「ムーラン」を見直してみた

 今年は辰年ということもあり、東京ディズニーリゾートでも久々にフォーカスが当たっている「ムーシュー」。このドラゴンは映画「ムーラン」に登場することはご存じかと思いますが、ムーランも公開からずいぶんと時間がたってしまっており、見たことがない方も多いんじゃないでしょうか。そんな私もここ最近この映画への思いが再燃しまして、ちょっと再注目しているところ。

 再燃した理由は、香港ディズニーランドで行われている「ゴールデン・ミッキーズ」。もともとはディズニー・クルーズラインという、船という閉じた空間で行われるショーということでで、それだけにクオリティが大変高いショーでした(そのサブセット版が香港で上演されてるもの)。そのショーの中でもひときわ異彩を放つのが、ヒーローをたたえるセグメント、ムーランの「I’ll make a man out of you」。この曲、このシーン、本当に心に残るんですよね。

Mulan – I'll Make A Man Out Of You

 便宜的にyoutube貼り付けましたが、ぜひ、ぜひこれは映画を見てほしいんです。そんなエントリを書きます。

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 この映画には見どころが本当に多い。まずは先のシーンにもあるようにミュージカルシーンのすばらしさ。良質なミュージカルは歌の前後で心境、立ち位置、舞台に変化ががあらわれると聞いていますが、「I’ll make a man out of you」はその真骨頂とも言うべきミュージカルシーンでしょう。この1曲ですべてが変わるといってもいい。ゴールデン・ミッキーズでも象徴的なそのシーンを取りあげているというのはすごくうれしいです。

 そのほかにもReflectionなどではこれぞディズニー映画ともいうべき、自分が何なのかを知りたい願うI Wishソング。以前ONETOPIディズニーイベントでお話ししましたけど、ディズニー映画の楽曲の役割には「Prologue」「I wish」「Change」の3つがあり、ムーランにおいてはそれぞれ「Honor to us all」「Reflection」「I’ll make a man out of you」が相当します。これらがすべてとても丁寧に作られてます。特に「I’ll make a man out of you」が再度流れるクライマックスシーンでのひねり方はたまらないです。そうきたか!とうなるほど。

 そしてそのシーンを形作る映像がこれまた。特にムーランが出兵を決意する、雷鳴の中1人たたずむ一連のシーケンスはすばらしい。中国の話ということもあり全体がモノトーンで作られ、ほとんど色のないキャラであるヴィランズのシャン・ユーの造形。いま見てもまったく見劣りがしません。

 ストーリーの全体を取りまくのは男の役割と女の役割。そうあるべきという姿と実際の姿、どっちの方が重要なのか、というところ。皇帝のため、家のために男ができること、女ができることを超えた行動をムーランは取っていくわけですが、それを取りまく登場人物が印象的。クライマックス以降はミュージカルではないものの、それまでのストーリーの積み上げ、音楽の積み上げがきれいに収束するのはすばらしいです。エンディングは98dgreeとスティービー・ワンダーによるTrue to your heartで、次世代のディズニーエンディングを見た気がします。

True to Your Heart – Mulan

 ちょうどこの作品あたりから、ディズニー映画におけるプリンセス像(ムーランは一応ディズニープリンセス扱い。プリンセスっぽくはないですが)を一転させました。待つだけのプリンセスから行動するプリンセスへ。そして本作の最大の特徴は「プリンス役が若干頼りない」。シャン隊長は先の曲ではムキムキのイケメンなのですが、後半になるにつれだんだんと存在感が消えていくという。だからこそファンも多いのですが(苦笑)。

 まあなんだかんだいって、自分は本作脚本を担当したクリス・サンダース(リロ&スティッチ、ヒックとドラゴン)が好きなんだなあ、という結論。ホントいい作品です。見てない人はもちろん、この記事を読んでもう一回見てみようかな、と思ってくれたらうれしいです。

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