【途中までネタバレなし】 #キャプテン・アメリカ /ウィンター・ソルジャーを見てきた(update)

スタジオ/カンパニー(〜2020年5月)マーベル・スタジオ

 マーベル・シネマティック・ユニバース、新章の幕開けはこの作品なのかもしれない。

 ディズニー・スタジオのTwitterアカウントで、先着20名に試写会招待がありまして、その枠で一足先に見ることができました。いままでいろいろと苦言を呈してきましたが寄らば大樹の陰です(おい)。ありがとうディズニー・スタジオ。

 結論から言うと「見逃すな」のひと言。マーベル・シネマティック・ユニバース作品を見続けてきた人にとってはもうありがとうの気持ちしか出てこない作品でした。

 ネタバレのないように言いますと、アベンジャーズ以降のS.H.I.E.L.D.のお話で、今回かなり話が“動き”ます。アベンジャーズ2(Age of Ultron)まではあと1作、「Guardians of the Galaxy」を残すのみとなっており、その新作は舞台が地球を越えたところにあるわけなんですが(ソーもだけど)、いまだ謎に包まれたアベンジャーズ続編がどの方向に寄せるのか、この作品がとても重要な位置を占めています。

 主人公はご存じキャプテン・アメリカ=スティーブ・ロジャースで、これまで登場してきたニック・フューリー、ナターシャ・ロマノフ(ブラック・ウィドウ)が話の中心。今回から登場するサイドキック、ファルコンと敵役ウィンター・ソルジャーなど、とても魅力的なスタッフで作られています。そしてスタン・リー御大。

 そもそもこのウィンター・ソルジャー、いったい誰なのかっていうことはアメリカにおいてはほぼ既知のお話で、本作のストーリーについてもそれを前提にするとだいたいの道筋は見えたりします。が、その期待を裏切ることなく、軽々と超えてくる感がとってもすごかったです。「お前らこうくると思ってたろ?それは間違いじゃないんだけど、こう」的な作りはさすが。監督の力なのかもしれません。今回の監督はすでにキャプテン・アメリカ3でも続投が決定しているので、本気で今後(アベンジャーズ2以降の第3期)が楽しみです。

 ということで、アベンジャーズから入った人も、キャプテン・アメリカ前作を見ておいた方がいいと思います。前作を見てない人向けにちゃんと作られているのですが、見ていた方がより楽しめます。「え、そこ引っ張ってくるの!?」っていう驚きは、これまでの作品を見続けていた人のみが感じられるはず。ディズニーは男の子向けのクソ熱い展開をこれまで「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズでやってきました(主に2の最後の男塾的展開)が、それが完全にマーベルに移ってしまったなあ、という印象。パイレーツ・オブ・カリビアンは5作目作って居場所あるのかしら…と余計な心配するほどでした。以前「2014年については全体的に「停滞」という言葉が合うのではないかと思っています」なんて書いてすみません。アナと雪の女王、ウォルト・ディズニーの約束、そして今作と立て続けにとんでもないものを見たなあ、という感想です(弁解するとアナと雪の女王とウォルト・ディズニーの約束は厳密には2013年の映画だから……)。

 あと個人的には、日本で大人気だったロキ様以上にウィンター・ソルジャー人気が高まりそうでこわいです。薄い本的に。

 さて、ネタバレですよ(主にスタッフロール前の意味深なシーンについて)。











 知りたいことは大体ここに書いてあります。

 今回最大の驚きはやはりいつものスタッフロール前のほうのシーン。

 実はAge of Ultronのアートが公開されたとき、今回双子が出てくるのかはわかっていました(wikipediaにネタバレ書かれてた……)。しかし、問題はその登場の仕方。もともとスカーレット・ウィッチとクイックシルバーはX-MENの世界、ミュータントとして登場します。そもそもいま20世紀フォックスで展開しているX-MENの世界は、「突然変異によって超人的能力を持って生まれたミュータント」が主人公になっています。その世界のスカーレット・ウィッチとクイックシルバーの双子は、X-MENに出てくるマグニートーの息子、娘という設定です。

 が、今回、ディズニー側のマーベル・シネマティック・ユニバースでは、ロキが持っていた杖により強制的に能力を発現させられた双子として描かれています。つまり、これは「X-MEN世界とは別」と言うことになります。マジで!?

