すでに公演も終了したので、ネタバレありのレビューです。
東京ディズニーランドホテルにて8月中旬に開催されていた、ディズニー・ダイニング・ウィズ・ザ・センスに参加してきました。これは目隠しをした状態で、映画「美女と野獣」の世界観に併せたディナーを楽しむという、ちょっと変わったプログラム。追加公演も行われるほどの人気で、なかなか楽しいイベントでした。
目隠しでディナーを楽しむ「ディズニー・ダイニング・ウィズ・ザ・センス」を体験。なかなか面白い試みでした。「想像力」というキーワードでみると実にディズニーらしい内容。謎解きといいホテルは積極的だなあ。来年もシリーズ化を希望。 http://t.co/D3L52l8mEB
— dpost.jp / ディーポスト・ジェイピー (@dpostjp) August 18, 2013
メニューについては、コンフェティにおまかせしちゃいます。どれも趣向を凝らしていて、目で見える状態では体験できない味を体験した気がします。気が付くとワインの味が変わってるとかはなかなかいい演出でしたね。
このイベント、目隠しをしてどう楽しむのかがポイントだったのですが、一人一人にキャストがついて手を取りながら座席に着席し、その後はテーブルに置かれたワインや食器を手探りで探しながら楽しむというもので、これ自体がエンターテイメントとして非常に楽しいものでした。スプーンなどを使って食べるものもあれば、持ちやすくスプーンの上に盛られているなどとても工夫されたもの。いったいどんな形なのか、考えながら食べるというのは面白い体験でした。
ダイニング・ウィズ・ザ・センスに来ました。 Photo by mtakeshidpostjp
これ以降写真完全不可。面白美味しかった! Photo by mtakeshidpostjp
さて、このイベント、おそらくですが評価は分かれると思います。このイベントが想像以上のものだ、という方も多いと思いますが、実は私はそこまでの驚きはありませんでした。もちろん、大きなスピーカーをきっちり置いて音場を含めた設計を行っていたり、この日のためにキャストを教育して、本当に特別なオペレーションにもかかわらずきっちりとこなすあたりは実に「ディズニー」であり、東京ディズニーリゾートのホテル部門のすばらしさは何も文句なし。これは本当にすごかった。
なぜ驚きがなかったのかというと、やはり同種のエンターテイメント「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」を体験済みかそうでないかでかなり印象が変わるからです。
ダイアログ・イン・ザ・ダークは現在外苑前で開催の常設イベントで、約90分間、真っ暗闇を体験するというもの。こちらは目隠しではなく、完全な「闇」です。その中を、視覚障害者のアテンドが案内してくれます。ここでは視覚障害を持つ方が健常者のように振る舞い、健常者は1つ能力を失います。そこで発生するできごとは、人生観が変わるほどでした。
今回、東京ディズニーランドホテルで開催の「ディズニー・ダイニング・ウィズ・ザ・センス」はあくまでメインが食事であるので、この2つのエンターテイメントを直接比較するのはあまり適切ではありません。しかし、暗やみでコミュニケーションの意味を再定義する「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」ほどの衝撃はなかったなあ、というのがまず最初に感想として出てきてしまいました。
なので、もし今回のイベントを楽しいと思った方は、外苑前で行われている「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」もぜひ体験してほしいと思います。
とはいえ……。日本においてディズニーといえば、キャラクターやショーを指すというイメージの中、舞浜の地でここまでディズニーっぽくないイベントを企画し、それを実現しているディズニーホテル(正確にはミリアルリゾートホテル社)はすばらしいと思います。以前紹介した謎解きプログラムもホテルの魅力をさらに知ってもらうために、SCRAPと共同で企画したと言いますが、世界のリゾートにおいてここまで特異なことをし続けるのは、OLCグループ内においても突出した出来で本当にすばらしいです。また次回、このイベントの続きや「ヘンな」イベントがあればぜひ参加したいと思います。