マーティ・スクラー「ディズニー 夢の王国を作る」を読んだ

シェアする

結論からいうと「読め」で終わりです。

2013年8月に発売されていた、「Dream It! Do It!: My Half-Century Creating Disney’s M...

元イマジニアのマーティ・スクラー(Marty Sklar)氏の著書、「Dream It! Do It!: My Half-Century Creating Disney’s Magic Kingdoms」の邦訳版「ディズニー 夢の王国を作る」を読みました。同氏の54年というキャリアを、主観、客観含めた視点からつづる、大変貴重な本でした。

マーティ・スクラー氏というとイマジニアの長、という知識しかありませんでしたが、彼は元々広報、とりわけライターとしてのキャリアからスタートしていた、というのはあまり認識していませんでした。冒頭に出てくるマーティ・スクラー氏が書いたという文章や表現がことごとく知っているもの、しかも「ウォルトの言葉」「ロイの言葉」として知っていたものが実は彼によるものだった、というのがとても新鮮な驚きでした(もちろん、ウォルトの美言、名言のほとんどはスクリプトライターによるものだろうなあ、と思っていたものの、まさかマーティ・スクラー氏によるものだったとは、という意味)。

Marty Sklarをたたえるウィンドウ。「id somniate id facite」は、Dream It, Do Itの意味

Marty Sklarをたたえるウィンドウ。「id somniate id facite」は、Dream It, Do Itの意味

ウォルト本(ウォルト・ディズニー 創造と冒険の生涯)、ロイ本(ディズニー伝説)はボブ・トマス氏がまとめたものであるためかなり中立的な立ち位置で書かれていましたが、このマーティ・スクラー本はかなりの主観(ただし、書籍からの引用が多くその点では中立)。それだけに非常に面白いです。特にウォルト、ロイ亡き後、ウォルト派、ロイ派の派閥争いが発生したことを生々しく表現していて、これは彼にしか書けないと思いました。特に、東京ディズニーランド建設に大きく貢献したディック・ヌニスに関しては、相当辛辣に書かれていてびっくりしました。この本を読んで一番印象が変わっちゃった人。

そして話は派閥争いの暗黒期から、アイズナー政権全盛期(リトル・マーメイドから始まる新たなディズニー・ルネッサンス期)へ。いまのアイガーがディズニーを率いる直前のゴタゴタで、もしかしたらアイズナーはダメなCEO、という印象を持っている人がいるかもしれませんが、この本を読むと彼の功績が分かります。彼の右腕、フランク・ウェルズが事故死していなければ、今とは違うディズニーができていたのかもしれないと思うと残念です。

この本は広報宣伝、そして資料製作がディズニー社内外にどれだけ影響を与えるかを、当事者の視点で伝える大変素晴らしい本です。この本を読むと、なぜライターがイマジニアになるのかが理解できます。ウォルトの思想をどう社内でシェアしていくか、どの言葉を選ぶべきか。この本はディズニーに関連する企業のメンバーであれば、読んで損はないでしょう。

必読です。

 わ、これ新装版出るんだ! ディズニー7つの法則 新装版posted with カエレバトム・コネラン 日経BP社 2014-04-03 ...