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ファストパスのその先へ——次世代疑似行列システム「xPASS/FastPass+」とは

2012年9月25日update)正式名称が「FastPass+」になると思われるためタイトルに入れました。仮称「xPASS」を以降FastPass+と読み替えていただければ。参考:Testing the Next Generation in Disney FastPasses | The DIS Unplugged Disney Blog

1999年、ディズニーテーマパークが行列をなくすために画期的な仕組みを取り入れました。それが「ディズニー・ファストパス」です。東京ディズニーランドでも2000年に導入され、いまやその仕組みや言葉の浸透度は目を見張るものがあります。そのファストパスが、さらなる進化を遂げようとしています。

その説明の前に、まずこちらの記事を。

2012年3月よりWDW、マジック・キングダムにて、ナイトエンターテイメント「Wishes」およびパレード「Main Street Electrical Parade」のファストパスをテストする、という内容です。そのほかでも、マジック・キングダムの「Town Square Theater」というグリーティング施設で初めてファストパスが導入された、というニュースを聞いた方も多いでしょう。実はこれらはファストパスを拡張する新たな仕組み、仮称「xPASS」への布石と言われています。

xPASSと呼ばれる仕組みについては、海外の著名ブログ「Jim Hill Media」が精力的に取りあげております(むしろ現時点ではジム・ヒルの口からしか語られていません)。

このエントリでは、そのxPASSをかいつまんで紹介していきましょう。

xPASSとは?

xPASS、もしくはNextGen virtual queuing system project(update注:現在はFastPass+という名称になったようです)と呼ばれる仕組みは、現在のファストパスを大幅に拡張し、現在ファストパス未対応のアトラクション、ショー、パレード、レストラン、グリーティングなどを事前予約できるという、リゾート滞在者向けのシステムです。まずフロリダ、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートにて2013年をめどに導入が検討されています。

ジム・ヒルによると、現在WDWでは28個のファストパス対応施設がありますが、このxPASSでは50施設が対応する予定です。その中にはファンタズミック!やリフレクションズ・オブ・アースなどの目玉ショーも含まれます。

このxPASSの恩恵を受けられるのはリゾート滞在者。ホテルやチケットのパッケージに含まれる権利で、ゲストはホテルの予約/チケットの予約を行うことで、そのグループが1日何枚のxPASSを利用できるかが決定するとのことです。その時点で、滞在日程の好きなアトラクションを予約できる、という点が特徴です。レストランを予約するようにアトラクション、ショー、グリーティングを数カ月前から時間指定できる、というもの。これにより、パーク側は事前にアトラクションの混雑を予測でき、ファストパスの発券状況などをコントロールできることが狙いなのではないかと考えられます。

ということは…スタンバイ列がいま以上に混雑する?

xPASSは「ファストパスの事前発券」とも言えます。東京ディズニーリゾートにおけるバケーションパッケージの限定ファストパス/プライオリティシーティングと同様の内容ですね。ファストパスの発券枠が減る→スタンバイ列がさらに伸びる、ということが容易に想像できます。

ここで思い出していただきたいのは、WDWが積極的に「インタラクティブキュー」を導入していることです。スタンバイ列が長くなることを見越し、それに対応するために楽しく時間をつぶしてもらう——ジム・ヒルはこれがxPASS導入のためにセットで行われているとしています。インタラクティブキューについては以前「アナグラのうた」に絡めて紹介しました。これらはすべて、WDWで導入されているものです。

パークがスマート化する?

ジム・ヒルは最新のエントリで以下のように述べています。

Not to mention being able to use the xPASS system to avoid lines at the Parks’ Quick Service Dining locations by ordering your meals in advance using your iPhone & Smart Phones (That’s another aspect of xPASS that we’ll get to in an upcoming JHM article. So hang in there, folks. There’s lots more info to share yet about this NextGen project).

どうもこのxPASS、まだ語られていない部分が多数あるようで、スマートフォンが大変重要なデバイスになるのではないかということを示唆しています。おそらく既存のバケーションパッケージから進化させる点として、情報をリアルタイムにアップデートすることを狙ってるのではないかと思います(事前に予約させるのはこのデータを取るためかと)。xPASS、ファストパス、スタンバイ列の状況を把握した上で、以前よりディズニーが興味を持っていた「次に行くべきアトラクションの提案」の実現がxPASSの最終目的地であろう、ということを私は考えています(運営側から見ると「いま空いているアトラクションへの誘導」が行え、混雑が平準化される)。そのためには各自がネットにアクセスできるデバイス=スマートフォンの活用が必須でしょう。この点についてはジム・ヒルの今後のエントリを待ちたいと思います。

ところで…私たちマニアにメリットは?

このxPASSに関するエントリがJim Hill Mediaに掲載されはじめたのが2012年の2月。ところが……どうもその反応は、ここまでの記事を読んだ皆さまと同様「ネガティブ」なもののようです。いわく「パークでの自由な行動が阻害される」——皆さんも、そう思いませんでしたか? この点について、ジム・ヒルは楽観的です。いわく「パークが変化しようとすると、いつも得意げにおきまりのセリフを言うヤツがいるんだよ。『ウォルトならそんなことはしない』ってね」。

で、もっと具体的に「年間パスポートホルダーやディズニー・バケーションクラブのメンバーにメリットはないの?」という点にも触れているのですが、現時点ではまったく決まっていない模様。この辺は日本のマニアにおけるバケーションパッケージ優遇に対する反応にすごく似ていて面白かったです。

これは他のパークに波及するの?

現時点では、3月に行われる株主総会でなんらかの情報が出るのでは、と言われています。その後、2013年初頭に正式導入し、アナハイムのディズニーランド・リゾートには2015年(60周年)に導入されるのでは、とジム・ヒルは述べています。

最初にWDWに導入する、というのは滞在型リゾートであることがポイントだったのでしょう。ここであれば、年間パスポートホルダー比率も(おそらく)低いでしょうし、オフィシャルホテル群に滞在する方も多いのでテストには最適(xPASSが導入されたあかつきには公式ホテル以外に泊まるメリットはなくなるかもしれません)。

さて、東京はというと…個人的には難しいと思っています。東京は滞在型リゾートには至っていませんし、まだまだワンデーパスポート利用者が多く、xPASSを導入するメリットがあまりないのが現状でしょう。WDWのように別パークに人を流すこともできませんし、そもそもファストパスの運用も破たんしているに近いですからね。

追記:
指摘を受けてはっとしたのですが、東京ディズニーリゾートが行っている「抽選システム」は東京独自のもので、本家にはありません。むしろこっちの方がちゃんと回っているという判断かも。先日の24時間営業「One More Disney Day」でも混雑予測がうまくできなかったのか、アナハイムのパークは大変な混雑で不満が高まっていました。このあたりのゲストコントロールはオリエンタルランド側のほうがノウハウ持っているようです(これは「海を越える想像力」でも触れられていました)。


ともあれ、このxPASSの導入はディズニーテーマパークでは大きな一歩になるのではないかと思います。ユニバーサルスタジオなどの「有料パス」ではなく、このような形で導入することは本当に興味深いものです。おそらく3月に大きく動くと思いますので、引き続き注視していきたいと思います。

関連記事:ファストパスはペーパーレスへ?特許から見る未来のパーク | dpost.jp(2007年の記事)

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