 個人的には20世紀フォックスとは何とか提携して、共通世界のアベンジャーズを作り出すのではと思っていましたが、そのセンがなくなりそうだということに驚愕しました。しかも少なくとも直近のヴィランズ組織が、まさかのヒドラとは。ああ、これまでの映画追っててよかった!

 そして上記記事によると、途中で尋問したJasper Sitwellが発した人名がどうやら「ドクター・ストレンジ」につながるものだったようです(Twitterで今回の試写会参加した人のコメント見たら、字幕には反映されていなかった模様)。そこには気付けなかった……。とにかく、今後のマーベル・シネマティック・ユニバースは本当に目が離せません。そしてそろそろ「まだレールに乗ってない人たち」への救済策がどうなるのかも心配になってきました。まーアベンジャーズが大丈夫だったから、脚本で調整するのかなあ。それはそれでスゴイ力。

 あともうひとつ気になる話。

 クリス・エヴァンスは現在マーベルと6本の出演契約を結んでいて、キャプテン・アメリカ、アベンジャーズ、ウィンター・ソルジャー、アベンジャーズ2、キャプテン・アメリカ3とあと1本出るはずです。(マイティ・ソー2にもチョイ役で出てましたがさすがにこれはカウントしないだろう…。)

 そしてもう1人の重要人物、セバスチャン・スタン。この方はなんと9作品の契約を結んだと言われています。

 この2つを考えると、キャプテン・アメリカのコミックに基づく、ある超重要な出来事が実際に映画化されそうだなあと…。下手するとアベンジャーズ2のエンディングでやるんじゃないだろうかとも思ってます。そうするとアイアンマン4とかソー3じゃなく、なぜキャプテン・アメリカだけ3の制作がいま発表されたかというところもつじつまが合います。アベンジャーズ2でキャップがアレだったのに3やるの!?っていう驚きを与えたかったんじゃないだろうか、とか。

追記:2014年4月20日

 2D字幕版を見てきました。今回の映画はIMAX版/3Dは意味がある。特にシーン内の配置まで変更されていた(と思った)、ヘリキャリアからキャップが落ちるストップモーションシーンだけでも3D版を見る意味があります。あと最初のメタルギアソリッドっぽい侵入シーンも3D版(というかIMAX版)素晴らしかったなー。

 そしてさまざまなヒントが隠れていました。

 私は上記、映画を見終わったあとにチェックしたのですが、後半、ヘリキャリアがターゲットをセットするシーンで確かにアベンジャーズマンション(スタークタワー)が入っていました。あとは上記のウインターソルジャー周りで、高速道路での対決シーンでキャップの盾を象徴的に付けてみせるシーンがあったり、特に3D版では印象的なスタッフロールではウィンターソルジャーの影が星条旗になっているなど、ああこれは既定路線!と思える絵がありました。

 さらにはラストでのラムロウが生存していたシーン(おそらく今後のヴィランズ、クロスボーンとなる?)や、なぜかマリア・ヒルがスタークインダストリーに就職?するシーン、そしてエージェント13=シャロン=シャロン・カーターがなぜか「CIA」の服を着て射撃訓練するシーンなど、実は最後の5分の情報量が異常。これらが全部、今後のキャプテン・アメリカシリーズにて回収されるのかと思うと胸が熱くなります。雄っぱいのことではなく(余談ですが中国語圏のカップリング用語が盾冬とか冬盾になってるというのを見てスゴイと思いました)。

 あとはクイックシルバーとスカーレット・ウィッチ。下記記事でも書きましたが完全に映画のX-MENバース(アース10005)とマーベル・シネマティック・ユニバース(アース199999)とは別世界なんだなあ、と納得。