Gertie : 『生命を吹き込む魔法 ― The Illusion of Life ―』の翻訳出版

Gertieコラム★『生命を吹き込む魔法 ― The Illusion of Life ―』の翻訳出版
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(旧URL:http://xoops.dpost.jp/modules/news/article.php?storyid=460)生命を吹き込む魔法 ― The Illusion of Life ―』と題され一冊の本。この書物は実に20年余も前に出版されたものだ。原書の「Disney Animation: The Illusion of Life」は1981年に出版されて以来、アニメーションの聖典のようにして読み次がれてきた。その書物がようやく先頃、徳間書店よりスタジオジブリが中心となって、全文翻訳され、すべての資料が再現された。

 この書物がとりわけ、重要なのは二人の著名なディズニーアニメーターによって描かれているということなのだ。アニメーションが、一つの芸術形式となっていく黎明期において、いかなる想像力や技法の驚くべき発明があったのか。そうした制作の現場が、生き生きとした具体的エピソードの中で語られている。「教科書」として多くのアニメーターたちにも読まれてきた本書は、たんにテクニックを教えるようなものではなかった。その技法がうまれる瞬間に、読む者を立ち合わせ、感動を同じくして創造することの意欲をかきたてたのだ。もちろんアニメーターでなくても多くの読者の心をつかんだのは、絵に生命を吹き込む、魔法を本書からじかに感じることができたからだろう。500ページを超えるすべてにわたって、貴重な絵コンテやスケッチが満載されている。しかもアクションが分解されたアブ・アイワークスの「蒸気船ウィリー」のスケッチやフレッド・ムーアの「白雪姫」のスケッチなどコレクターたちが収集に値するような無数の資料が、アニメーションの歴史とともに次々に登場するのである。

 著者の二人は フランク・トーマスとオーリー・ジョンストン。あまり一般的にはなじみのない名前だが、「白雪姫」や「ピノキオ」や「ピーターパン」をつくった人なのだと知れば、にわかに関心が
高まるのではないだろうか。このような名作が生み出される前、漫画映画は、ウォルトディズニーの言葉を借りれば「トリック」によってもの珍しいだけのものであった。そこに感情を吹き込む作業がはじまった。機会があれば、その詳細を少しづつご紹介できたらと思う。参考までに以下に目次を挙げておきたい。

第1章  ひとつの芸術様式が誕生した
第2章  草創の時代 1923-1933年
第3章  アニメーションの原則
第4章  発見 1934-1936年
第5章  漫画映画は成熟した
—-ノーム・ファーガソンとハム・ラスク
第6章  アピールとダイナミズム
—-フレッド・ムーアとビル・タイトラ
第7章  ハイペリオン――爆発    
第8章  バーバンクと9人の古株(ナイン・オールド・メン)
第9章  私たちの制作工程
第10章  画面をぴたりときめるには
第11章 ディズニー・サウンド
第12章 フォローアップの仕事
第13章 人物や動物を描くときの実写の活用法
第14章 ストーリー
第15章  キャラクターづくり
第16章 表情と台詞
第17章 演技と感情
第18章 その他のアニメーション――そして未来

書名:ディズニーアニメーション 生命を吹き込む魔法
   ― The Illusion of Life ―
   大型本 – 584 p (2002/04/23)
   徳間書店 ; ISBN: 4198615004 ; サイズ(cm): 27 x 22
   本体9800+税
著者:フランク・トーマス オーリー・ジョンストン
翻訳:スタジオジブリ
日本語版監修:高畑勲 大塚康生 邦子・大久保・トーマス