Gertie : ハーバーサイドクリスマスメニューなにがうまいのか?

Gertieコラム★『ねずみの国の料理長』連載第一回/ハーバーサイドクリスマスメニューなにがうまいのか?どうせセントラルキッチンで大方作られるのだから、さほど味の違いなどないのだが、そんな不粋なことをいっていると、楽しみの半分をなくしてしまいそうなので、パークの食べ物についてあれこれと語るのが、このエッセイシリーズの主旨である。

ここにご参加の諸氏であれば、パークにはスペシャルメニューというものが存在することは衆目の事実であろう。そこで今回の特集はパークのスペシャルメニューをすべて食べて、それを総合評価する。あくまでも主観的に5つ星で判断してみたい。かなり辛口だが、利用される方のご参考にしていただければと考えている。今回はハーバーサイドクリスマスをご紹介しよう。

■ハーバーサイドクリスマスにおける料理

ディズニーランドシーでは、5つの場所でクリスマス限定メニューがある。3回の入園にわけて、そのすべてを口にしてみた。

●マゼランズ
評価:★★★
価格:6000円

ホロホロ鶏のコンフィ、
ブラックライスとベビーリーフ添え
シーフード・ムースの平目包み
ほうれん草のピュレとサフランソース
サーロインステーキ、ケッパーソース
海老芋、京人参、西洋ごぼう
パン
フランボワーズ入りガトーショコラとヌガーグラッセ
コーヒーまたは紅茶

まずマゼランズだが、総合的にまずますといったところだ。中世風の演出が個人的にも好きなせいもあるのだとおもうが、個人的にはワイン倉の中の秘密の部屋が一番のお気に入りの場所だ。ランチはこのメニューにステーキがはぶかれたものだ。付け合せの海老芋は直営レストランのメニューのあれこれにも使われているのだが、これが一番おいしい。肉はまずくはないが、それなりである。ケッパーソースは芸がない気がした。メニューを統括しているシェフが和野菜を使うのが好みのようで頻繁に春菊や牛蒡などが登場する傾向にある。ランチではこの肉料理がないことを考えると、ボリュームにはかけるだろう。パンばかり食べないとお腹はこなれない。

前菜のコンフィというのは低温の油の中でじっくり火を通す料理なのだが、ほろほろ鳥は、油気があまりないので、このような調理法にはむいている。すこし固い感じもするが、味はしっかりしている。ブラックライスも、取り合わせとしてはいいだろう。ムースのひらめで包んだものは、フランス料理の王道なのだが、これはソースですべてが決まってしまう。あまりにやわらかい料理なので食べ応えが期待できないだろう。ひたすらワインを飲むしかない。ソースはほうれん草のピュレとのバランスがすこしぶれている感じがした。サフランの香りはよく引き出されていてうまかったが、ほうれん草のピュレのほうにアクセントがあるとメリハリが利いていたと思う。

デザートはすこし寂しい。小さなジェラードでもくわえて欲しかった。アイデアとしては、ベリーを凍らせて半解凍でそえるのも最近の流行だ。

●リステランテ・ディ・カナレット
評価:★★★
価格:2300円

海老と帆立貝のハーブドレッシング
プロシュートとメロン
チキンとカラーピーマンのマスタードマリネ
“クレスタ・ディ・ガッロ” ショート・パスタ
スモークダックときのこのクリームソース
カプチーノ風味のパンナコッタとバニラジェラート
コーヒーまたは紅茶

次に、評判のいいリステランテ・ディ・カナレットだが、すこし赤面するゴンドリエの歌声を遠くに聞きながら、食した。プロシュートとメロンという定番の前菜はいらないかもしれない。メロンじたいが良いものではないので、すこぶる塩分を感じる。

スモークダックなんて食材にしたら向かいのデパートのオーナーが怒りそうなものだが、そんな心配のいらないくらいダックの味はしない。これは完全にクリームソースの勝ったパスタである。風味を生かすにはもう少し弱い火でクリームの中でダックを泳がせないといけない。

