ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン「ディズニーMovieNEX」を発表 第1弾は「モンスターズ・ユニバーシティ」(update)

ディズニー(2013年以前の記事)

ディズニーのブルーレイ、およびDVDなどのパッケージ新戦略が発表されています。

9月25日、ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンはブルーレイなどのパッケージを刷新した「ディズニーMovieNEX」を発表しました。第1弾として11月20日に「モンスターズ・ユニバーシティ」が発売されます。

このディズニーMovieNEXですが、簡単に言うといままでのブルーレイ/DVDコンボパックに加え、デジタルコピー権(Google Playでのダウンロードおよびドワンゴのストリーミングが含まれます)、そして購入者限定のWebサイトコンテンツをセットにしたパッケージを指します。これに加え、リアル店舗(ディズニーストアなど)との連動やゲームコンテンツ連動など、単なるパッケージを超えた仕組みを作り出しています。

従来ですとデジタルコピーは専用のディスクが用意されていましたが、先日のオズ:はじめての戦いのリリースからデジタルコピー用ディスクがなくなり、アイアンマン3からはデジタルコピー対応フォーマットにGoogle Playが追加されたばかりでした。今回のディズニーMovieNEXではiPhone、iPadに加えAndroidも対応となっています(現時点ではiTunes Storeからのダウンロードには対応せず、iOSはストリーミングのみ)。今後のディズニーからの映画ソフトのリリースは、新作映画を中心にこの形式が増えるようです。

第1弾として、モンスターズ・ユニバーシティ以外にも「トイ・ストーリー MovieNEX」「トイ・ストーリー2 MovieNEX」「トイ・ストーリー3 MovieNEX」「モンスターズ・インク MovieNEX」「ミッキーのクリスマス・キャロル 30th Anniversary Edition MovieNEX」が11月20日に同時発売、また第2弾として「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち MovieNEX」「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト MovieNEX」「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド MovieNEX」「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉 MovieNEX」が12月18日にリリースされる予定です。

第一弾のモンスターズ・ユニバーシティでは、短編「ブルー・アンブレラ」はもちろん、プロモーションで公開された大学の紹介動画やCM集、ジョン・ラセターのインタビューなどが含まれます。MovieNEXでは3D版は含まれませんが、購入後アクセスできるMovieNEXワールドで2000円(送料込み)で購入が可能となります。また、オンライン専売のコンプリート・ボックス(1000セット/1万5000円)はブルーレイ3D、および「ジ・アート・オブ・モンスターズ・ユニバーシティ」、オリジナルビーンプラッシュやスケアラーズカードをパックにして販売します。

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ちょっと気になる情報としては、ミッキーマウス初のHDリリースとなる「ミッキーのクリスマス・キャロル 30th Anniversary Edition MovieNEX」には「お静かに」「ドナルドのアイス・ホッケー」「プルートのクリスマス・ツリー」「グーフィーのスキー教室」「リスの雪かき」が収録されます(「お静かに」は最新ミッキーカートゥーンシリーズの作品と思われます)。

また、専用のWebサイトでは「ミッキーのマジカル・クリスマス/雪の日のゆかいなパーティ」やグーフィーの最新短編「グーフィーのホームシアター」が見られたり、クリスマスソングCD「ディズニー ファミリー・クリスマス」から2曲が試聴可能など、Webでも特別なコンテンツが楽しめるのが特徴です。

なお、本発表についてはBusiness Media 誠の記事としても公開予定です。公開次第アップデートします。


以下、感想です。

今回のキモは1回買うと永続的にそのコンテンツの所有権を得られるというもので、これは海外のディズニーでもきっちり対応できなかった部分(keychestなどで実現に至っていない)で、日本のディズニーがサービスとしてまとめ上げたという点はものすごく大きなポイントです。ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンはいままで日本の販社程度なのかと思っていたら、びっくりするような仕組みを出してきたなあと言うのが率直な感想(その現れが日本独自で本国ファンからも絶賛されている「アナと雪の女王」予告などにでていますね)。そしてその裏には「コンテンツを値下げしない」という意図もあり、半年するとDVD単品が安く販売されるといった手法はもう取らないそうです。これは2013年4月に開催されたときに発せられた、ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンのエグゼクティブ・ディレクターの山内康祐氏コメントにも通じるものがあります。

LINK:ディズニージャパンが「IN-HOME CONVENTION 2013 SPRING」開催 2013年Blu-rayラインナップ発表 | dpost.jp 今回の発言で興味深いのは、エグゼクティブ・ディレクターの山内康祐氏のコメント。

我々は、マーベル作品を1つもリリースしていない時から、マーベルのキャンペーンなどを実施してきた。ディズニーやジブリのブランドを、“何枚で何千円”という感じで売っていただきたくない
これは戦略としてアリでしょうね。ぜひ、1日も早く日本版マーベルシネマティックユニバース第1期ボックスをですね…。 

気になる点としては「既発売作品はどうなるのか」「映画以外の作品はどうなるのか」なのですが、こちらについては別途インタビューをしてきましたので、Business Media 誠に寄稿する予定です。ひと言だけいうと、おおむね安心していいんじゃないかな、という感触でした。

追記

こちら2本、公開されました。塚越氏とのインタビューは本当に貴重な体験でした。書けない部分もありましたが、おおむね日本のファンを大事にしていることがわかりましたので安心しました。