸せな村を入れない ラブ・ストーリーを入れない でした 皮肉なことに 最初の年の 物語は上手くいっていませんでした ディズニー社はパニック状態でした そして 誰かは言いませんが ディズニーは有名な作詞家から 内々に助言を受け 改善案がファックスされました そのファックスを私たちも入手して 見てみると そこに書かれていたのは 歌を入れないと駄目 願い事の歌を入れないと駄目 幸せな村の歌を入れないと駄目 ラブストーリーを入れて 悪役もいないと駄目ですよ 幸いに 私たちは 当時 まだ青く 反抗的で 人と反対のことをしたいと— 思っていたので もっと良い作品が 作れると証明しようと よけいに団結と決心を固めたのでした 1年後に 勝利が訪れました この成功によって 物語の伝え方には 決められたルールはなく 方向性があるだけだと証明しました
となると、おそらくこの辺のマインドがもとになり、尾ひれが付いて「ミュージカルが嫌い」という情報になったんだろうなと推察。間違いではないけどニュアンスが違ってました。