とうとう、やっと、やっっっっっと公開されたディズニー長編アニメ最新作「シュガー・ラッシュ」ですが、原題はWreck-it Ralphであることはご存知かと思います。今回はその邦題について一言……。できれば、映画を見たあとに読んでくださいね。
私の邦題に対する感想は、「うん、いいんじゃないのこのタイトル」。そうなんですよ。自分も見終わったあとにさー叩いてやるか!と構えて見てみたのですが、これが、むしろこっちが正しいタイトルじゃね?と思うほど。
ただし、これにはいくつかの前提があります。まずアメリカ。同じようにタイトルが変えられた「塔の上のラプンツェル」は、原題が「Tangled」(もつれた、という意味)でした。これはラプンツェルとストレートにしてしまうと、女の子映画としてしかプロモーションができないために避けられたと言われています(その効果があったのかは別として…)。いまでこそマーベルのコンテンツで男の子ターゲットをカバーしていますが、アメリカにおけるディズニーは男の子向けを考えないといけないのですね。そのため、本作では主人公のいかついイメージ、そして男の子の大好きなゲームを前面に出したプロモーションとタイトルが付けられたと想像します。
ひるがえって日本。日本はどちらかというとディズニーというイメージは女の子寄りになってます。ラプンツェルの名がタイトルに復活したのもそんな背景があるのでしょう(〜の〜の…というありきたりなジブリタイトルスタイルについてはもうコメントしたくない)。そのため、作品内の女の子中心のゲーム「シュガー・ラッシュ」がタイトルに採用されたのではないかと考えます。
で、大きな問題は、そのシュガー・ラッシュが妥当なのか。これこそ映画をみての判断ですが、私はアリだと思いました。思った以上に、舞台はこのゲーム内の話でした。むしろこのタイトルが原題でも通用するくらい。
(クライマックス、ラルフがサイバグを食い止めるためにホバーで移動する直前、I’m gonna wreck-it!といっていたら評価は変わってましたけれども)
しかし…。これは結果的にそうなっただけだろうなあとも思います。というのも、カーズ2の挿入歌だったポリリズム(Perfume)以上にAKB48の同曲がストーリーに入り込んでおり、これは制作のかなり初期に採用が決まっていたのではと推察します。その頃からAKB推し→邦題も合わせる、というプロモーションは決まっていたのでは、という読みですね。
ただ、トータルとしては原題自体にあんまり意味がなかった(たとえばUpのようなピクサー作品にはダブル、トリプルミーニングがあったりで邦題良くないと思ってます)ので、こんかいはそんなに邦題憎し、とはなりませんでした。監督はリップサービスなのか続編制作をにおわせていますが、その時には厳しいかもですね。ヴァネロペ主役なら大勝利ですが。
あとさー、公式サイトのキャラ紹介で「彼がひた隠しにしてきた<シュガー・ラッシュ>の驚くべき秘密が・・・」的な表現すんのやめようぜ。これ、超ネタバレだから。なんでこういう興ざめなことするの。ここ、この映画の最大の驚きポイントでしょうが。無粋の極み。
ちなみに私の感想。実に、実にていねいに作られた作品!数々の伏線がきっちり回収されていく様子は痛快でした。3つの全く違うゲームが同居し、それぞれの事情が重なり合う姿もさることながら、忘れた頃にぶつかり合うというのが大変素晴らしい。アメリカにおいては「あのラルフが女の子ゲームにブフォ」なギャップがいいんだろうなあ。
今回大好きなシーンは3つ。1つはやっぱりラルフのメダル授与シーンでしょう。都合二回ほどメダルが授けられるわけですが、その対比が素晴らしい。
そして2つ目はその直後に出てくる、ラルフ苦渋のシーン。ヒーローには選択が必要だし、悪にも悪なりの正義があることを表現したあのシーンは特筆に値しました。
3つ目はオレオです。