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ミッキーマウスの「蒸気船ウィリー」は1928年、アニメーションでトーキーという、センセーショナルなデビューを飾った。その映画の中で彼は華麗に口笛を吹き、「わらの中の七面鳥」を披露した。後に彼が初めて発した言葉「ホット・ドック!」といったのはほかでもない、ウォルト自身だったのは有名な話であり、誰もが「道楽」と言ったディズニーランドが成功したあと、テレビに出演したウォルトが「でもこれだけは忘れてはいけない。すべてはたった一匹のネズミから始まったことを」と語ったのはなんとも感慨深いところ。そう、ウォルトとはミッキー・マウスであり、ミッキー・マウスとはウォルト自身なのです。
そのミッキー・マウス、百数十本の短編と一本の長編に出演した後、スクリーンから遠のいてしまいました。アメリカのティーンたちは「ミッキーとはキャラクター商品か、ディズニーランドであえるもの」という印象しかなく、彼が映画に出ていたことを知らないという事態になってしまいました。それを憂いたディズニー・プロダクションが作ったのがこの短編「ランナウェイ・ブレイン」です。このあたり、ウォルトが長編「ファンタジア」を作った動機とすごく似ていて興味深いところです。
ストーリーは、ひょんなことからミニーとの初デート記念日にハワイに行かなければいけなくなったミッキーがアルバイトをすることになったのですが、それが何と脳を交換してしまうという危険極まりない仕事。フランケンオリー博士(余談ですが、この名前はフランク・トーマスとオリー・ジョンストンという、ナイン・オールドメンの名で知られる伝説的なアニメーターからとられている)の不思議な機械により無事(?)その仕事を終えてしまうと、怪物ジュリアスの体を持ったミッキーの登場。そしてミッキーのからだを持つ怪物がミニーに襲い掛かる・・・というストーリー。過去の短編に比べ恐ろしいほどのスピード感で進むこの短編、やはり今風の内容となっています(何と冒頭、ミッキーはテレビゲームに熱中しているのです!!)。どちらかというと、ロジャー・ラビットの短編のイメージが強いですね。
この短編、アメリカでは「A Kid in King Arthur's Court(多分日本未公開)」という映画と並映という扱いだったのですが、ミッキーの数十年ぶりの銀幕再デビューということで、これのCMも大々的に放送したためか、完全に本編を食ってしまったらしいです。。日本では「花嫁のパパ2」と並映だったそうですが、こちらもファンが殺到したとのことでした。私は毎年夏に行われる「ディズニー映画祭」で観たのですが、一日に3度も観てしまいました。やはりディズニーの短編はツボを押さえているというか、安心してみていられます。今風になっているとは思いますが、決してディズニーらしさを失っているとは思えないところがディズニーのすごいところだと思います。
もしウォルトがこの作品を見たら、きっと「すばらしい!」と言うに違いないでしょうね。もしあなたもそう思ったら、ぜひウォルト=ミッキーの短編を見ることをお勧めします。
ということでこの作品も
★★★★★
で満点。そろそろ厳しい評価の作品でも行きますかね・・・
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