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劇団四季の「美女と野獣」を見たぜ!

ということで6月4日に劇団四季「美女と野獣」を見てきました。2列目!

劇団四季 作品紹介(ステージガイド) 美女と野獣

1995年に赤坂で初演、久方ぶりに東京に戻ってきた美女と野獣。自分自身がディズニー好きになったきっかけである作品であり、かつ劇団四季で最初に足を運んだ演目。実はその後いっぱい劇団四季作品を見て、ディズニー自身も「アイーダ」や「ライオン・キング」を出したいま、ちょっとクラシックすぎるかな?と思い込んでいたのですがなかなかどうして。ということでインプレッションだけでなく背景も語れれば。

久しぶりの「美女と野獣」。

ディズニーにとっての「美女と野獣」、日本にとっての「美女と野獣」

元になった映画は1991年のディズニー版「美女と野獣」で、その辺のベースとなるのは以前書いた記事に詳しいんですが、それだけだと終わっちゃうので付け足します。元々ディズニー社にとっての美女と野獣とは、「第2のディズニー・ルネッサンス」を決定づけた大変重要な作品(ちなみに第1のディズニー・ルネッサンスは「シンデレラ」。この作品で、正確にはナイン・オールドメンの功績によりディズニーは大きく変わりました。そしていま、Tangledにより第3のルネッサンスが来たと思っています)。実際のところ、その前々作にあたる「リトル・マーメイド」から始まった「ディズニーの再生」なんですが、日本においてはリトル・マーメイドの展開は子供向けといったところで、大人が見るような作品とは認識されていませんでした。

で、日本での「ディズニー」ががらりと変わったのが「美女と野獣」から。この公開時にはアメリカでの大好評、そして日本で受けがいい「アカデミー賞ノミネート」という宣伝文句とともに、大変大きく取り上げられていたことを思い出します。この当時において、アニメーション長編作品がアカデミー作品賞にノミネートされると言うことは本当に快挙としか言いようがない、驚天動地の事件。今でこそピクサー/ディズニーで数本ノミネートされましたが、これはノミネート本数が増えたことによるもの。この作品のアメリカでの評価は大変大きかった、という印です。

ブロードウェイミュージカル版「美女と野獣」の要素

さて、その「美女と野獣」が舞台化される、ということで大きくクローズアップされたのは、デモテープまで完成していた「Human Again」という楽曲。こちらも以前書いた記事に書いたので省略しますが、それ以外にもいくつか楽曲が追加されています。その中で注目すべきは、とらわれたベルが歌う「Home」と、野獣の心を叫びに似た調べに乗せた「If I can’t love her」。この2曲がものすごく考えられた使われ方をします。

まず「Home」。映画版のシーケンスで言うと、野獣がベルを部屋に案内した直後、ベルが泣き崩れたシーンとガストンの酒場のシーンの間です。ここで、ベルがこの忌み深き「城」が「わが家」として、永遠ととらわれなくてはならないということを決意する大変印象的な曲。

そして「If I can’t love her」は第1幕のクライマックスで、一気に場面が転換するとともに、彼女を愛せなければ自分たちの人生が終わることを再認識する曲です。映画版のシーケンスで言うと、西の塔に行って野獣が怒ってベルを追い出した直後。

で、この2曲。劇中で大変効果的にリプライズが使われます。どちらもエンディング間際での歌われ方、その気持ちが全く逆なのですね。「Home」はトランスフォーメーションの直前に、ベルが息絶え絶えの野獣に歌いかけます。最初に登場したときは「とらわれる」がネガティブに歌われていましたが、このときには「もうすでにあなたにとらわれている」という意味合いでの、この場所こそが自分の「家」であると歌います。

そして「If I can’t love her」。第1幕の時はまだ野獣はベルのことを愛しているわけではありません(ここ本当に重要)。歌っている内容は愛を歌いつつ、実はそれが「自分のことしか考えていない愛」であるのです。その後あのボールルームのシーンを経て本当の愛を知り、彼女を逃がしたあとに歌われるリプライズ。第1幕は吠えるように歌った野獣が、本当の愛を知ったときの印象…この対比が大変素晴らしいと思っています(というか「If I can’t love her」については今回初めてその差に気がついた)。さらにエンディングのベルと野獣のデュエット。素晴らしいのひと言。

いままで自分も映画版との違いは「Human Again」だ、と思い込んでいましたが、これらの追加曲の効果的な使い方に本当に驚きました。もちろん、そのほかにもガストンのうぬぼれっぷりを歌う「Me」なんか素晴らしいですし。

せっかく東京でやってるんだから

要するに、せっかく近くで公演してるんだから、ぜひ見に行こうぜ!ってことです。少なくともZEDよりは敷居が低いですし、「テーブル・イズ・ウェイティング」も元は(多分)「Be Our Guest」なのできっと楽しいはずです。皆さんもぜひ、パークや映画とは違う「ミュージカル」を見に行ってみてください。本当におすすめです。

追記

以前の記事でも書きましたけど、やっぱり「美女と野獣」の”Come into the light”の台詞、劇団四季版の言い方はおかしい。この台詞のやりとりで「永遠に残れ」っていう“stay here forever”に対し、イエスともノーとも言えずに迷ったあげくの台詞であるところの”Come into the light”と表情なのに。もっと抑揚を押さえた言い方になるはずなんだけどなあ。ただ、原語をかなり変えることで有名な四季翻訳では、上記「Home」は劇団四季版の方がわかりやすかったりする。