デザートはこじんまりしているが、まとまっている。パンナコッタのすこし甘いのが気になるがしかたないだろう。テーブルサービスもよくなれた人が担当したせいか、気持ちよく食事ができた。総合評価としては値段の割には満足できた。ただし定番メニューのほうがうまいものは多い。
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●S.S.コロンビア・ダイニングルーム
評価:★★
価格:3800円

ホッキ貝と海藻のサラダ
栗のクリームスープ
仔牛のロースト、シードルソース
ホワイトソルガム添え
ガトーショコラ
パン
コーヒーまたは紅茶

星は二つにしているが、価格から考えると、星は一つでもよいかもしれない。まず味の評価から。なによりひどいのは、ホッキ貝を煮過ぎてしまい、味がほとんどなくなってしまっていることだ。衛生の面でおこなっているのなら、このようなメニューを取り入れてはならない。ゴムのような感触である。ビネガーをくわえた磯のりは洒落たつもりかもしれないけれどホッキ貝がこれではただすっぱいだけである。栗のクリームスープはこのメニューの中では一番うまかった。ココアパウダーを飲み口にまでぶちまけてかけてあるのには閉口したが、フォンのしっかりしたうまさがあった。メインは、子牛のうまさを台無しにしている。シードルソースじたいは爽やかでうまいのだから評価してもいいが、肝心の肉の火加減はほめられたものではない。遊園地のレストランでもプロの仕事をみたいものだ。余熱の処理がうまくできていない。火が完全に肉汁にもまわって臭いがでている。アラカルトでたのんだシーフードのマリネは止めておいたほうがよい。酢づけのことをマリネというのではない。ディルなどの香草の使い方もうまいとはいえない。

デザートは無難な味だが、もうすこしデコレーションで華やかさは演出できるはずだ。それよりなにより、飲み物に関する管理にはおどろいた。リフィルフリーはいいのだが、でてくる代物はあまりにもお粗末だった。実は今回だけではないのであえて書くのだが、紅茶にいたっては、ほとんど葉の開いていないような白湯を呑まされているようなものだ。しかもことごとくぬるい。これではセーリングデイビュッフェでカップごとにリーフをいれかえて出してくれる紅茶のほうがよほどうまいというものだ。

ピアノ演奏があるので、それなりのムードは味わえると思う。同じ曲目を引くだけなので少しつまらないとはいえ。ただし豪華客船の中での食事というには程遠いので、そんなに期待すると悲しいことになる。

●ニューヨーク・デリ
評価:★
価格:780円
クリスマスプレート
ターキー胸肉スライス
ターキーパストラミ
モントレージャック・チーズ
コールスロー
パスタサラダ
パン
ソフトドリンクのチョイス

寒い季節に、冷たい料理はいかにも悲しい。ケープコッドでクラムチャウダーを食べているほうが、ショーも見れるし幸福な気持ちになれる。それにこのメニューってプライムナイトパスポートのメニューとあんまし変わんないし(ビールえらべたり、チョコレートケーキついたりしてるだけ)似たようなもの。具だくさんのスープかなんかつけてあればいいのに。

●カフェポルトフィーノ
評価:★★
価格:1680円

野菜のピュレスープ
スパゲッティ、はまぐりのクリームソース
ストロベリーティラミス
ソフトドリンクのチョイス

無難なコース、というかスィートハートカフェでも置きそうなリゾートありがちな、中途半端なメニュー。飲みものとデザートを写真からとりのぞくと、その寂しさが伝わってくる。1700円あれば今時、ものすごいものが食べれます。もう少しメニュー考えましょう。まあスープはいわゆるトマトスープです。ボンゴレロッソをわざわざスープ分べつにして一品に仕立て上げたような、お手軽な味です。でトマトをとったところに少し生クリームをくわえれば、はい!パスタ料理のできあがり。これで二品に化けました。でも味はかなりおいしいよ。これホント。ストロベリーティラミスは(以下省略

●次回はTDLではなく、イクスピアリで開かれたボジョレーヌーボとチーズの試食会の模様などについて書いてみたい。