結論から言うと久々に買って良かったDVD。真っ先にメイキングを見たのですがこれ自体は監督のクリス・サンダース、ディーン・デュボア、プロデューサーのクラーク・スペンサーに焦点を合わせたものでちょっと意外だった(ちなみにディーン・デュボアのペットが出てくるが、これはスティッチがトラックに轢かれた次のシーンでおびえる犬のモデル)。
で、このDVDのメインは上記3人によるオーディオコメンタリー。これが実に充実していて一言一言が全て興味深かった。特にオープニングのシーンは、スティッチが30歳だったりギャングの仲間がいた(ジャンバはその一人)など、現在の設定と大きく異なるものだったがロイ・ディズニーを含む経営陣にNGを出された(ロイ曰く、キュートが売りのスティッチが30歳だったらショックを受けるよ、と)などの話があったそうです。また、ナニ役のティア・カレルが監督と食事をしたときに、ティア・カレルのほうから「アロハ・オエをぜひ歌わせてくれ」というオファーがあったことなどが語られていたなどのエピソードもあったそうです。そしてエンディングでその後の家族の様子を入れるため上演時間を延長したエピソードは感動。バーニング・ラブのかかるシーンがそれなんですが、アレがあるとないでは確かに印象が全然違うもんなあ。
個人的には、この映画の公開前後でオーランドに滞在していたこともあって、このために7回も劇場に足を運んだくらいこの映画に没頭しておりました。よってこの映画に対しては無用なバイアスがかかっていることを承知で言うと、ディズニー長編の歴史に残る「異色作」だと思っています。童話でも直球のファンタジーでもなく、そのくせディズニー・ルネッサンス以降の作品の中ではもっとも「ディズニー映画」しているという。一時期のシリアス&ラブストーリーミュージカルに傾倒していたころ(美女と野獣以降)も凄かったけど、この作品はベクトルを変えてきているという点が個人的には評価ポイントでした。ここまでファミリーエンターテイメントを追求した作品はないでしょう。それだけに各シーンに対する監督の意気込みはすさまじいものがあり、それぞれのシーンに対する思い入れの強さがコメンタリーで語られてて本当に嬉しくなりました。
ともあれ、この映画については公開後にスティッチ人気に火がついたということもあり(認識あってる?)、このタイミングでスペシャルエディションがでたのは本当に嬉しいこと。2はどーやら地雷らしいので是非こっちの本編を見て欲しいものである、と思った。
関連する記事: 2005-09-13, 2006-08-18
コメント
リロステが「異色作」であり最も「ディズニー映画」しているというのは共感しますね。実際、リロステの制作はある意味、自由な遊び心で作ることができたそうです…
こういったところが見る側にも伝わっているんだと思うのです。ビジネス優先などが見え隠れする作品にと比べると結果は言わずと知れたもので、リロステのように制作された作品の方が「ディズニー映画」らしくなってしまうというのは何とも皮肉です。
リロステが「異色作」であり最も「ディズニー映画」しているというのは共感しますね。実際、リロステの制作はある意味、自由な遊び心で作ることができたそうです…
こういったところが見る側にも伝わっているんだと思うのです。ビジネス優先などが見え隠れする作品にと比べると結果は言わずと知れたもので、リロステのように制作された作品の方が「ディズニー映画」らしくなってしまうというのは何とも皮肉です。