坂本龍一のツアーに行ってきました。誰もが知ってるYMOのメンバーで有名な曲多数・・・というところまでしか知らないという、会場でそんなことを口走ろうものならファンから殴られること間違いナシの私。実際のところ演奏された曲で知っていたのはYMO時代の数曲と戦メリくらい。もちろん演奏は楽しめました。ただ、周りの人の盛り上がり方を見ると、イントロがちょろっとかかった瞬間に歓声が上がる(1曲目のビハインド・ザ・マスクはものすごかった)し、明らかにYMO世代だなという人たちのノリは端から見てても盛り上がってるなー、というのが感じられました。
はて・・・・どこかで似たような話を聞いたことがあるな、と思った人は鋭い。
東京ディズニーランドに行ってきました。もちろん楽しめましたが、一緒に行った人や周りの人の盛り上がり方を見ていると、自分とはちがってもっと楽しんでいるみたい・・・というようなお話。
と言うことで先日ちょろっと頭出ししたお話、「ディズニーのテーマパークを最大限楽しむ攻略法が存在するのか?」に入っていきます。以前はそんなものは存在しないから雰囲気を楽しめ、という指針を出して結論づけたのですが、いやもしかしたら、というのがこの前までのあらすじ。だいたい結論見えるかもしれませんが、一言で言うと以下の通り。
唯一の攻略法は、ディズニーの歴史を深く知ることである。近道など存在しない
つまり、短期的には攻略法なんて存在しません、という今までの結論とは全く変わらず、攻略したいと言うのならばじっくり時間をかけてディズニーを知る=ウォルト・ディズニーを知ることしか無いんじゃないかと思います。ですので、以前紹介したTDRの影を踏んで: 第10回 攻略法を知ってるかいでの「もっと気ままに遊ぼうじゃないか」という論旨はまったくもって同意。ホントこれしかないと思う。しかし、もしかしたらこの文章を読んでも「その通りだけど、でも、何かない?」みたいな印象を持つ人がいるんじゃないか、と思ったのがこれを書いているきっかけ。
例えば屈指のつまらないアトラクションと言われるxxxx(各自頭に思い浮かんだ名前を入れよう)。みんながつまらないと思っていても、感動したと言う人がいるとします。その人の頭の中はどーなってるのかというと、多分そのアトラクションの歴史を考えてみて、ウォルトがふらっと立ち寄った店に置かれた鳥のおもちゃを元にピンと来たという話を思い出しているんじゃないか、と思うわけです。目の前の出来事と、そのバックグラウンドを合わせた体験=感動、なのかもしれないですね、と(ってあのアトラクションしかねえじゃねえか!ってのはナシ)。
ということで以下、はっきり言って万人におすすめできるものではない「攻略法」。本当に実践すると数年かかるかもしれませんが、もし来年念願のオーランド(orアナハイム)旅行を考えています、と言う人なら間に合うかもしれない。そんなアナタに向けての具体的実践方法「人はどうすればディズニーヲタになれるか」。基本的にどこでドロップアウトしたとしても、次に訪れるパークは今までと違った印象を持つことは間違いありません。最後まで行ってしまったときはアナタの周りからの印象が変わってしまう可能性もありますが、責任は取れませんのでご了承のほど。
まずはこの本を読め、「 ディズニーランドという聖地」
正直この1冊だけでもパークでの振る舞いは相当変化すると思う良書。発行されたのは1990年と古いがそんなことを感じさせません。ディズニーの歴史という意味では大きく分けて「ウォルト・ディズニーの歴史」「ウォルトが作った映画の歴史」「ディズニー・テーマパークの歴史」の3つのカテゴリになるかと思いますが、それぞれを非常に端的にまとめているという意味でお薦め。1日で読めますしそれこそパークの待ち時間で読める(が、同行人に嫌われる)。この本は基礎知識をつけるためのもの。これで興味を持ったら次のステージへ。
次に見るべきもの
