遅ればせながら見てきました。
「ゴールデンホースシュー・レビュー」というショーがありました。本家ディズニーランドがオープンした1955年から、1986年まで開催されていた伝統のあるショーで、ディズニーランドの歴史の1つと言えるものです。ペコス・ビルをウォーリー・ボーグが、スルーフット・スーをベティ・テイラーが演じ、ディズニーランドのノスタルジーの一部としてアメリカのディズニーファンに愛されたショーでした。その後、2011年6月3日にウォーリー・ボーグが90歳で亡くなると、あとを追うようにベティ・テイラーが翌日6月4日に亡くなったのはとても悲しいニュースでした。
このゴールデンホースシュー・レビューがどれだけ愛されていたのかは、2013年に展開するディズニーパークスのキャンペーン「Limited Time Magic」の第1弾として、フロリダ、マジック・キングダムでこのショーが期間限定で復活し、古くからのファンが大喜びしたことからも分かるでしょう。世界各地のフロンティアランドに設置され、ウォルトも愛したダイヤモンドホースシュー/ゴールデンホースシューという場所は、ディズニーランドを、アメリカを象徴するような場所なのです。
前置きが長くなりました。東京ディズニーランドにおいても「ダイヤモンドホースシュー」は開園時から設置されており、そこでは18年近く「ダイヤモンドホースシュー・レビュー」が開催されておりました。その後、大幅にアレンジを加え、ディズニーキャラクターを登場させた「ペコス・グーフィーのフロンティアレビュー」に切り替わりましたが、2013年3月、新たに「ザ・ダイヤモンドホースシュー・プレゼンツ“ミッキー&カンパニー”」になりました。
個人的には、この場所は本家ディズニーランドの、アメリカのノスタルジーを感じさせる場所であるべきだと思い込んでいました。そのため、ダイヤモンドホースシュー・レビューが終了したあと、「いくらなんでもディズニーキャラクターを出すべき場所ではない」と、ほとんど近づいていませんでした。ペコス・グーフィー…終了の報をきき、直前に見に行きましたがだいたい予想どおり(悪いほうで)でした。
ということで、正直この「ザ・ダイヤモンドホースシュー・プレゼンツ“ミッキー&カンパニー”」についても、あまりいい印象を持っていなかった、というところまでが前置きです。
ミッキー&カンパニー、想像の3倍くらいいいショーだった。すごいなこれ!驚いた! Photo by mtakeshidpostjp
実際に見てみた感想……
まず、写真についてはコンフェティを見てくださいませ(丸投げ)。
ストーリーには踏み込みませんが、このショーでは「音」がすごく重要な要素として作られていました。着席し前菜を食べていると突然不思議な音が聞こえてくる。よーく見るとファンカストーディアルのように音を出しながら給仕する方が。このときは単なる余興かと思っていたら、その人自身がストーリーに深く、深く入り込んでくるという。この時点でかなり驚きです。
また、ショー中でも給仕長とシェフの「音」による競演があったり、ショーの中でもあっと驚く楽器演奏シーンがあります。残念ながら初代ショー以降は生オケを廃した内容とはなっていますが、今回の「音」はライブでしか実現し得ない雰囲気を十分生かしたものになっていると思います。
そして、このショーでは主人のスルーフット・スーがストーリーの中に入り込んでいます(原点であるダイヤモンドホースシュー・レビュー以上に!)。これも深くは説明しませんが、主役としてきっちりあるべき位置に存在しており、本当に驚きました。1曲目があの「Welcome to the Diamond Horseshoe」で始まっていたのも、とても、とてもうれしい事件でした(高評価の理由の半分くらいはこれ)。
今回のショーについては、アメリカの伝統的ショーであるダイヤモンドホースシュー/ゴールデンホースシューレビューの良さを引き継ぎつつ、東京のパークにおけるニーズ——キャラクターの登場——をミックスさせ、ライブ感あふれるディナーショーを日米で作りだしたのだなあ、と素直に感心しました。ミッキー、ミニー、ドナルドの魅力も十分出ており、それが「主役」ではなくあくまでスルーフット・スーのストーリーを引き立てる位置にいる。これは本当によくできた内容です。
ということで、同じような思いをしている堅物なパークファンにもおすすめできる内容になっている「ザ・ダイヤモンドホースシュー・プレゼンツ“ミッキー&カンパニー”」。予約さえ取れれば本当に楽しい時間が過ごせる、すばらしいショーです。おすすめ!あと30周年ボックスにこのフル音源入れてくれませんか。くれませんか。