東京ディズニーリゾート初の公式エピソード集「30年のハピネス」9月4日発売

ディズニー(2013年以前の記事)

オリエンタルランドよりリリースが届きました。ゲストとキャストが東京ディズニーリゾートで体験した“ハピネス”あふれるエピソードを集めた「公式の」エピソード集です

2013年9月4日に、講談社より全国書店、およびパーク内にて「30年のハピネス」が発売開始となりました。これは全国のゲストから寄せられた600通、キャスト150通の中から87のエピソードを掲載した、パークの内外で起きたハピネスをまとめた本。いわゆる「感動本」の、オリエンタルランド/東京ディズニーリゾート版です。

プレスリリースに掲載されているエピソードを、ちょっと長めですが引用します。

第 2 章 MAGIC より「幸せの魔法」 (茨城県・名和 希さん)

妊娠 5 か月めで体調が安定してきたころ、夫と東京ディズニーシーへ行きました。
お昼ごはん食べようと「レストラン櫻」に入店した時、案内係のキャストの方が、私がバッグにつけていたマタニティーマークを見て一言。
「3 名様でご来店ですね」 「え!?」と、夫と私は顔を見合わせましたが、すぐにその意味に気づきました。
私たち 2 人と、お腹の赤ちゃん。 「そうか、私たちは 3 人で来ていたんだね」
そう思うと、なんとも言えない幸福感が湧き上がってきて、私の胸を締めつけました。キャストの方の一言が、私たちに幸せの魔法をかけてくれたのです。
その日 1 日、今まで感じたことのないようなほっこりとした幸せに包まれて、パークを楽しむことができました。

第 4 章 LOVE より「花火の直前にプロポーズ!」 (東京都・赤樫陽一さん)

今から 20 年前、大学の 3 年生だった私は、1993 年の 10 月 25 日に、東京ディズニーランドで彼女に告白しました。
花火を見た直後、余韻に浸っているときに告白をして、つきあうことになったのです。この日、私たちは駅に向かう帰り道で、初めて手をつなぎました。
それから 4 年後の 1997 年。
同じ 10 月 25 日に東京ディズニーランドでプロポーズしよう―私はそう決めていました。『プロポーズのタイミングは、花火が打ち上がる前!』
ずっと前から決意していたのに、いざ花火の時間が目前に迫ってくると、緊張のあまり体が固くなり、心臓が早鐘を打ちだしました。
私たちの周囲には、花火を見るために集まってきた、たくさんのゲストがいます。こんな状況でプロポーズをするのは無理だろうと、断念しかけていました。 けれど、彼女がレストルームに行っているあいだ、私は駄目もとでキャストの方にきいたので
す。 「花火がよく見える、人のあまりいない場所はありますか?」
「ゲストのみなさんが集まっているところが、花火がよく見える場所です」 キャストの返答は、予想どおりのものでした。それでも諦めきれず、さらに問いかけました。 「今日、プロポーズするんです。どうしても人のいない場所で見たいので……」
必死の思いで話す私。 キャストは「わかりました。ここはどうでしょう?」と、
地図のある場所を指し示しました。 レストルームから戻った彼女とその場所に行ってみると、
本当にあまり人がいない! 『こんなにゲストがいないところで花火は見えるのだろう
か』と思いつつも、花火のスタート直前に私はプロポーズしました。
結果は、「OK」!
その返答をもらった瞬間、周囲から大歓声が沸きあがりました。
目の前に大輪の花火が上がったのです!
まるで私たちを祝福してくれているかのようでした。

写真はイメージです (c)Disney

写真はイメージです (c)Disney

その帰り道です。 偶然にも、花火の場所を教えてくれたキャストの方を見かけました。私に気づいたキャストが指で「OK?」と聞いてきたので、「OK」と答えたのです。 すると、キャストは音を立てずに拍手してくれました。
披露宴でこのエピソードを話したときは、会場が拍手に包まれました。 そして数年後、子どもたちにも教えてあげました。私たち家族にとって東京ディズニーリゾートは、“ハピネス”をシェアできる、かけがえのない場所です。

第 7 章 CAST より「あなたの声、ちゃんと聞こえたわ」 (フードオペレーション部)

「大丈夫、あなたの声、ちゃんと聞こえたわ」
私はこの言葉に支えられています。

キャストになって 1 年目の冬、入店制限中のレストランで、私は初めてゲストが並ぶ列の先頭に立ちました。
このポジションの役割は、店内のゲストの人数をコントロールすること。さらに、待っているゲストの方に、レストランのシステムやメニューなどをお知らせしなければなりません。
この重要な役目は、いつも先輩のキャストが担っていたので、私には無縁のことと思いこんでいました。ところが、突然、割り当てられたのです。
練習はしたことがあるものの、いざその場に立ってみると、緊張して足が震え、舌が回らず、頭の中がまっ白に!
寒いなか待ってくださっているゲストのために精一杯の案内をしたいのに、気持ちばかりが先走って、声がついていきませんでした。
「お姉さん、がんばってー!」 つっかえつっかえ案内する私に向かって、列に並んでいたゲストが応援してくれました。嬉しさと恥ずかしさで、オロオロしてしまった私。そんな私を見かねてか、少し腰の曲がったおばあさんが私の前にいらして、声をかけてくれたのです。
「大丈夫、あなたの声、ちゃんと聞こえたわ。 ありがとう」
そのおばあさんの言葉で、一気に肩の力が抜けました。

写真はイメージです (c)Disney

写真はイメージです (c)Disney

ホッと息をついたとたん、ふつふつと気力が湧いてきたのです。『もっとがんばりたい!』と。
私の初めての案内は、目指していた“よどみな い発声”からは、ほど遠いものでした。それでも、『伝えたい!』という気持ちを、しっかりゲストが受け止めてくれたのです。

このとき、私は何よりも大切なことに気づきました。それは、“言葉に気持ちをこめること”。
キャストになって 5 年経ちましたが、今でもおばあさんの言葉を思い出すたび、やる気が湧いてきます。

この手の感動本はさまざまなところから出ていますが、今回はオリエンタルランド/東京ディズニーリゾートがまとめたということで、おそらく本当のものだけが集められているのでしょう(参考:最後のパレード問題→「決してうそではないけど、全部本当かどうかは分からない」 | dpost.jp)その点ではとても意義のある本じゃないかと思います。個人的には世間で言われている美談のどれが本当で、なにが掲載されていないのかが気になります。うがった見方で大変恐縮ですが…。