はいここからざっくりですよ。次は「白雪姫」から「ホーム・オン・ザ・レンジ」まで全部見てください。あ、待って待って逃げないで、それがダメなら最低でも「白雪姫」「ピノキオ」「ファンタジア」「ダンボ」「バンビ」「ラテン・アメリカの旅(か、三人の騎士)」「シンデレラ」「不思議の国のアリス」「ピーター・パン」「わんわん物語」「眠れる森の美女」「101匹わんちゃん」「メリー・ポピンズ」「ジャングル・ブック」までは見てください。要するにウォルトが生きていた頃(かつ、パークにアトラクションが存在するもの)の作品です。くまのプーさんも合わせて。
そして、再度ウォルトに近づく
次のステージは、上記作品群をどのようにしてウォルトとその仲間達が作ってきたか、と言うことを深掘りすべきでしょう。そのためにはまず この本をお勧めします。これはウォルトの伝記となる1冊で、先ほどの「ディズニーランドという聖地」を深掘りするものとなります。上記映画群制作のバックグラウンドがこれでわかりますし、なぜ映画制作をしていたウォルトがテーマパークに興味を持ったのか、そしてその共通点とはなにか、ということがよくわかるかと思います。 ここでさらに興味を持った人は、ウォルトの実兄、ロイ・ディズニーの自伝、 ディズニー伝説も合わせて読むといいでしょう。
さらに、ディズニーと言えば
もう一つ、注目すべき要素があります。それは「ディズニー音楽」。映画を全て見てしまえばここはほぼクリアと言っていいんですが、とりあえず手始めは適当なディズニーのベスト盤を買っておきましょう。正規版ならばどんなのでもいいです。ベスト盤であればレンタルでいいでしょう。このステージにいる人は多分、各個別のサントラとかにも手を出すでしょうし。
To infinity and beyond.
ここまでのステージをクリアしたら、パークに行ってみましょう。今までの風景がガラリと変わっているはずです。何気なく通り過ぎていた風景、音楽が実はあなたに何かを語りかけていた、ということに気づくでしょう。そして、その後はよりウォルトという人間、そしてディズニーという会社に対する興味がより大きくなり、自ら進んでいろんな情報を取り込んでいきたい、と思うはずです。これこそが、パークを完全攻略する方法だと思っています。というか、単純に言うと自分が通ってきた道が上記の通りであるよ、と言うお話であり、いわば「mtakeshiの作り方」でもあります。
もちろん、そんな完全攻略しなくても、ただ歩いているだけで楽しめるよう、パークは作られています。上記を読んでこんなの無理!と思った人(ほとんどがそう思うはずです)は、無理に「勉強」する必要なんか全くないのです。ただ、ディズニーのテーマパークでは、「全てのものが語りかけ、歩み寄る」という作りをしています(参考:ディズニー7つの法則)。パークの様々な要素はあなたに語りかけてきていたと思います。そのいくつかを聞くだけで楽しくなるように作られているのが今のディズニーテーマパークであり、あれだけのリピーターがつく秘密です。その語りかけに対して聞き耳を立てるための準備をしておけば、より多くの声が聞こえるんじゃないかと思います。
ということで、「攻略法は無いと言われても、ホントはなんかあるんでしょ?」と言うひとに向け、ちょっとでも役に立つといいなー、と思ってまとまりもなく書いてみました。
関連する記事: 2005-08-11, 2006-03-07, 2008-06-28
コメント
dpost.jp:今日のひとこと (2006-03-08 00:13)
http://dpost.jp/?date=20060307#p03
共感していただけましたか(涙)。特にパーク系の属性が付いている場合、ファンが思うおもしろいポイントと一般の方のそれとはかなりの差がありますからね。行きたくもない東京ディズニーリゾートを楽しむには – dpost.jp (2005-10-13)で触れたはてなの質問と回答の温度感..
dpost.jp:今日のひとこと (2006-03-08 00:13)
http://dpost.jp/?date=20060307#p03
共感していただけましたか(涙)。特にパーク系の属性が付いている場合、ファンが思うおもしろいポイントと一般の方のそれとはかなりの差がありますからね。行きたくもない東京ディズニーリゾートを楽しむには – dpost.jp (2005-10-13)で触れたはてなの質問と回答の温度感..