鳥取県主催「国際まんが博」案内役になぜか「スティッチ」が(update)

ディズニー(2013年以前の記事)

なんじゃこりゃ。きっかけはこちらの記事。
LINK:asahi.com:ディズニー起用案「なぜ」-マイタウン鳥取

LINK:国際まんが博:「スティッチ」イベントも 県、7社共同の企画案選定--8月開幕 /鳥取 – 毎日jp(毎日新聞) 県観光政策課によると、選定された企画は、県内全域で▽リロ&スティッチ映画祭▽遊具を集めたスティッチパーク▽ディズニーグッズ特設ショップ--などを予定しているという。県内の大型施設を巡回して行う予定のイ …

 8月スタートのイベント「国際まんが博」実施計画を民間から募集した結果、企画会社「トレードマーク鳥取」や電通による案が採用。その内容というのがなぜかディズニーキャラクターである「スティッチ」を案内役にするというもの。鳥取のマンガ文化(水木しげるや谷口ジロー、青山剛昌が鳥取出身)を紹介すべきなのに、なぜディズニーの、それもハワイandエイリアンのスティッチが?という違和感からこの記事になっています。ほんとなんじゃそら。

 で、この記事にもあるように、定例記者会見では記者から総ツッコミを受けています。

LINK:知事定例記者会見(2012年1月20日)/知事のページ/とりネット/鳥取県公式サイト

 知事のコメントがまったく的を射ていない。

ただ、多くの国内外の人に聞いていただければ、コナンあるいは鬼太郎というものも、当然頭の中でヒットしてくる、なるほどなというのはあると思うんですね。それで、それに合わせてディズニーのキャラクターという、これも世界的にアピール力のあるキャラクターが応援に回るということが、さらに1つの統合力と言いますか、そういうものを増していくんではないかなというふうに期待をいたしております。こういうようなプロポーザルで出てきたアイデアではありますけども、そのディズニーキャラクターとのコラボレーションというところも評価対象になったのには、私はイベントの力を高める、そういう設定ではないかなというふうに多くの人が理解していただけると思っております。

つまり、案内役ですよね。主役はやっぱりコナンとか、あるいは水木先生だとか、あるいは地域のいろんなアニカルのイベントなどだと思います。そういうものを1つに束ねる存在として、そのディズニーキャラクターも活用してはどうだろうかと、こういうアイデアでございまして、要はメインディッシュとそのデザート的なそういう存在との違いはあろうかと思います。メインディッシュはあくまでも県内の素材だということでありまして、スティッチのためのイベントをやるわけではないと理解をいたしております。

今回のあのイベントについてのそのガイド役という設定でございますので、非常に限定的な使用ということになろうかと思います。ディズニーランドでスティッチやっているわけではございませんで、ディズニーが開発したキャラクターの1つにスティッチというのがあると。それで、現実のそのキャラクターの認知度からいきますと非常に認知度高いんですね。その意味で、世界中の人にとってもそういうキャラクターがガイド役として、もちろんサブでありますけども、メインは鳥取のまんが文化などになろうかと思いますが、そういうサブとして出てくるということで、分かりやすさが格段にアップするというように期待をいたしております。

重ねて言いますが、別にディズニーランドではないです。ディズニーランドは白雪姫だとか、ミッキーマウスで、スティッチとは、ちょっと別の世界です。

 ちなみに、この案を提出した「トレードマーク鳥取」はこちら。2010年12月設立。トレードマーク社のグループ会社ですが、そのトレードマーク社はほぼ電通OBで構成されています。

LINK:トレードマーク鳥取について | 株式会社トレードマーク(tRADEMARK)|テレビCM・グラフィック広告・プロモーショーンのプロデュース・企画・制作会社

LINK:プロデューサー紹介 | 株式会社トレードマーク(tRADEMARK)|テレビCM・グラフィック広告・プロモーショーンのプロデュース・企画・制作会社

 なんだかなあ、と思うわけです。ディズニーファン側からしてもスティッチをかわいいからという理由だけで「消費」されてしまうのが本当に悲しいワケですよ。リロ&スティッチで伝えるべき部分を消し去ってしまった沖縄スティッチといっしょで。この成り行き、ちょっと注目してみたいと思います。

関連記事:
801ちゃんさんのリロ&スティッチ論が熱すぎる

追記:
 読売の続報が出ています。鳥取支局のオピニオン。

LINK:海外キャラ起用見直しを : 鳥取 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) 県はこれまで、県内から多数の漫画家を輩出していることから、「まんが王国」とPRしてきました。また、水木しげるロードなどでは、ゆかりの漫画を生かした地域活性化で成果を上げています。それにもかかわらず、海 …

追記(2012年11月20日)

LINK:税金10億投入した鳥取「国際まんが博」の悲惨すぎる内容 – NAVER まとめ

LINK:リロ&スティッチ10周年企画始まる。スティッチ!新作「スティッチと砂の惑星」放送:舞浜横丁

本件、客入りが悲惨ということでいままた盛り上がってます。だいたい予想通り。上記でかいていなかった点としては、その後スティッチの特番がくまれてテレビ中編「スティッチと砂の惑星」が2012年6月に放映されましたが、それの舞台が不自然に「鳥取砂丘」。制作時期考えると、鳥取まんが博のスティッチありきで、相当前から動いていたと想像します。

作られたブームは浸透しない時代、というのを改めて再認識。